グリザイアの楽園のあらすじ
太平洋に浮かぶ巨大な人工物・タルタロス。それは世界の敵、そして風見雄二の宿敵、ヒース・オスロの居城だった。彼は静かに待っていた、己の野望を成就するための最後の鍵・風見雄二が再び自らの眼前に現れるその瞬間を。そして、復讐(ふくしゅう)の鬼と化した雄二がタルタロスに降り立ったとき、彼は歓喜の声をあげるのだった。一方、タルタロスへと赴く雄二を見送った美浜の少女とタナトスは、いとしくも罪深い彼が帰ってこられる場所を作るため、ある計画を開始していた。心の安らぐ場所…「楽園」を手に入れたい。ささやかだが切望された願いをかなえるため、みんなが最後の戦いへと臨む。
雄二を奪還し、激しい逃亡劇を繰り広げた美浜の少女たち。そのゴールで待っていたのは、タナトスのコアとして生きながらえていた風見一姫だった。思いがけない邂逅(かいこう)に驚きを隠しきれない雄二と天音だったが、事態は再会の感慨に浸る暇さえも許してはくれないのだった。自分の運命を狂わせ、世界に死と災いを振りまく忌むべき男…ヒース・オスロ。彼との因縁を断ち切るため、風見雄二は最後の戦場へと向かう。そしてかつて雄二に救われた少女たちは、彼にとっての帰るべき場所を守るため、ともに戦う意思を固めるのだった。
核兵器を盾に国家を脅迫する国際的テロリスト・ヒースオスロ。彼との取引のため、国家の人身御供にされんとする雄二の危機を救うには、その身柄が市ヶ谷から赤坂へと移送されるタイミングで奪還するしかないという。そしてタナトスの情報のもと、移送ルートを割り出した美浜の少女たちは、護送車の襲撃を企てるのだった。一方、オスロがタナトスシステムの掌握を目論んでいることを察知した「彼女」は、情報屋ジミーとJBの協力のもと、タナトスのコアをシステム本体から物理的に切り離そうと試みる。そしてシステムがその機能を停止した時、少女たちは奇跡の光景を目の当たりにする。
突如、天音たちに寄り添う姿なき支援者「タナトス」…。「彼女」の目的もまた、風見雄二の解放と奪還だった。利害が一致した美浜の少女たちとタナトスは、作戦を実行するため準備を整えていく。携帯電話越しに繰り広げられる、一見意味不明なタナトスの指示に戸惑う彼女たちだったが、それらは目的を結実させるため、予想以上の成果を少女たちへもたらしてくれるのだった。そして雄二の身柄が赤坂へと移送される当日。可能な限りの準備を整えた彼女たちは、かけがえない存在を取り戻すための戦いへと赴くのだった。
「情報屋」ジミーとの接触で、今の状況が予想以上に悪いことを知った由美子と美浜学園の少女たち。雄二を失い、学園をも追われた5人だったが、新たな活動拠点を確保し、雄二奪還作戦を画策する。そんな少女たちのもとに、謎の協力者から支援の手が差し伸べられる。 一方、テロ事件発生直後より「市ヶ谷」に拘束されていた雄二は、その地下深くである存在とかいこうしていた。「彼女」の口から語られたのは、姉・一姫の死の真相、そして今この国が直面している危機についてだった。