自転車をなりわいとするプロロードレーサーたちの熱き姿を描いた映画「疾風スプリンター」が、1月7日から東京・新宿武蔵野館ほか全国で公開された。
同作品は、プロであるがゆえの葛藤や苦悩、栄光と挫折を浮き彫りにしたプロロードレーサーのドラマを軸に描く“究極のプロ・ロードレース・エンターテインメント”。
次々と繰り出される壮絶かつ圧倒的なレースシーンは、スタントを使わず俳優自らが演じることで、そのリアリティーがより興奮と緊迫感を増幅させている。
監督は「激戦 ハート・オブ・ファイト」('13年)で知られ、日本にも多くのファンを持つ香港のダンテ・ラム。キャストには、エディ・ポン、ショーン・ドウ、チェ・シウォン(SUPER JUNIOR)といった台湾、中国、韓国を代表する人気俳優たちが集結した。
公開を記念し、「パンターニ 海賊と呼ばれたサイクリスト」('14年)、「劇場版 弱虫ペダル」('15年)、『疑惑のチャンピオン』(同)など、自転車ブームが映画界でも広がり始めていることから、東京・新宿武蔵野館で現役のプロロードレーサー・鈴木真理選手(宇都宮ブリッツェン)とサイクルライフナビーゲータ・絹代による初日トークイベントが行われた。
映画の感想を聞かれた鈴木選手は「自転車映画と聞いて、最初は全く期待していなかったんですが、知らず知らずにのめり込み、昔の自分と置き換えて見ていました。プロ選手の気持ちに共感しました」と語った。
感情むき出しの熱い男たちが登場することついては、「(自分も)20代のころは感情むき出しで、エースの座を死守したいと思っていました。勝てば勝つほど給料も上がるし優遇される。当時は目も心も鬼の時代でした(笑)」と告白。
さらに、「実際のロードレースで体当たりをして落車させることなどはないですが、それくらいレースは激しいものであるし、相手をつかんで転ばせたいと思うくらいレースではどん欲に優勝したいってなります。実際に僕もエースとしてやっていた時は、相手に“10万払うから勝たせてくれ”と思うくらいどうしても優勝したいって気持ちを持っていました(笑)」と、プロのロードレーサーにとって勝つことへの重圧や重要さについて話した。
現在は足の血栓症で悩んでいるという鈴木選手は、「選手を辞めたくないけど辞めたい…という気持ちで葛藤しているんですが、女性サイクリストのシーヤオの気持ちに置き換えて見てしまって、落車して走れなくなったシーンでは涙しました。そこからの彼女の切り替えもすごいなって、まさに不屈の精神ですよ」と、映画に登場する選手たちそれぞれに共感しながら見たことを熱弁。
「高い自転車じゃなくてもいいんです。ママチャリでもちょっと走りに出たら気持ちいいなって思ってもらえると思います。ぜひ天気のいい日に自転車に乗ってみてください!」と締めくくった。
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