血界戦線 & BEYONDのあらすじ
《血界の眷属》との戦いの最中、義眼の力で諱名を読み取っていることを、Dr.ガミモヅに知られてしまったレオ。妹・ミシェーラを人質に取られ、しかも相手は自分と同じ〈神々の義眼〉の持ち主。逃げも隠れもできない。「僕に取りつかれたまえ」と脅迫してくるDr.ガミモヅに、レオが対抗できる手段はないかに思えた。…驚異的なスピードで動き回る音速猿・ソニックが、レオの前に現れるまでは。一方その頃、事件からの帰途にあったクラウスは、レオからのメールに隠されていたメッセージに気づく。10-33…状況は深く静かに進行している。はたしてクラウスたちは、レオの危機に駆けつけることができるのか。そしてレオの運命やいかに?
久しぶりに妹のミシェーラに連絡を取ったレオの耳に飛び込んできたのは、驚くべき知らせだった。なんと結婚を決めた彼女は、婚約者と一緒にヘルサレムズ・ロットに向かっている途中だと言う。ライブラのメンバーである自分と関係があることが周囲に知られれば、ミシェーラの命も危ない。そう考えたレオは、クラウスたちに妹の護衛を依頼するのだった。そうして訪れた兄妹の再会の日。元気いっぱいのミシェーラの姿に胸をなで下ろすレオだが、安心したのもつかの間、彼の目に不気味な異界の存在の姿が飛び込んできた。その男の名はDr.ガミモヅ。婚約者に取りついてヘルサレムズ・ロットにやって来た彼もまた、レオと同じ「神々の義眼」保有者だった。
すご腕のスナイパーとして、クラウスたちから絶大な信頼を勝ち得るK・K。彼女はまた、愛する二児の母親という顔も持っていた。スティーブンらとともに、凶悪犯罪組織の取引阻止のミッションにあたることになったK・Kは、しかし作戦当日が、息子たちの授業参観の日と重なっていることに気づく。痛恨のダブルブッキングに対し、彼女が下した決断は両方をつつがなく遂行すること。遠隔操作式狙撃システムで敵を倒し、携帯型無人攻撃ヘリを使って相手を瞬殺するK・K。子供たちに微笑みながら、同時に任務も着実にこなし、すべては順調に進んでいるかに見えた。《血界の眷属(ブラッドブリード)》の用心棒が彼女の前に現れる、そのときまでは…。
これまでため込んだ負の感情が、ゲムネモの術式により膨張し、まさに天を衝く巨人のような姿になって、ヘルサレムズ・ロットの街並を見下ろすリール。その前では、世界最大の「個人」として知られるギガ・ギガフトマシフ伯爵さえも裸足で逃げ出す始末だった。しかも彼は攻撃を受ければ受けるほど、体が巨大化。戦闘機のロケット弾はもとより、ライブラのメンバーによる全力の攻撃さえも飲み込んで、巨大化していく…。残された頼みの綱は、リ・ガドによって作られた最終兵器を背負った音速猿・ソニックと、神々の義眼で彼を操るレオのみ。リールの体内に侵入したソニックは、レオの指揮のもと、すべての元凶であるゲムネモの姿を探すが…。
超虚弱体質の友人・リールと街を歩いていたところを、チンピラのヌズルバに絡まれてしまったレオ。金を巻き上げられるだけでなく、ボコボコにされたレオの頭をめがけて、今度は謎の未確認物体が突っ込んでくる。そこに乗っていたのは、機装医師リ・ガド。彼はレオに、意志を持って活動する危険な病原菌・ゲムネモの確保を手伝ってほしいと話すのだが…。一方その頃、カツアゲの現場から逃げ出したリールは、自分の体がもっと大きければ、こんな目に遭わずにすんだのに、と後悔していた。そんな彼に、怪しげな影が忍び寄る。「結局、世の中は力だ」と語り、力が欲しくないかと誘う甘い言葉。その言葉にリールはつい乗せられてしまう。