ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜のあらすじ
大会まで一週間を切り、気合だけは充分のチカ。しかし、ある日の練習帰り、草壁が交響楽団の男たちと会っているところを、ハルタと一緒に目撃してしまう。指揮者としてオファーを受けたのではと、推測するハルタ。それを知り、落ち込むチカだったが、芹澤からげきを飛ばされて持ち直す。一方、片桐をはじめ何も知らない部員たちは、今までのお礼も兼ねて、草壁に新しいタクトをプレゼントしようと考えていた。楽器店からの帰り道、自宅とは異なる方へ向かう草壁を見かけたチカとハルタは、思わずそのあとを追うのだった。
地区大会、県大会を突破し、東海大会を目前に控えた南高吹奏楽部。練習に励んでいたチカたちの元に、謎の旅人風の美女がやって来る。挑発に乗り音楽勝負を挑んだ芹澤を、返り討ちにするほどの実力者だった彼女の名は、山辺真琴。クラビエッタ奏者で、草壁の恩師の孫だという。草壁との親密さに、胸を痛めるチカとハルタは、無粋にも二人の密会を盗み聞こうと試みる。しかし、聞こえてきたのは破産寸前の山辺家に伝わる、貴重なピアノの話だった。
二年目の夏、コンクールの地区大会当日。落ち着きなく、どこかへと向かったハルタに気付くチカ。ハルタの後を追ったチカは、大会の取材で来ていた記者の渡邊に話しかけられる。だが、彼の目的は草壁の過去を探ることだった。困惑するチカの前に、巨大な迷い犬を連れたハルタが助けに現れた。チベタン・マスティフという珍しい犬種で、飼い主を探していたハルタだったが、そこにそれは自分の犬だという者が、二人も名乗り出てきてしまう。
ある日の練習中、過労で草壁が倒れてしまった。間もなく南高にやって来たのは、名門・藤が咲高校の吹奏楽部部員。彼らが言うには、自宅謹慎中となった顧問の堺に代わり、草壁が自分たちを指導してくれていたらしい。堺の謹慎理由も、復帰時期も不明で、草壁への負担を懸念したチカとハルタは、藤が咲に潜入調査へと乗り出した。堺のクラスでひと月に三回も、席替えが行われたことを不審に思ったチカたちは、教育実習生の大河原に接触を図るが…。
クラリネットのプロ奏者を目指す芹澤直子がチカの元を訪れる。困っているので力を貸してほしいというのだ。切羽詰まった様子の芹澤を案じ、チカはハルタを連れ立って初恋研究会の扉をたたく。部室では芹澤の伯母である響子が、部長の朝霧亨と面談をしていた。自分の初恋を再現するため、初恋ソムリエを自称する朝霧を頼ったと響子は言う。朝霧への不信感を芹澤はあらわにするが、どこか陰りを帯びる響子は、チカたちにも思い出を語り始める。