ニル・アドミラリの天秤のあらすじ一覧
自分の力で多くの人を救うことができると実感したツグミは、フクロウのメンバーとも打ち解けはじめていた。だが仕事終わりに隼人たちと食事を楽しんでいると外から人の争う声が聞こえる。市民から本を略奪しその場で燃やす「カグツチ」と呼ばれる一団が現れたのだ。大切な本を燃やされた被害者の鷺澤累にこの騒動を解決してほしいと頼まれる。彼によると首相の息子が自殺未遂事件を起こしたことで奇妙な本のうわさが広まっているという。
作者の強い情念がこもり、時には読んだ者を死に追いやる力を持つ本。それらは「稀モノ」と呼ばれ、「帝国図書情報資産管理局」通称・フクロウが収集・保護を行っていた。弟の事件をきっかけに、稀モノのアウラを見分ける力を持ったツグミは、フクロウで働くことを決める。だがそこに待ち受けていたのは、口が悪いが正義感の強い尾崎隼人、人との馴れ合いを嫌う鴻上 滉、オッドアイを持つ星川翡翠など、個性的なメンバーたちだった。
大正が15年では終わらず、さらに10年の月日を重ねた日本。没落の一途をたどる華族・久世家の長女ツグミは家を救うため、望まない許婿との結婚を決意する。だがそれに猛反対した弟のヒタキは自室に閉じこもり、自殺を図ってしまう。まさかの行動に自分を責めるツグミ。だが彼女の前に「帝国図書情報資産管理局」を名乗る男2人が現れて、衝撃の事実を告げる。弟の自殺は本が原因であると…。