――これからAR performersでどんな世界を作っていきたいと考えていますか?
音楽業界では、アーティストの方の新譜の一方で、アニソンとかゲームの曲とかがチャートにランクインすることが多くなっていて、その中で第3の派閥というか、2Dもリアルもあまり関係ないということを皆さんに気付いていただくというか、その間に入ってしまうようなアーティスト像を作れないかなと思っています。実在と架空の中間のアーティストですね。
例えば、実在のアーティストさんたちで「これ、面白いな」って思った方が「俺のAR performersバージョンを作ってよ」って言ってくれたら、もうウエルカムなんですよ。アーティストさんの中でも新しい技術とか 、2次元的な事に興味がある方とかいらっしゃいますから、もしお声掛けいただければAR performersの中でも登場していただきたいですし、「AR performers紅白」みたいなものができるといいですね、年末に(笑)。
1つの新しいエンターテインメントと、新しいアーティストのスタイルになれればいいなと考えています。架空の物だけではなく、実際のアーティストが自分の表現として2Dでも存在する場所になる ような、広がりをみせていければ楽しいなと思っていますね。
――実在するアーティストのAR performersは面白そうですね。
踊ったことがない方がキレッキレのダンスをしてしまうとか、あるいは希望の声や容姿など、2次元としての自分をプロデュースしていただいて、それを表現するとか、いろんな可能性があると思います。
一方で、ARPオリジナルのキャラクターたちも、従来のキャラクターのようにシナリオに書かれていることだけをやるということではないわけです。「生」なので、ステージ上で起こってしまったことは「事実」なわけです。お客さんの反応を受けて、とっさに出る演者さんたちの個性が混ざり合うことで、僕の頭の中から生み出されるだけじゃない新しい個性が生まれる。これが非常に面白くて。
シンジくんも今は王子様然とした人ですけど、もしかすると何か嫌な事があって次の年はやさぐれているかもしれないじゃないですか。黒っぽい衣装になっているかもしれないし、あるいは何かに目覚めちゃって腹筋がシックスパックになっているかもしれないし、 そういう成長の余地がある感じがすごく楽しい。
それは正しく、観客の皆さんがステージ上の彼らを実在のタレントさんみたいに育てていけるっていうことなので、「このキャラクターは、こうあるべき」とかあまりガチガチ考えないで、手綱を緩めていければなと思っていて、自分も楽しみにしているところではあります。
――内田さんが把握できないところに行ってしまうかもしれませんね。
偶発的に生まれてきた面白い癖とかも出てくるんですよ。あと、誰かが「口笛、得意だよ」って言ったら口笛を吹かせてみたり、誰かが「バク転できるよ」って言ったらバク転をやらせてみたり、それをお客さまの前でやって「あいつ、バク転できる」っていうことが知られてしまうとか。本当にマネジャーさんとタレントさんみたいな関係があって、面白いなと思っています。
――最後に、ライブに向けてメッセージをお願いします。
ご覧になったことがない物、というのはお約束できます。そして、純粋にパフォーマンスとしても超一流の人たちが結集して作り上げているデジタル人形浄瑠璃のAR performersなので、本当に美しいし、楽しいし、歌も上手いし、踊りもキレッキレだし、見応えがあるライブになっています。
新しいエンターテインメントで、会場が一体になってゲームしてしまうというような楽しみ方もありますし、本当にぜひ1度ご覧になっていただきたいですね。来ていただいた方には、「これが、自分が今まで追い求めていて、足りないと思っていた何かが全部埋まっているアイドル(アーティスト)なんだ」と感じる方もきっといるはずです。
とにかく、新鮮な驚きっていうのを感じていただけることはお約束いたしますので、ぜひご覧いただきたいと思います。また、「見たことも、聞いたこともないアーティストの歌を聴きにいくのは…」という方は、AR performersのHPで全曲公開しておりますので、ご視聴ください。生で見ていただくと、本当にビックリするような一期一会の体験になると思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)