風が強く吹いているのあらすじ
仲間が決死の走りでつないだ襷(たすき)。その重さをかみ締めながら、ユキがレースの準備に臨む。そばに寄り添う神童の姿。あふれる不安や後悔を力に変え、運命のスタートを待つ。一方、横浜では、9区の走と10区の灰二がスタンバイ。しかし、灰二の姿が見当たらず、走の胸に不安がよぎる。そしてそれが的中するように、灰二の部屋からスポーツドクターが現れる。灰二に詰め寄る走。しかし灰二は、どこまでも穏やかな、いつもの灰二だった。午前8時。復路開幕!
沿道に声援を送る葉菜子の姿。頭の中を駆け巡る記憶の欠片(かけら)。ついに恋に気づいてしまったジョータが、走りを加速させ順位を上げる。兄から弟へつながれる襷(たすき)、と同時に、葉菜子の想いも聞かされたジョージは、すっかり心ここに在らず。突然の葉菜子パニックに他の選手も浮き足立つ。レースを修正するため、走が田崎に伝言を託す。一方、中継所にたどり着いた神童に、灰二が電話で語り掛ける。長くて短い二人の時間。高熱を帯びた神童の体に、悲壮な決意がにじむ…。