グランクレスト戦記のあらすじ一覧
プリシラから聖杯を託されたテオは来たる最終決戦に挑むため、エーラムへと向かう。皇帝軍の君主たちは、自軍を率いてそれぞれの役目を果たそうとする。対する魔法師協会は、百五十年前に、二百人を超える魔法師の命と引き換えに封印された単眼巨人・サイクロプスを解き放つ。ラシックは兵の被害を最小限に抑えるため、そして親友であるテオの武勲に並ぶため、モレーノを含む精鋭を連れて、サイクロプスに攻撃を仕掛ける。
エーラムへ向かう皇帝軍を阻む新たな敵――それはなんと、聖印教団だった。教皇レオーネは、テオが唯一神の欠片である聖印を私有し、大陸を我が物にしようとしていると弾劾。聖戦を発動し、信徒に皇帝軍との戦いを呼びかける。民衆のために戦ってきたテオは、何の罪もない信徒と戦うことが出来ない。そこで聖印教団の司祭であるプリシラは、教皇レオーネに会い、説得を試みると提案。シルーカも同行して教皇軍の陣地へと向かう。
アレクシスとマリーネが和解し、結ばれることとなった。そしてテオが皇帝となり、皇帝聖印が誕生する日も近いと思われたその時、シルーカのタクトにとある魔法師から通信が入る。通信の内容は、エーラムで君主派の魔法師に対する大規模な粛清が始まり、魔法師協会が君主たちの敵に回ったという衝撃的なものだった。通信を聞いたテオとシルーカは全君主を集め、魔法師協会との対決を宣言。条約、連合、同盟の三軍を統合し、皇帝軍とすると、エーラムへの進軍を指示する。
アレクシスが海洋王・エーリクを討ち取ったため、同盟の勢力は衰え、同盟・連合・条約の三勢力の戦力が拮抗することとなった。これを機にシルーカは連合と同盟の和解を提案するが、マリーネはそれを受け入れず、連合と条約を攻め滅ぼすと宣言。同盟と、連合・条約との決戦が行われることになる。だが、連合軍が戦場に到着するのは翌日の正午。それまで条約軍は、単独で同盟軍と戦わなくてはならない。同盟軍の数はおよそ四万。対して条約軍は二万五千。条約軍は連合軍の到着まで持ちこたえられるのか?
幻想詩連合の盟主アレクシス・ドゥーセが遂に出撃した。城を取り巻くハルーシア軍を目の当たりにしたドーソン候はマリーネに援軍を申し出るが、拒否されてしまう。打つ手の無くなったドーソン候はアレクシスに連合への帰順を申し出るが、これも拒否される。怒り狂ったドーソン候はアレクシスと対決するべく打って出るが、マリーネを救うため覚悟を決めたアレクシスは、まるで絵を描くかのように采配を振り、戦場を支配していくのだった……。
ミルザーを破り、アルトゥーク条約軍は一角獣城を奪還した。条約の君主たちに見守られて、遂にテオは条約の盟主となる。かつてヴィラールが座っていた玉座に腰を下ろし、連合からの独立を宣言するテオ。ヴィラールの遺志を継いで、連合と同盟の和解を図るため、条約は第三の勢力となって戦力の均衡を目指す。そのためにも、まずは連合に動いてもらわなければならない。テオはアレクシスに会おうと、シルーカを連れてハルーシアを訪れる。
テオは圧倒的な戦力差でミルザーを一角獣城に追い詰めた。ところがミルザーは籠城せず、一角獣城から打って出ようとする。テリウスはヴァルドリンドからの援軍を待つべきだとミルザーを制するが、彼の揺るぎない意思を知り、最期まで彼とともにすることを決意するのだった。アルトゥーク条約軍はミルザーを討ち取ろうとするが、鬼神のごとく進軍するミルザーを誰も止めることが出来ない。そしてついにテオの陣まで肉薄したミルザーは、テオに一騎討ちを要求。テオとミルザー、生き残るのはどちらなのか?
ダルタニア軍が常闇の森に侵攻を開始した。シルーカは地の利を活かした戦術で迎撃。ダルタニア軍を疲弊させる。このまま強引に攻め続けるかと思われたダルタニア軍だが、被害が大きくなる前に撤退。それはミルザーに仕える魔法師・テリウスの献策だった。一方、ハマーンの女傑エドキアに仕える魔法師ラウラもまた、君主にとある提案を出していた。ウルリカが率いるノルドの船団を前に、エドキアがとった大胆な行動とは……!
テオはついに故郷システィナをロッシーニ家の圧政から解放した。魔法師協会はこの功績をたたえて、テオをシスティナおよびブルタヴァの正式な領主に承認した。しかし生け捕りにした黒魔女ヤーナは、魔法師協会の判断で、詳細な取り調べもなく処刑されることに。シルーカはその処置に疑問を覚える。そんなとき、ミルザーがアルトゥークの民を粛清しているとの報告が入った。テオは急ぎアルトゥークへ戻り、ミルザーを討つと誓う。
テオがロッシーニ家の三男サルヴァドルを討ち取ったうわさはまたたく間にシスティナに広がった。各地では暴動が起き、蜂起に加わろうとテオの元に民たちが集まってくる。息子を殺されたペデリコは、テオの命を奪おうと長男のドーニに五千の兵を集めるよう指示する。怒りをあらわにして迫り来るドーニ軍。そして暗殺者のボルツ、黒魔女ヤーナもテオたちの命を奪おうと忍び寄るのだった。
条約の盟主にふさわしい武勲を上げるべく、システィナに渡ったテオたち。ロッシーニ家の圧政に苦しむシスティナの民を救うため、各地の村を回って蜂起を呼びかける。だが、ロッシーニ家の恐怖政治は想像以上に根深く、各地の村を回っても民衆は蜂起の呼び掛けに応じない。そこでシルーカは、テオの生まれ故郷であるマルザの村ならばテオを歓迎してくれるかもしれないと考えるのだが…。
ヴィラールが死してなお、アルトゥークの独立君主たちは戦うことをやめなかった。ラシックの城に集まった連合の君主たちは、ヴィラールの遺志を受け継ぐ「アルトゥーク条約」の成立を宣言。ラシックは条約の盟主にテオを指名するが、現状のテオの武勲では他の君主たちの賛同を得られなかった。一方、マリーネはブルタヴァ奪還に向けてテオに接触を試みる。戦局を見極めて、シルーカはテオにとある奇策を提案する。
犠牲は出たものの、戦況はおおむねアルトゥークの優勢で推移していた。ところが突然海の向こうから、おびただしい数の船団が押し寄せてくる。大陸の反対に位置するノルドから、マリーネが援軍を呼び寄せていたのだ。劣勢を悟ったヴィラールはみずから剣を執り、戦場へ赴く。そんな彼にマルグレットは最期まで付き従うと決め、ともに戦場へ赴くのだった…。
スタルクを従属させたヴァルドリンドは、その勢いのままにアルトゥークへ侵攻を開始した。ヴィラールは近隣国のキルヒス、レガリア、ハマーンと連携を取って対抗しようとするが、海より新たな敵が迫り来る。その相手は、かつてヴィラールを慕っていたダルタニア太子ミルザー・クーチェス。ヴィラールを見限ってマリーネの剣となったミルザーは、ダルタニア船団を率いてアルトゥークに猛攻を仕掛ける。
和平を結ぼうとする幻想詩連合に対し、戦う道を選んだ大工房同盟。同盟を離れようとするスタルクに、マリーネは容赦なく兵を仕向ける。シルーカは隣国のスタルクを支援するべきだとヴィラールに進言するが、アレクシスへの忠誠を誓ったヴィラールの意志は固く、それどころか城を離れるように命じられてしまう。傷心のシルーカを連れて、領地を巡る旅に出たテオは、自分がどれだけシルーカを大切に思っているのかを伝えるのだった。
大講堂の惨劇…あの事件さえ起こらなければ、アレクシス・ドゥーセとマリーネ・クライシェは結ばれるはずだった。六年前、エーラムの地で恋に落ちた二人。お互いの立場を知っても思いは変わらず、幻想詩連合と大工房同盟は、真実の愛によって一つとなるはずだったのだ。だが、その願いは引き裂かれてしまった。父に代わって盟主となった二人は再び大きな岐路に立たされる。和平か戦争か。二人が選び、進むその先は…。
幻想詩連合の君主会議が開催されることとなった。開催地のハルーシアへと向かう途中、アルトゥーク軍は通過地点であるフォービス、クローヴィス二国の平定を試みる。テオが向かう先は、フォービスの独立君主ラドヴァン・トーリアスが統治する港湾都市。ラドヴァンの居城を攻略するためには、まず港湾都市を攻略する必要があるが、住民はラドヴァンを慕っており、民の犠牲を出さずに攻略するのは難しい。そこでテオは都市の外で決着を付けようと提案するのだが…。
ヴィラールの魔法師長であるマルグレットが間もなく25歳の誕生日を迎える。ヴィラールに仕える魔法師は女性だけで、25歳を迎えると契約は解除される決まりとなっている。盛大に開かれた誕生祝いのうたげ。集まった者たちは口々に感謝の意や別れを惜しむ気持ちをマルグレットに伝える。そんな中で、ヴィラールはマルグレットの手を取り、ダンスに誘う。二人の思いが通うかのような激しいダンスに、シルーカはもどかしい思いを抱く。