サッカー王国ブラジル“憂い”の10番!

2016/11/24 16:20 配信

芸能一般

リカルディーニョ

ブラインドサッカーは「暗闇の戦い」だ。視覚に障がいのある4人の選手がアイマスクをしてサッカーを行う(キーパーは目が見える選手が務めることがほとんど)。目をつぶってサッカーをすることを想像しただけで、それがどんなに難しいことか理解できるはずだ。

ペレやジーコ、そしてネイマールと数多くのタレントを生み出してきたブラジルだが、ブラインドサッカーでも、才能あふれるスーパースターがいる。それがリカルディーニョ。【ブラジル代表】【10番】【キャプテン】である彼のプレーを見ると、目が見えても不可能に思えるほどだ。

リカルディーニョは6歳で視力が低下し始め、8歳の時に網膜剥離で失明した。「サッカーは2度とできないと思った」というリカルディーニョだが、自らの身に起こった悲劇に関して、文句を言ったことはなく、そのことで「自分たちは救われた」と両親は言う。

だが、転校先の小学校である先生と出会ったことで少年の運命は一変する。リカルディーニョの才能を見出したドドーはこう言った「彼は完璧だ」と。そしてリカルディーニョもまた胸が高鳴ったという。「また、サッカーができると知った時は期待と喜びで胸が一杯になった。子供の頃の夢を取り戻し、またその夢を信じられるとわかったからね」。

再び、サッカーを始めたリカルディーニョは、史上最年少でクラブチームに入ると、16歳でブラジル代表に招集された。そして、北京、ロンドンのパラリンピックで2つの金メダルを獲得、3つ目の金メダルをリオデジャネイロで獲得するはずだった。

しかし、運命のリオまで半年を切った2016年4月に左足腓骨骨折と靭帯損傷。だが、母国開催のパラリンピックに情熱を燃やすリカルディーニョは諦めなかった。「僕にとっての困難は、ただ乗り越えるためにある」。

11月26日(土)夜9:00からの放送(WOWOWプライム)では、必死にリハビリを行い、リオのピッチに立つことを信じ続けたリカルディーニョの姿とともに、どこか憂いを帯びた「10番」の素顔もお伝えする。