2016年4月に1stシングル「サイレントマジョリティー」でデビューしアイドル界を席巻した欅坂46が、12/24&25に東京・有明コロシアムで初単独ライブを開催。2日間3公演で27000人を動員した。1stシングルのリリース直前(2016年3月)に東京国際フォーラムで単独公演を行っているが、正式デビュー以降の単独ライブとしてはグループ初となる。
従来のアイドルのステージとは一線を画す硬派なセットを背に、メッセージ性が強く、ダンサブルなナンバー「大人は信じてくれない」からライブがスタート。これまでリリースされた全シングル表題曲でセンターを務める平手友梨奈の「有明コロシアム、かかってこい!」という言葉に会場はいきなりヒートアップした。その平手が、ソロ曲「渋谷からPARCOが消えた日」では真っ赤なパンツスーツスタイルでスタンド席の通路に登場。圧倒的な存在感とパフォーマンスで観客を魅了した。
その後は、今泉佑唯、小林由依のギターユニット“ゆいちゃんず”の「ボブディランは返さない」、志田愛佳、菅井友香、守屋茜、渡辺梨加、渡邉理佐による「青空が違う」、今泉、小林、平手、長濱ねるが歌う「夕陽1/3」などユニット曲コーナーへ。MCパートを挟んで披露された「キミガイナイ」では、感極まった菅井の頬を涙がつたう場面もあった。
さらにMCパートを挟んだ後、平手のソロ曲「山手線」、長濱のソロ曲「また会ってください」などに続き、今年5月に結成された“けやき坂46”(通称:ひらがなけやき)が「ひらがなけやき」や「誰よりも高く跳べ!」を披露。ひらがなけやきの佐々木久美は「デビューして1年もたっていない私たちですけど、こんなに大きな舞台でパフォーマンスをさせていただいて幸せです!」と笑顔を見せた。
最終ブロックでは、3rdシングル「二人セゾン」、2ndシングル「世界には愛しかない」とリリース順をさかのぼる形で表題曲が披露され、ライブ本編の最終曲となった「サイレントマジョリティー」では、完成度の高いパフォーマンスで観客の期待に応えた。
アンコールを受けて登場したメンバーを代表した菅井が「初めての単独ライブでこうやって皆さんからアンコールをしていただいて本当に感無量です。ありがとうございます」とあいさつ。さらに「私たち欅坂46は大先輩たちの恩恵を受けて、『身の丈に合ってない』と言われても仕方がないような…とても大きいステージに立たせていただいて…―中略―私たちにファンの方っているのかな?って幕の中で心配してたりしたんですけど…そのたびに、みなさんが緑色のペンライトを持って私たちを見守ってくださって…いつも勇気をいただきました…。―中略―近くで応援してくれるスタッフさんや家族にも感謝の気持ちでいっぱいです…」と号泣。笑顔を取り戻しつつ、「こうやってめぐり逢えたメンバーとも、運命かなって感じているので、一緒にこれから頑張っていけたらと思います」と話したが、今度は石森虹花、上村莉菜、齋藤冬優花、鈴本美愉らが泣き出してしまい、客席に背を向けながら必死でこらえていた平手も最後は涙を流していた。
全員が笑顔に戻って披露されたラストソングは、今回の公演で初お披露目となった新曲「W-KEYAKIZAKAの詩」(だぶりゅーけやきざかのうた)。欅坂46(通称:漢字欅)とひらがなけやきの計32名が初めて揃ってパフォーマンスした楽曲で、ファンにとってはこれ以上ないクリスマスプレゼントとなった。
既存のアイドルライブと比べて照明などの演出、パフォーマンスともにアーティスティックに仕上げられたこの日のイベントは、AbemaTVで生配信された。162万人を超える視聴者と12万件を超えるコメント数をマークし、AbemaTVの単独ライブ配信としての新記録を樹立。2017年2月に再放送されることが決定している。
取材・文=大小田真
【12月25日「欅坂46 1stワンマンライブ」(有明コロシアム)セットリスト】
M1:大人は信じてくれない
M2:語るなら未来を…
(MC)
M3:渋谷からPARCOが消えた日
M4:渋谷川
M5:ボブディランは返さない
M6:青空が違う
M7:夕陽1/3
M8:制服と太陽
(MC)
M9:キミガイナイ
M10:山手線
M11:乗り遅れたバス
M12:また会ってください
M13:ひらがなけやき
M14:僕たちの戦争
M15:手を繋いで帰ろうか
M16:誰よりも高く跳べ!
(MC)
M17:二人セゾン
M18:世界には愛しかない
(MC)
M19:サイレントマジョリティー
(ENCORE)
M20:W-KEYAKIZAKAの詩