ハチミツとクローバーのあらすじ一覧
【最終回】自転車での旅を再開した竹本。しんさんから借りた自転車や地図や旅の道具が何とも頼もしい。旅の途中で出会う人々、初めて見る景色、初めての経験、そして幾多の困難までもが、竹本にいろいろなことを語り掛けてくる。死んだ父のこと、学校のこと、将来のこと、そして…。ペダルを踏みすぎて、靴の底が抜けた頃、ついに竹本はある場所へとたどり着く。そこで、竹本が見たものは彼が子どもの頃に思い描いていた場所だったのだろうか? 竹本がそこで見つけた答えとは…。
修復士たちの下で働き始めたものの、いきなりの修復作業に全く役に立たない竹本。しかし、食事の準備などを完璧にこなし周囲を驚かす。そして、彼自身もみんなに喜んでもらえる現状に満足し始めてしまうのだが、修復士の中には、そんな竹本のことを快く思わない者もいて…。一方、東京では、理花が真山に、山田に器の製作を依頼したいと申し出るが二人を合わせまいと真山はそれを断ってしまう。しかし、理花からの依頼のことを直接知った山田は、そんな真山の気持ちに対して悩んでしまう。
竹本が目的のないまま自転車で走り出して、一週間が過ぎようとしていた。依然、自分は見つからないものの、100円ショップでアイテムを補給したり、民家で水をわけてもらったりしながら、ひたすら北へと進み続ける竹本。その後、松島で竹本は、寺や神社の修復士の一団に出会い、旅の軍資金を得ようと、その集団で下働きを始めるこのとになるのだが…。そのころ東京では、周囲の期待に答えられないはぐみが自分の将来のことで心を痛めていた。
藤原デザインの双子社長が気まぐれに仲直り。その処理のため、野宮は山田に告げずに、しばらく鳥取へ行くことに。依然、進路のことで悩み続ける竹本。花本先生の紹介で就職が決まりかけていた事務所も、就職内定祝いの夜に倒産してしまう。何とか竹本を元気づけようと、みんなで竹本を励まそうとするのだが…。気が付くと竹本は、降り出した雨を気にすることなく、ただひたすら自転車のペダルをこぎ続けていた。
留年したものの、竹本はいまだに進路が見えてこないでいた。卒業後も絵を描き続けるというはぐみの言葉を聞き、竹本は自分の不甲斐なさに落胆する。一方はぐみは、森田から賞に合わせて作品を描いていることを指摘されてしまう。森田は、はぐみにもっと大きなスケールで創作活動をさせるべきだと花本先生に強く訴えるのだが…。それぞれが、いまだ見えぬ将来に思い悩む日々が続いている。
真山は辞めたばかりの藤原デザインと仕事をすることに。打ち合わせのために事務所を訪れると山田と鉢合わせ、いつのまにか山田が野宮と仕事をしていることを知る。過去の経緯もあり、二人の関係が気になる真山。理花に思いを寄せつつ、山田のことも放っておけない中途半端な立ち位置。花見の席で、そんな情けない真山の態度を見かねて、山田は野宮に対して思いもよらぬ言葉を口走ってしまう。
竹本たちはテレビに森田が映っていることに大驚愕(きょうがく)。しかも権威あるハリウッドの映画祭での受賞スピーチ場面だ。さらに一同を驚愕させる森田。彼は、いつの間にか日本に帰って来ていた。その翌日、森田には卒制提出期限が迫っていた。無事に卒制を提出し8年間の大学生活にピリオドをうつことができるのか? 誰もが予想できない森田の行動に、久しぶりに周囲は振り回されることに。
人間関係に不器用な竹本は、就職試験の面接で苦しんでいた。自分がやりたいことが定まらないらしい。そんな竹本をずっと心配するはぐみ。そんな彼らに、またクリスマスの季節が近づいてきた。しかし、去年のそれと違って、今年は森田と真山たち、いつものメンバーはそろわなかった。そして、竹本は、卒制作品も完成させることなく、胃潰瘍で病院に運ばれることになる。目を覚ました竹本の前に立っていたのは…。
4年生になった竹本は、卒制や課題、就職活動とやらなければいけないことを抱えながら、心こころあらずと不思議な塔を製作している。竹本を心配するはぐみと、そっとしておこうと気遣う山田。そんな時山田は、いきなり5人の男性から同時にプロポーズを受けることに。困った山田は、花本先生に相談していくうちに、少しだけ真山の気持ちを理解できた気がした。一方の真山は突然、藤原デザイン事務所を辞めてしまう。
藤原デザイン事務所で、美和子、野宮たちやり手の先輩に囲まれながら奮闘している社会人・真山。しかし、ふと気が付くと昨晩見た理花の夢のことを思い出している。そんな時、偶然、公園で真山を見掛けた理花は、彼に声を掛けることをしない。野宮は、花器をオーダーするため山田を紹介して欲しいと真山に頼むが、真山はかたくなに野宮を山田に近づけないようする。それを不思議に思った美和子たちは…。
唐突にアメリカに旅立った森田。残された一同は、ただあぜんとするばかり。「森田さんに、帰って来て欲しい? 帰って来て欲しくない?」。何を思ったのか、いきなりはぐみに問い掛ける竹本。しかし、はぐみの口からは竹本の予想外の答えが返って来る。はぐみが森田に特別な感情を抱いていた事にはじめて気が付いた真山と山田。そして、それ以来、はぐみは創作活動に没頭するようになる。そんなはぐみを心配に思った山田は、気晴らしにみんなで花火大会に出掛けようとはぐみを誘う。
伝説の大学8年生になった森田は、花見の席で意気揚々とリサイタルなどを催す。一方、はぐみは、なんだか元気がない。竹本は、はぐみがブローチを外している事に気付く。森田と出掛けたあの日以降、様子がおかしいはぐみだったが、ついに体調を崩し、寝込んでしまう。そして、森田は、帰国予定も分からぬままに、突然ロスへと旅立ってしまう。竹本は、急いで空港へと後を追うが、森田を乗せた旅客機は、すでに空の上だった。機影に向かって叫ぶことしかできない竹本は、力なく項垂れる…。