――AR performersで、内田さんがこだわっている点は何ですか?
こだわりしかない感じなんですけど。いろんな方に見ていただきたい、聴いていただきたいと思っています。これは新しいエンターテインメントのスタイルに成り得るんじゃないかと思っているところがあって、アニメ原作でもゲーム原作でもないという事をあえてやっているんですね。
そういった意味では、音楽が好きだよっていう方、キャラクターものが好きだよっていう方、いろんな方が聴いて「これはいい音楽だね」って。あるいは、キャラクターを見て「格好いいね」「すてきだね」って思っていただけるっていうラインはどこかということを、常に考えてやっているつもりではいます。
「オタク」や「2次元」っていう言葉に対して引っ掛かりがある方って以前よりは少なくなってきているとは思うんですけど、一方ではまだまだキャラクターを見た瞬間に「これ、私は関係ない」と感じてしまう人もいて、実はまだマジョリティーはそっちじゃないですか。そういう方たちがご覧になっても入っていける世界観っていうのを、目指してみたいなと思っています。それと同時に、2Dのキャラクターが大好き、アニメが大好きという方が見ても「これは格好いい」と思ってもらえる公約数的なラインを一生懸命考えています。
音楽のアプローチも、EDMっぽい曲などのグローバルの流行り音を入れてみたりして、何か上手い橋渡しができないかなって思っています。あと、やっぱり生っていうところですね。皆さんがステージを見ているだけではなく、ステージの上からも見られているっていう緊張感を、オーディエンスの皆さんに味わっていただきたいです。いい物を作っているつもりなので、入口で食わず嫌いになってほしくないですね。
――やはり、実際に来て、見てもらいたいですね。
実際のアーティストさんを目の前にした時と同じような興奮を、2Dのキャラクターで味わっていただく、それに尽きるのかなと。これまで2次元のコンテンツで映像ライブっていうのはあったんですけど、映像を再生しているのでライブの緊張感はどうしてもないんですよね。
お客さんが映像に合わせて、一緒にライブのつもりでノるっていう遊び方はあるとは思うんですけど、実際のライブじゃないことは、どこまでいっても頭の中で分かってるわけじゃないですか。
それが2次元の限界みたいに言われるのが悔しいので、そうじゃなくて、2次元だけど見られてるよって。1番前の席でつまらなさそうに座ってたら、ステージ上から睨まれるかもしれないよっていう緊張感ですね。目と目が合ったり、指を差されたり、そういうものを2次元のキャラクター、2次元のコンテンツでやってみたいですね。
――では、シンジ、レベルクロス、レオンの3組について紹介していただけますか?
僕が恋愛シミュレーションゲームをやっていたこともあって、キャラクターを作る時に王子様像みたいなものを最初に考えていたこともあり、今回もそれをやってみようと思いました。
最初に生まれたのが、シンジっていう王子様的な役割のキャラクターです。現代で「王子様がいるとしたら?」「王子様的な人ってどんなだろう?」って考えた時に、やっぱりフィギュアスケートの羽生結弦くんのような人を思いつくわけです。あと、アイドルの方とかも加えて、全部混ざったような人がいたら、究極の王子様的なすてきな人だよなって。
歌も上手いし、踊りも一流だし、上品だし、そういうイメージでシンジくんを作って、その後にシンジくんがすてき過ぎるから悪役も必要だなということで、レベルクロスっていう分かりやすい悪ガキ2人組を対抗馬として考えました。
次々にパフォーマーを登場させていこうと思っていたのですが、シンジとレベルクロスの2組3人で思ったよりバランスが取れてしまっているなと。さあ、次どうしよう?って結構悩んで、そのバランスを乱すような人間が欲しいなと思って、トリックスター的なキャラクターとしてレオンを登場させてみました。
――恋愛シミュレーションゲームといった、今までの仕事との違いは?
告白してこないっていう部分ですかね(笑)。これまでのゲームの中のキャラクター像でも、比較的生々しいというか、リアルに近い人間の心の機微や口調を意識していたつもりなんですけど。
今回はもっと普通のノリというか、台本化されてないようなやり取りというか、カッチリせりふ割りされた台本じゃない感じの芝居っていうのをやっていきたいなって心掛けていて。それによって側にいる感じが出て、自分と同じ地平上に立っているアーティストになってくれればと思ってやっています。
“AR performer”ライブは一期一会の体験に!
【“AR performer”ライブは一期一会の体験に! へ続く。同記事は12月28日(水)昼1時配信予定】
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