TVアニメ「マクロスΔ」から生まれた戦術音楽ユニット・ワルキューレが2017年1月28日(土)・29日(日)横浜アリーナで“2nd LIVE「ワルキューレがとまらない」を開催した(※当サイトでは、初日・28日のライブレポートをお届けする)。
昨年夏の1stライブ以来、2度目となった今回のライブには、サプライズゲストとしてハヤテ・インメルマン役の内田雄馬、ミラージュ・ファリーナ・ジーナス役の瀬戸麻沙美、そして「マクロスF」より、ランカー・リー役の中島 愛が登場。「マクロスΔ」とリンクした世界観、緻密に構築されたバンドサウンド、そして、メンバー5人の卓越したボーカル/ハーモニーが体感できる貴重なステージが展開された。
オープニングは「マクロスΔ」の映像。ワルキューレの頭文字“W”をかたどった階段が設置されたステージにメンバーが登場し、「ようこそ! ワルキューレ・ワールドへ」が披露された瞬間、赤、紫、黄色、緑、ピンクのサイリウムが振られ、横浜アリーナを埋め尽くした観客が全力で声援を返す。「今回は横浜エリアのヴァール発生危険率が60%を超えたということでやってきました!」(マキナΔ西田望見)という挨拶のあともアッパーチューンを連発。最初のピークは5人の刺激的なコーラスワークと“歌で世界を救う”というテーマがひとつになった「Absolute 5」だ。
この後は、メンバーそれぞれの個性とセンスが発揮されるシーンが続く。まずは美雲ΔJUNNAがメインボーカルを取る「LOVE! THUNDER GLOW」。ダイナミックなバンドサンドを従えた迫力あるボーカルは、まだ16歳とはとても思えない。フラッグを掲げた堂々たるパフォーマンスもすごいインパクトだ。
さらに西田がアリーナのど真ん中で披露したポップチューン「おにゃの子☆girl」では“からの〜”というキャッチ—なフレーズを観客が大合唱。また、変拍子を取り入れたエレクトロ系ナンバー「Silent Hacker」ではレイナΔ東山奈央の表情豊かなボーカルが印象に残った。
「ワルキューレのバースデイソング」の映像を挟んで歌われたのは、フレイアΔ鈴木みのりによる「God Bless You」。短命を運命づけられたフレイアの心情とリンクした歌は、彼女の奥深い表現力をしっかりと証明していた。さらに坂本真綾が作詞した「風は予告なく吹く」をエモーショナルに歌い上げた後は、東山、西田、カナメΔ安野希世乃による“ワルキューレの歴史をおさらいしようのコーナー”を挟み、ラテンテイストのロックチューン「涙目爆発音」で再びテンションアップ。安野がメインを歌った「AXIA〜ダイスキでダイキライ〜」の“もう君を 想い出したりしない/だって一度も 忘れることないから”という切ないラインもじんわりと心に響いた。
劇中でハインツ2世が歌う「オーラ・サーラ〜光る風〜」「ザルド・ヴァーサ!〜決意の風〜」の歌唱を担当しているメロディー・チューバックが純白の衣装で登場、神聖な空気を感じさせる歌声を響かせた後、ライブはクライマックスに突入。「Walküre Attack!」「破滅の純情」「絶対零度θノヴァティック」などのアグレッシブなナンバーによって会場の興奮度を一気に高める。戦闘シーンを中心にした映像、高度なアレンジを的確に表現するバンドサウンド、メンバー5人の熱気溢れるパフォーマンスも素晴らしい。
アンコールでもレアな演出が次々と披露される。まずはハヤテ役の内田雄馬、ミラージュ・ファリーナ役の瀬戸麻沙美が登場し、「鳥肌が立つような演出ばかり!」(瀬戸)、「『God Bless You』で泣きそうになりました。物語とリンクするんですよね」(内田)とコメント。続く「星間飛行」では、「マクロスF」にてランカ・リー役を務めた中島愛がステージに現れ、鈴木との時空を超えたデュエットが実現した。歌い終えた後の鈴木の涙を抑えた表情は、この曲を中島と歌うことの彼女の様々な想いを物語っていて印象的だった。さらにスポーティなスピード感に溢れた新曲「ワルキューレがとまらない」、マクロス・シリーズの出発点とも言える名曲「愛・おぼえていますか」も披露。それはまさに約35年に及ぶマクロスの“原点”と“現在”をつなぐ貴重なステージだった。
1度目のアンコールの中で、ワルキューレのメンバーたちは、それぞれの想いをMCで下記のように語った。
「ホントにマクロスは愛されているなと心から思います。先輩方の姿を見ていたからこそ、プレッシャーもありましたが、ステージに立った時点でそんな不安は吹き飛んでしまいました!」(マキナΔ西田望見)
「今日はワルキューレの集大成となるステージ。尊敬するメンバーと肩を並べてステージに立てるのが嬉しいな、光栄だなって。胸がいっぱいです」(レイナΔ東山奈央)
「こんな景色が見られるなんて1年前は全然思ってなくて。まだまだ頑張りたいと思っているので、ワルキューレとマクロスΔの応援をよろしくお願いします」(美雲ΔJUNNA)
「マクロスΔのフレイアとして出会えたファンのみなさん、ワルキューレのみんな、先輩は私の一生の宝物だと思っています」(フレイアΔ鈴木みのり)
「こんなふうに横浜アリーナに立たせてもらえたのがいまも信じられなくて。みんなが歌っているのを見た時に、ホントに横浜アリーナで歌ってるんだ、ワルキューレ、大きくなったなあって思いました」(カナメΔ安野希世乃)
止まないコールに応えた2度目のアンコールは、「ルンがピカッと光ったら」。ゲスト出演者も再び登場、コール&レスポンスを交えたハッピーな高揚感とともにライブは終了した。高い音楽性と際立った歌唱力、「マクロスΔ」のキャラクターと重ねたステージング。2度目のライブでワルキューレは、その個性的なエンターテインメント性をさらに向上させてみせた。
(取材・文/森朋之)
01. ようこそ! ワルキューレ・ワールドへ/02. Hear The Universe/03. 不確定性☆COSMIC MOVEMENT/04. NEO STREAM/05. Absolute 5/06. LOVE! THUNDER GLOW/07. いけないボーダーライン/08. ジリティック♡BEGINNER/09. おにゃの子☆girl/10. Silent Hacker/11. God Bless You/12. 風は予告なく吹く/13. 涙目爆発音/14. AXIA~ダイスキでダイキライ~/15. GIRAFFE BLUES/16. オーラ・サーラ〜光る風〜/17. ザルド・ヴァーサ!〜決意の風〜/18. 僕らの戦場/19. Walküre Attack!/20. 破滅の純情/21. 絶対零度θノヴァティック/22. 一度だけの恋なら
<ENCORE 1> 23. 星間飛行/24. ワルキューレがとまらない/25. 愛・おぼえていますか/26. 恋! ハレイション THE WAR
<ENCORE 2> 27. ルンがピカッと光ったら
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