この素晴らしい世界に祝福を!2のあらすじ
「サ、サトウカズマさん、ですか? 握手してください!」 アルカンレティアから戻ったカズマは、魔王軍幹部のハンスを討伐した報償金のおかげで、借金に追われることもなく、緊張感のない生活を謳歌(おうか)していた。ある日、カズマはランという新米冒険者の少女から握手を求められる。ランは冒険者になったばかりで、魔王軍幹部を次々と倒しているカズマに憧れ、ファンになったという。 カズマがどや顔で気を良くしていると、ギルド受付嬢のルナがやってきて、ゴーレム討伐クエストを依頼してくる。ファンの前でカッコ悪いところは見せられない。カズマはついついクエストを引き受け、アクア・めぐみん・ダクネスと遺跡へ向かう。
「そもそも俺たちは湯治に来たんじゃなかったっけ…?」。汚染された温泉を浄化するつもりが、自分の信者に魔女呼ばわりされ、追い回されるハメになってしまったアクア。それでもかわいい信者のために、汚染の原因を取り除きたいと言い出すアクアに、カズマたちはしぶしぶ付き合うことに。山の中にある源泉を訪れたカズマたちが遭遇したのは、街でアクシズ教団の執拗(しつよう)な勧誘にキレていた男。こんなところで一体何を…? そんな中、思い出したように声を上げるウィズ。「ハンスさん! お久りぶりです、私ですよ、ウィズです!」。魔王軍幹部のウィズと知り合いってことは、もしかして…? 必ず、生きて帰る。あの場所へ――!
「ようこそ迷える子羊よ。さあ、あなたの罪を打ち明けなさい」。アルカンレティアの温泉で、たっぷりゆったりのんびりするはずが、アクシズ教団の執拗(しつよう)な勧誘の波状攻撃に、カズマはがっくりぐったりうんざり。一方、アクシズ教団が信奉する、女神その人であるアクアは、街の人々による自分への深い信仰にご満悦。アークプリーストとして教会に居候し、ざんげする信者をうれしそうに説いていた。あまりにくだらないざんげのやりとりで、一層ぐったりして宿に帰ってきたカズマ・めぐみん・ダクネスだが、カズマの疲弊したHPを一気に回復させる魔法の言葉をウィズが紡ぎだす。「混浴の方のお風呂、とても広いんですよ」。…温泉での出会いは旅のお約束!?
「観光ですか? 入信ですか? 冒険ですか? 洗礼ですか?」。アルカンレティアへ向かうカズマたち。初めての旅路に気分が上がったのもつかの間、早速トラブル発生。カズマたちの乗合馬車が、硬いもの目がけてチキンレースを行うモンスター・走り鷹鳶たちのターゲットになってしまったのだ! 硬いダクネスのせいで…。大ピンチの中、カズマは走り鷹鳶一掃作戦を思い付く。「なんてことだ、私の体の上を次々と発情したオスたちが通り過ぎていく…!」。ひどい扱いも、まるでご褒美とばかりにもだえるダクネスの変態性にあきれつつ、何とか窮地を脱出するのだが、その夜、アクアのせいでまたしても…。そして、ようやくアルカンレティアが見えてきた!
「お、温泉かー。たまにはぜいたくして、温泉も悪くないなー」。コタツの一件以来、バニルと組んで商売を画策するカズマ。そんな折、バニルは商品開発の知的財産権一括譲渡による、高額商談を持ち掛けてきた。この商談に早くもセレブ気分のカズマは、もう危険な冒険者稼業なんかしないとのたまわり、(意外にも)魔王討伐を掲げるめぐみんを怒らせてしまう。すると、さらにごねるカズマとアクアに、めぐみんが唐突に「湯治に参りましょう。水と温泉の都、“アルカンレティア”に」と優しい提案を持ち出す。街の名前に反応したアクアはすこぶる乗り気、ダクネスも否やはなく、ついでにウィズも一緒に。カズマたちはついに、アクセルの街から冒険の旅路へ?