鬼灯の冷徹 第弐期その弐のあらすじ一覧
「Aパートポーカーなら無敵」鬼灯による「マルキ・ド・サドとレーオポルト・ファン・ザッハ・マゾッホの生涯」の朗読が終わる。座敷童子たちは静かに立ち上がり、完全な無表情のまま拍手し続ける。おそらくスタンディングオベーションなのだろうが、シュールな光景に、物陰から様子をうかがっていた唐瓜は震え上がる。接客業をするわけではないが、座敷童子は女の子。こんな無表情のままでいいのだろうかと、唐瓜はふと心配になってしまう。
「Aパート瘟鬼」現世はパソコンウィルスにネット犯罪といろいろ大変。シロも自分が生まれた室町時代も悪い鬼は来るし病は流行るし大変だった事を思い出す。そこに、鬼灯が桃太郎と知り合いと聞いた源義経から、相談事が持ち掛けられる。何やら困ったことが起きており、桃太郎に協力してもらいたいらしい。それから少しして、天国のうさぎ漢方極楽満月では、鬼灯からの電話で意外な言葉を聞いた桃太郎が驚いていた。その言葉とは「鬼ヶ島」!
「Aパート奪衣婆と懸衣翁」亡者が渡る三途之川。シロと柿助が水遊びをしていると、ルリオが慌てたように、ここは遊泳禁止だと言いに来る。一足遅れて、奪衣婆が鬼婆のような剣幕でそこから出ろと怒鳴りつけ、ルリオの足を掴んで「舌切ってやろうか」と脅してくる。賽の河原の子供たちに端的に乳婆と呼ばれている奪衣婆だが、実は懸衣翁(けんえおう)という夫がいる。この懸衣翁、現世だと資料にのってない事すらあるのだが、一体どのような人物なのか?
「Aパートこんぽんてきに」桃太郎や一寸法師が過去を克服したのを見てきた芥子は、自分の「○ヌキ」嫌いを克服せねばと思っていた。芥子が目指すのは、狙いをコントロールし亡者のみを攻撃する精度。頭では「タ○キ」の全てが悪い訳ではないと分かっていながら、「タヌ○」と聞けばすぐに爆発してしまう今の自分は足軽の精度の良くない乱れ打ち。精神修行してさらに強くなりたい。そう打ち明けられた鬼灯は、修行といえば、というある場所を思い出す。
「Aパート野干兄妹」アイドルユニット・まきみきとしてブレイク中のミキ。街を歩けば、そこかしこで人々の話題にあがっているが、いい話ばかりとはいかない。そんなミキが訪ねてきたのは、花割烹狐御前。居合わせた小判が、ミキの語尾を真似てニャ〜ンといった瞬間、ミキのストレスが大爆発。狂気的な笑いとともに、このキャラに疲れたと嘆く姿に、さすがの小判も撮るのを諦める。そんなお疲れ気味のミキが、わざわざ檎に会いに来た理由とは?
「Aパート芥子という兎」『かちかち山』のあの兎こと、芥子。ニホンノウサギのメスだが、絵本の場合は仇討ち話からしてオスっぽく見える。それは芥子の硬派な気質によるところが大きく、友人の兎たちからイケオスが来るからと合コンに誘われても、そんな浮かれた場に大兎撫子は行かぬと一蹴するほど。しかし今日に限って、断ったはずの合コンの頭数合わせに、もう一人誰かを誘っていかなくてはならなくなる。困った芥子が合コンに誘った相手とは?
「Aパート ゲーム」トコトコとどこかへ向かう柿助を、シロとルリオが呼びとめる。どうやら休日を利用してゲームセンターに行くらしい。柿助は猿。犬やキジと違って器用に手が動くので、遊べるゲームが多いと言う。そのせいか、自分についてゲームセンターに行こうとするシロとルリオに、その前足じゃできないゲームの方が多いんじゃないか、と少し上から目線で言ってしまった柿助がゲームセンターで見たのは、驚愕の事実だった!
「Aパート瓢箪鯰」狐喫茶・ヤカンカンで食い逃げが発生する。責任者の檎を前に妲己が始めたのは中国の拷問話。要はさっさとそいつを見つけてとっ捕まえてこい、この能無し。という意味だが、人から金を取ることに関しては人一倍の檎をあざむける者はそうそういない。そんな話を小判としている檎を、雑踏の中から必死で呼ぶ声がする。しかし、その存在感の薄さに檎も小判も、道行く誰もが気づかない。気づいたのはただ一人だけ、鬼灯だった!
「Aパート天邪鬼」昔々、天照大神が突然、現世は我が子に治めさせよとのたまい、大国主命に使者を出したものの、全員大国主側についてしまう。そこで雉を遣わし使者に忠告させるが、使者は天探女にそそのかされて雉を殺す。この天探女が、天邪鬼へと派生していくのだが……時は流れて焦熱地獄。鬼灯がルリオに紹介したのは、植物から生まれた人間の特色なのか、全身で桃人間アピールしていた桃太郎と同じく、全身で瓜を主張する女性・瓜子姫だった。
「妖怪に学んだ男と妖怪を使う女」ジリリンと鳴る烏天狗警察の黒電話。 最近、滝夜叉姫と名乗る女性が頻繁に電話してきては、何を話すでもなく切ることが続いていた。 滝夜叉姫は、あの平将門の娘。 父の無念を晴らすべく、丑の刻の神と契約して一騒ぎを起こした妖術使い。それはさておき、この電話に困った源義経から相談を受けた鬼灯は、居場所を知るには、ゴロツキの情報屋に聞いた方が手っ取り早いと、義経と共にある場所へと向かうのだった。
「Aパートお迎え課の荼吉尼」お稲荷さんこと、稲荷大明神の主神は、宇迦御魂と荼吉尼天の二人である。 元々悪鬼だった荼吉尼天は、今では閻魔庁のお迎え課の主任として働いているが、そのお迎え課、どうもマゾ男の巣窟になりつつあるという。ちなみに、荼吉尼天の見た目と人となりを一言で言うなら、誰でも一回は妄想するイカン女教師。そんな荼吉尼天がどうして地獄で働くことになったのか、と興味津々の唐瓜と茄子に聞かれた鬼灯が経緯を話し出す。
「Aパート魔女っ娘とはなんぞや」初めての映画出演を終えたマキは、監督に次の作品の役をオファーされる。なんとその役は「ドジ魔女っ娘」。年齢的にギリアウトでしょと怒るマキは気を取り直して台本を見るが、その呪文の難解さと奇妙さに不安になる。リサーチを兼ねて一度本物の魔女に会ってみたいと言いだした監督が、金魚草飼育DVDの打ち合わせでスタジオに来ていた鬼灯に声をかけた数日後。リリスの紹介で、魔女の谷から本物の魔女がやって来た!
「Aパート閻魔庁の日々」緊迫した空気のなか、裁判長席の閻魔がビシっと笏を突きつけ、威厳をもって亡者に判決を言い渡したその瞬間! 裁判の見学は以上、と新人たちに告げる唐瓜。研修中の新人たちに、先輩らしくテキパキと指示を出す唐瓜の横の茄子はいつもの調子ではあるが、それでも二人の姿に成長を感じとった鬼灯とお香が、感慨深げな様子を見せる。しかし、地獄は常に人手不足。今日は獄卒の採用試験があるようだが?