うしおととら

自我を取り戻した潮は獣の槍の導きでカムイコタンの洞の中へ…。だが酷使し続けたその体は既にボロボロになっていた。そんな潮を見かねたとらは潮とともに洞の中に行くことを決意する。常闇の先で待ち受けていた巨大なお堂の中へと足を進めた潮ととらが見たものとは…!?　そして、そこへ突如現れた時間のひもを過去へとたぐる妖「時逆」が潮たちをとある場所へいざなうという。そう、獣の槍がつくられた時、場所へと…

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霊体「ジエメイ」に導かれカムイコタンに集結した麻子たち、そして潮の父紫暮をはじめとする光覇明宗の面々。紫暮は、獣化してしまった潮を元に戻すためには、須磨子のくしで潮の魂に触れたことのある麻子らそれぞれが髪をすかねばならぬと続けた。だが、獣の槍破壊のために向けられた白面の刺客、婢妖の大群も槍を持った潮目掛けてカムイコタンに集まりつつあり、事態は最悪の状況に…。

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杜綱悟を婢妖（ひよう）の悪手から救い出すことに成功した潮ととらだったが、その代償はあまりにも大きかった。ただそれは翔（か）けるのみ。ただそれは襲うのみ。自我を失い潮自身が獣と化してしまうという最悪の事態が起こってしまう。神が眠る地とされるカムイコタンをただひたすら目指す、かつて潮だったモノ。遠のく意識の中で潮は彼に出会う。血の涙を流しながら怨念の炎を燃やす、「ギリョウ」という青年と。

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婢妖（ひよう）に体をむしばまれ苦しむ兄、杜綱悟（もりつなさとる）を救いたいと願う妹の純。そんな純に同調し、雲外鏡を通じて東のおさ、山ン本（やまんもと）に彼を救う手だてはないのかと問う潮だったが、山ン本からは杜綱の体内に入り込み直接婢妖を葬るしかない、というとんでもない策を告げられる。同時に杜綱の体内にいる間は潮自身の体もむしばまれていくという代償も伴うと山ン本は続けたが…。

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旭川に向かう観光バスが婢妖（ひよう）に乗っ取られてしまい操縦不能の暴走バスに…！　それに乗り込んでいた潮も婢妖に憑（つ）かれ身動きが取れない。そんな中現れたのは獣の槍伝承者の「秋葉流（あきばながれ）」ととらだった。流らの協力で暴走バスを止めることに成功した潮はともに旭川へ行くことに。しかしその道中、伝承者の一人「杜綱悟（もりつなさとる）」を兄に持つ「杜綱純（もりつなじゅん）」率いる黒いライダースーツの集団が潮たちに迫った！

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ついに旅の終着点である北海道にたどり着いた潮ととらは少女、「関守日輪（せきもりひのわ）」と出会う。同時にうしおらに襲いかかる「婢妖（ひよう）」と呼ばれた白面の分身体。だが、婢妖を一蹴したのは潮ではなく法櫛（ほうしつ）を巧みに操った日輪だった。日輪は、潮は単に槍（やり）に助けられただけの力無き存在であって、力があればこれまで潮が見てきた惨状は避けられたと叱責（しっせき）、自身こそ獣の槍を持つにふさわしいと言い放つのだった。

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執拗（しつよう）に追う妖怪たちに防戦一方の潮は河童（かっぱ）から母の話も聞けぬまま森の中を逃げ続けていた。やがて、周囲に霧が立ち込め…潮の眼前に巨大な屋敷が現れる。門が開きどこからともなく降ってくる声。「蒼月潮、中に入るがよい…」その言葉に恐る恐る足を進めた潮は、声の主と対面する。そこにはかつて小夜に慰めを受けていたオマモリサマと「山ン本」と呼ばれた東の妖（あやかし）を束ねる長（おさ）が鎮座していた。

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遠野を離れ、北海道へと再び歩み始めた潮ととら。だがその道中、妖（あやかし）たちが潮の母の名を口にしながら次々と襲い掛かる。訳が分からず応戦せざるを得なくなった潮はとらと離れ離れに…。やがて逃げ込んだ森の中で、潮は河童（かっぱ）に出会う。他の妖とは違い、戦いを好まぬ河童になぜ母が恨みを買っているかを問う潮だったが…河童は母のことを語る前に「白面の者」という妖怪について口を開くのだった。

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かまいたちの隠れ家で旅支度を整えていた潮。静かな夜を迎えるはずだったが、庭先の水鏡で何かを叫び続ける麻子を予見してしまう。かまいたち兄弟が知る、「雲外鏡」に助けを求めるが…。一方、理由もなく潮が学校に来なくなってしまったことで麻子には持ち前の元気がない。そんな様子を見かねた真由子は両親が旅行で出払っている間、昔のようにお泊り会をやろうと誘う。趣味で買った父の銅鏡が騒動を巻き起こしてしまうとは知らずに…。

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遠野の里で潮ととらは病弱な少女、鷹取小夜と出会う。彼女は代々、鷹取家の繁栄を支え続けている“オマモリサマ”を慰めることを強要されてきた白き髪の一族だった。やがて彼女はオマモリサマについて語りだす。それがすみつくところ富があり、権勢あり。それ去る家、災いと貧困が訪れると。そしてその者の本当の名は…。

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とらの決死の胴体（？）着陸が成功し、事なきを得た潮たちは仙台市内へ。だが、間髪入れずに潮の叫びが街中に響く。なんと紫暮から受け取った旅費を全て無くしてしまったというのだ。あきれるとら、途方に暮れる潮のもとへ鎌鼬(かまいたち)の兄弟、雷信（らいしん）とかがりが現れる。“あるお願い”を聞いてくれるなら旅費を負担してくれるというのだ。とある山奥の隠れ家に連れて来られた潮たちだったが、2人の口から思いもよらぬ願いを聞くことに。

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母を探しに旅に出た潮ととら。空路で北海道を目指すさなか、パイロットである父を失い悲しみに暮れる少女、檜山勇と出会う。父の死は自衛隊員厚沢による操縦ミスだと責める勇に対し、バケモノの仕業だと弁解する厚沢。やがて飛び立ったジェット機内で、厚沢はかつて感じたという圧迫感を覚える。その感覚は次第に増して…直後、潮たちの眼前に現れたのは、まさに勇の父を死に追いやった「衾（ふすま）」と呼ばれた空のバケモノだった。

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母が妖怪たちの憎しみを買いながら今も生きている。驚がくの事実を海座頭から聞かされ、居ても立ってもいられない潮は、あらためて紫暮に尋ねるも鼻先であしらわれてしまう。潮をまいた紫暮は自身が属する光覇明宗総本山に赴き、獣の槍が潮によって引きぬかれたことを御役目様に報告する。しかし、従者であることを認めぬ者たちが潮と、妖怪であるとらを滅ぼすために刺客を送り込む。襲いかかる同胞に紫暮がとった行動とは!?

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夏休みに海水浴場にやってきた潮たちはいたずら坊主中島タツヤと出会う。最初は気を良くしていた潮も度が過ぎたいたずらに逆上、手を上げてしまう。泣きわめくタツヤに寄り添った麻子は幼き日の昔話を語り出して…。一方、退屈を持て余していたとらは、海座頭（うみざとう）とよばれる妖から、海に巣くい狼藉（ろうぜき）の限りをつくすバケモノ、「あやかし」を滅ぼしてもらえないかと相談を受ける。

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闇の世界に生きる符術師（ふじゅし）、ひょう（金＋票）。かつて最愛の妻と子供を失い、自らも大きな爪跡を負った彼は、敵であるという妖怪を探し続けていた。覚えているのは暗闇から突然現れた黒いカゲ…。そんなとき、香港でとらが映ったニュースを目にしたひょうは、自分が追ってきた敵と信じ日本へ飛ぶことを決める。やがて対じするひょうととら、そして…。

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工事現場で起きた大量惨殺事件をニュースで知る潮。遺体には鋭い歯型があったことから真っ先にとらへ疑いの目を向ける。やってないと身の潔白を証明するとらだったが、妖化してまで責める潮に逆上、街へ飛び去ってしまう。追う潮は、惨殺現場で1人の老人と出会う。「餓眠様（がみんさま）が起きてしまった」老人の口から出た一言に困惑する潮。そして老人が持っていた1冊の本に書かれた衝撃の事実が潮を動かす…！

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自殺未遂を繰り返し、校内では「死にたがり」で有名な羽生礼子。ある日、麻子らと展覧会に出かけた潮は数々の絵が並ぶ中、礼子像の絵に目を止める。やがて、礼子像が「死にたがり」の礼子と同一人物で道雄の1人娘だと知った潮は、笑っている絵が描きたいとモデルを本人に願い出る。しかし彼女は、近づく者に死が訪れるといういわくつきのモデルだった。

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“いつか絶対このやりで滅ぼしてやる”そう宣言した潮はバケモノに“とら”という名をつけ共に行動していた。また、とらも隙を見て潮を喰（く）らうべくついていた。奇妙なコンビが誕生したさなか、潮の通う中学校で旧校舎に運ばれた石のよろいが、生徒を襲うという怪奇事件が起こる。1人、また1人と石化していく生徒たち。魔の手は潮の幼なじみである麻子と真由子にも伸びていき…。

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中学生の少年、蒼月潮は寺の住職である父紫暮と2人暮らし。ある日、紫暮に命じられるまま自宅の蔵を整理していた潮は、地下室でとんでもないモノを見つけてしまう。それは、遥（はる）けき彼方（かなた）より民に恐れられ、蔵の中で500年もの間封じ込められていたという大妖怪とその腕に突き立てられた“獣の槍”と呼ばれた霊槍（れいそう）だった。やがて不気味に、そして静かにバケモノが潮へ語りかける。「このやりを抜きな、小僧…」

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