事件の涙 Human Crossroadsの放送内容一覧
7人もの命を奪った秋葉原無差別殺傷事件。タクシーの運転中に現場に居合わせ、重症を負った男性は、この11年、獄中にいる死刑囚に手紙を送り続けてきた。多くの人の命を奪った罪の重さを、どこまで深く考えているのかを知りたかったからだ。だが、納得のいく言葉は届かず、皮肉にも事件前に犯人が格差への不満を訴えた言葉が今も広がっている。
24年前、社会に衝撃を与えたいじめ自殺事件。13歳の少年は、同級生から日常的に暴力を受けていたが、家族に打ち明けずに亡くなった。父親は、その後、全国のいじめに苦しむ子どもたちと手紙のやり取りなどを行ってきた。しかし、13年後、今度は兄が自ら命を絶った。2人の死を受け止められないまま、いじめがもたらす悲劇を減らそうと闘う家族の姿を見つめる。
鹿児島・鹿屋市の市川健一氏は、41年前、弟の修一氏を北朝鮮に拉致された。両親は、無念の中で他界。その思いを背負い、健一氏は妻と共に弟の帰国を訴え続けてきた。しかし、年齢は70を超え、社会の関心は薄らいでいく。3つの時代にわたって「待つ」ことを強いられる人々の涙を見詰める。
事件の陰の人間ドラマに迫る第2回。2018年9月、九州大学で起きた研究室の火災で、焼け跡から遺体で見つかったのは、46歳の元大学院生。自殺した可能性が高いと見られている。男は非常勤講師として教壇に立っていたが、亡くなる前のメールで、経済的困窮と孤独を訴えていた。男がなぜ壮絶な死を迎えたのかに迫る。
事件の陰にある人々の涙を描くドキュメンタリーシリーズ。第1夜は、2018年1月に自殺した評論家・西部邁氏を取り上げる。「自分の最期は自分で決めたい」と自殺を公言していた西部氏。娘は父から「家族に老いて苦しむ最期の姿を見せたくない」と聞かされていた。なぜ父は死を選んだのか、父の本当の思いに迫ろうとする日々を追う。