ひとりじめマイヒーローのあらすじ
勢多川は康介に電話で別れを告げ、また居場所をなくしてしまった。しかし、康介は勢多川を捜しあてると「最後にもうひとつだけ、わがままを言わせてくれ」と年上の余裕をなくす。互いのための別れを決めていた勢多川だが、康介の真心が形になった“あるもの”をきっかけに、本心のまま全力で疾走する。どんな難問にも怯まない鍵を秘めていた勢多川。どんな逆境にも一筋の光を信じぬく康介。流星群の下、二人に訪れる結末とは…。
校長室に呼ばれた康介を目撃した福重。そして、康介が教師を「辞めさせられる」との話を、弓家とともに立ち聞いてしまう。健介は支倉や山部や、委員長の吉田と一緒にその事件を知り、勢多川に状況を伝える。動揺した勢多川は、自分こそが辞めればいいと迷走状態に。支倉は「逃げ続けても問題は解決しない」と言い、健介も「ちゃんと兄ちゃんと向き合えよ!」と助言をしてくれる。しかし勢多川は突っぱね、雨の中に飛び出してしまう。
恋の甘さを味わい、康介の傍らで愛しさに満たされる勢多川。しかし朝帰りが明るみになれば、教師の康介が責任を問われると不安も芽生える。そんな中、二人の交際を耳にした宝城夫妻から夏生の店「Bar MARY」に康介と共に呼び出される。警察官の宝城常人は、支倉の姉でもある宝城彩香に知られては「関係を黙認できない」と康介の逮捕の可能性をほのめかす。勢多川の証言により「情状酌量の余地がある」らしいのだが…。
勢多川は自分から康介のぬくもりを求められるようになった。友人関係も良好で、大柴家での焼肉パーティーの計画が進む。けれど、校内での康介とキスする様子を委員長の吉田に見られ、福重や山部にも二人の親密な仲を知られてしまう。中でも勢多川に深い友情を抱く福重は、寂しさとショックのあまり「キモイ」と発言し、健介から「勢多川や兄ちゃんを悪く言うなら大柴家には出禁!」と言われてしまう。
康介と思いが通じた勢多川だが、康介の大胆さにまだ慣れず、支倉に相談を持ちかける。他にも康介に恋する女子生徒や、大柴家へ料理番で新加入したイタリアンが得意な弓家の存在に、悩みがつきない。しかも、みんなが「勢多川のタイプは小動物系」と恋バナで盛り上がるのを、康介に聞かれてしまう。勢多川がペットショップで犬をかわいがったこともあり、すねる康介はキスを求めてくる。なんとか自分からトライしようとする勢多川だが…。