魔神英雄伝ワタルのあらすじ
【最終回】創界山から戻って1カ月後の、ある春の日。帰宅したワタルは、自分宛の小さな小包を受け取る。中身は1本のビデオテープだ。いぶかしく思いながら、居間のデッキにセットしてビックリ! なんと、テレビからヒミコが飛び出してきたのだ。ヒミコはワタルの隣にちょこんと居座り、一緒にビデオを見る気でいる。このテープは、創界山からのビデオレターだったのだ。ビデオに映っているのは、モンジャ村の春祭り。EXマンたちがリポーターとなり、その楽しげな様子を伝えてくれる。戦神丸のテレカを売るシバラク、トリの姿で焼き鳥屋を出すクラマ、団子をほおばる幻龍斎、相変わらず強気な虎王こと翔龍子…仲間たちが次々と姿を見せ、ワタルに呼び掛けていく…。
自ら暗黒龍に乗り、金龍とワタルに対抗するドアクダー。暗黒龍の頭上に飛び移り、ドアクダーの腹に剣を突き立てるワタルだが、逆に刃を折られ、ピンチに陥ってしまう。ドアクダーを倒せるのは、唯一「龍王の剣」のみだ。金龍の背から身を乗り出し、必死で剣の柄をつかむワタル。迫り来る暗黒龍の炎を背に、ワタルはついに「龍王の剣」を抜き取る! ドアクダーの魔力から解放され、勇者の手の中でまばゆい光を放つ剣。それに呼応するかのように各界層の龍神たちが雄叫びをあげ、ワタルの元に集結する。彼らは金龍と共に神部七龍神に合身、ワタルを背に最後の戦いを挑むのだった…。
いよいよ、ドアクダーとの決戦の時が来た。だが、龍王丸戦王丸、幻王丸、空王丸の4体の魔神が一斉にかかっても、ドアクダーには全く歯が立たない。ケタ外れの戦闘力で圧倒するドアクダーに、4体は心を一つに合わせ、光の矢となって魔王の剣をはじき飛ばす。ワタルたちの思わぬ抵抗に、ついに魔界の守護神・暗黒龍を復活させるドアクダー。龍の骨が次第に生身の肉体を取り戻し、まがまがしい暗黒龍の姿となってワタルたちに迫る! かつてないほどの大地震に襲われ、崩れ落ちていく創界山。暗黒龍を倒すのが先か、山が滅びるのが先か――!?
ドアクダーの居城、魔神殿を目指して空をゆく龍王丸。その後を追い、邪虎丸とドンゴロも飛び立つ。地上に残された戦王丸と幻王丸は、ガッタイダーを魔神殿に行かせまいと激しい戦いを展開する。そこに現れたのは、なんとクラマが操る空王丸だった。3体の魔神が繰り出す見事な連携プレイに、ヒザを折るガッタイダー。その時、ドアクダーのビームがガッタイダーを直撃、ザン三兄弟を消し去ってしまった! 忠実な部下をも手にかけるドアクダーの残酷さに、シバラクたちは怒りをあらわにするのだった。一方、魔神殿の中を進むワタルは、ドアクダーの「怒りのパルス」を頼りに、ついに謁見(えっけん)室へとたどり着く。
白龍のはからいで、ワタルは「龍神の盾」を得ることができた。だが、戦神丸と幻神丸を失い、シバラクたちは肩を落とすばかりだ。虹の橋がない以上は、第五界層にある「復活の聖水」を取りに帰ることもできない。2体をよみがえらせる鍵は、何ごとにもくじけない正義の心だという。白龍は戦神丸と幻神丸を光の玉に変え、ワタルたちに持たせてやるのだった。次は、誠の勇者だけが抜けるという「龍王の剣」を探さなくてはならない。ワタルたちを第七界層の地上に送り出す前に、白龍は何万年もの昔からの創界山の歴史を語り始める。