KADOKAWA Group
2011年3月30日スタート 毎週月曜夜10:25/NHK Eテレ
統合失調症の解明などに取り組んだ、日本を代表する精神科医・中井久夫の著作をひもとく第3回。心のケアにおいて、個人を支えている文化がいかに重要かを、それを生かす方法とともに「治療文化論」から学ぶ。
治療困難とされてきた統合失調症の解明や、阪神淡路大震災被災者のPTSDのケアなどに取り組み、人々の苦しみに徹底的に寄り添い続けた中井久夫の著作を、精神科医・斎藤環氏の指南で読みとく。第1回は、中井の集大成ともいえる「最終講義」から、「人間とは何か」「心とは何か」といった普遍的なテーマを考える。
第4回は、折口信夫が「生活の古典」と呼び、生活に浸透した文化基層としての民俗に迫る。折口は細分化した近代的学問では人間の心性を探ることはできないと批判。文献のみに頼る研究だけではなく身近な年中行事や祭礼を掘り下げ、古代人の心を肌で実感することの大切さを訴えた。その背景にある折口の信念に迫る。
第3回は、芸能史に新たな視角を与える折口信夫の論考を読み解く。芸能は元来マレビトの言動を模倣する行為から始まり、非日常の異世界性を帯びているため、聖性と賎性を併せ持つという。実際、諸国を流浪する琵琶法師らは、聖人的な側面を持ちながら河原乞食と蔑称され疎外されてきた。日本の芸能の特質に迫る。
第2回は折口信夫の「マレビト」に関する洞察から、国文学が生まれた過程に迫る。マレビトが伝える他界からのメッセージ・呪言が一定の形式を持って伝承されていく中で、和歌や物語の原型が形作られ、さらに叙情詩、叙事詩に発展したという。人々にとって和歌や古典の物語とはどのような存在なのかを明らかにする。
国文学と民俗学に大きな影響を与えた学者・折口信夫。「折口学」と呼ばれる彼の学問構想の全容を示した代表作「古代研究」を、國學院大学・上野誠教授と共に新たな視点で読み解く。第1回は、折口が唱えた「マレビト」や「他界」という概念を解き明かすことで、日本文化の基層にあるものに迫る。司会は伊集院光ら。
第4回は、「アイヌ神謡集」の著者・知里幸恵の人生をたどる。自身のアイデンティティーに苦悩していた15歳の知里は、言語学者・金田一京助に導かれ、アイヌと和人の架け橋に。しかし、「序」を読み解くと、同化推進者であった金田一の姿勢に対しての抵抗が浮かび上がる。固有の文化を守るとはどういうことかを考える。
第3回は、フクロウのカムイの視点で描かれる「銀の滴」を読み解く。中盤、フクロウは矢で射られるも、その矢をしっかりつかむ。ところが、次のシーンでは死者として祭られている。これはアイヌならではの、魂と現実の世界が並行して描かれた描写だという。“謎の多い神謡”「銀の滴」から、アイヌの世界観に迫る。
第2回は、耳で聴く「アイヌ神謡集」の魅力を紹介。口承文学である同作には、音声で初めて知ることができる魅力がある。例えば、詳しい意味は不明である「トワトワト」「カッパ レウレウ カッパ」などの言葉は、謡う中でリズムを整え、神謡の芸術性を高めている。そんな口承文学の豊かな可能性を解き明かす。
アイヌ自身が、アイヌが謡い継いできた物語をアイヌ語で編んだ初めての本「アイヌ神謡集」を読む。第1回は「カムイ(神)」の視点から描かれている神謡から、あらゆる存在に霊魂を見いだし、カムイと支え合って生きていくアイヌの豊かな世界観を明らかにする。解説は漫画「ゴールデンカムイ」の監修者・中川裕氏。
生誕100周年を迎えた水木しげるを特集する特別編。佐野史郎、ヤマザキマリ、宗教学者・釈徹宗氏、フランス文学者・中条省平氏ら多様な分野のファンがお薦めの名著をプレゼン。戦争の記憶も薄れ、資本主義に疲れ始めた現代人に効く、水木作品の魅力と彼の人生哲学を読み解く。司会は伊集院光、安部みちこアナ。
10代に向けた夏休みSP版の第4回。劇団「木ノ下歌舞伎」の主宰・木ノ下裕一が、古典文学「竹取物語」を解説する。定番の昔話「かぐや姫」の原型でありながら、ディテールには驚きのエピソードや人間ドラマが織り込まれているという同作をさらに楽しむべく、「SFとしての読み」も紹介する。司会は加藤シゲアキ。
第3回は、バルファキスの「父が娘に語る経済の話。」を取り上げる。ギリシャの元財務大臣が、10代の娘に向けてシンプルな言葉で経済の本質を語る同作を、経済学者・中山智香子氏の指南で読解。「経済はみんなが向き合わなければならない問題」と考える姿勢を学び、おのおのにとっての「等身大の経済学」を身に付ける。
第2回はノーベル生理学・医学賞を受賞した生物学者ポール・ナースの「生命とは何か」を取り上げる。「生命って何だろう」「どうしてチョウはこんなに美しいんだろう」といった素朴な疑問を、生物学や遺伝学の最先端を使って解き明かす同作をサイエンスライターの竹内薫が読み解く。司会は加藤シゲアキが務める。
加藤シゲアキが司会を務める、10代向けの夏休みSP。第1回はトルストイの「人は何で生きるか」を取り上げる。貧しい靴職人夫婦が、引き取った行き倒れの青年から学びを得ていくという同小説を、批評家・若松英輔が「自分の内面の物語」として解説。生徒役の鈴木福らは、「人生で一番大切なものは何か」を学ぶ。
第4回は、文化やバーチャルなものが時代を動かすというメッセージに迫る。室町幕府創設後、足利尊氏・直義兄弟が対立すると、伝統や文化を持つ南朝を味方にした方が優位に立てる。また、南北朝統一を果たした足利義満は北山文化を開花させた。文化により再強化された武家政権が安定をもたらす道筋を追う。
第3回は、「異界」が描かれる意味を読み解き、時代を動かすエネルギーの正体を考える。後醍醐天皇は楠木正成、新田義貞を失い、熊野へ逃亡。南朝を樹立するも、京奪還の野望を果たすことなく崩御する。以降、彼の怨念からか、京には度々魍魎が現れたという。同作後半に急増する異界描写から、英雄たちの無念に迫る。
第2回は、時代を読み切れなかったリーダーたちの失敗に学ぶ。天皇を中心とした建武の新政が始動するも、後醍醐天皇らに対する武士の不満が爆発し、足利尊氏をリーダーとした動乱が巻き起こる。しかし、尊氏は善戦するものの、朝廷側に九州へ追いやられてしまう。彼らの失敗から、時代に対応した指導者の資質を探る。
最も有名な軍記物の一つ「太平記」を、価値観が激変する“あわいの時代”を描いた物語として再解釈する。悪政でほころび始めた鎌倉時代後期、後醍醐天皇はクーデターを繰り返し、ついに幕府を滅ぼした。第1回は、そんな後醍醐天皇を助けた日野資朝、楠木正成ら“異端的人物”から、混迷の現代を生きるヒントを学ぶ。
加藤シゲアキ、生徒役の本田望結と共に「父が娘に語る経済の話。」を読み解く<100分de名著>
<100分de名著>制作統括「名著を通じて、この狭い世界が全てではないと感じてほしい」10代向けSPに込めた思いとは
加藤シゲアキが語る、本との劇的な出合い「これは自分だ、と思わされる本に一度でも巡り合えば、読書の魅力が分かるはず」
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2024年11月24日12:00
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