銀河英雄伝説 Die Neue Theseのあらすじ
銀河帝国皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世の亡命を受け入れ、亡命政府である銀河帝国正統政府の樹立を認めたことを発表した自由惑星同盟政府に向けて、ラインハルトは事実上の宣戦布告を行う。その演説を見た最高評議会委員たちは大混乱するが、議長のトリューニヒトは、なぜか悠然としていた。また、政府の判断を巡っては国民の意見も二分され、街中やメディアなど、さまざまな場所で議論が巻き起こる。
ケンプ率いる帝国軍との戦闘に勝利して以降、イゼルローン要塞では平穏な時間が続いていた。風邪で寝込んでいたヤンは、回復後も怠惰な生活を続け、執筆した論文はユリアンがあきれるほどに精彩を欠く内容だった。そんな中、最高評議会議長トリューニヒトによる重大な緊急演説が行われ、全将兵が見るようにという通達が届く。モニターに映し出されたトリューニヒトは、銀河帝国皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世の亡命を受け入れたことを発表する。
ランズベルク伯とシューマッハによる、皇帝の誘拐計画が実行される。ケスラーからの報告を受けたラインハルトは、元帥府に上級大将と大将を招集する。フェザーンとの密約は秘めたまま、何者かによってノイエ・サンスーシーから皇帝が誘拐されたと告げる。ランズベルク伯らの目的を皇帝の誘拐だと予想し、事前にラインハルトにも伝えていたヒルダは、ラインハルトがフェザーンと手を組み、わざと皇帝を誘拐させたことも見抜いていた。
フェザーンの狙いは、門閥貴族派の残党を利用し皇帝を同盟に亡命させ、帝国の同盟への進攻に大義名分を与えることだった。フェザーンの帝国駐在弁務官ボルテックから、自治領主ルビンスキーの思惑を聞き出したラインハルトは、皇帝誘拐計画を見逃すことを決める。オーベルシュタインは、皇帝が誘拐された場合、宮殿の警備責任者モルトが自ら命を絶つだろうと指摘するが、ラインハルトは自身の決断を変えなかった。