風が強く吹いているのあらすじ一覧
仲間が決死の走りでつないだ襷(たすき)。その重さをかみ締めながら、ユキがレースの準備に臨む。そばに寄り添う神童の姿。あふれる不安や後悔を力に変え、運命のスタートを待つ。一方、横浜では、9区の走と10区の灰二がスタンバイ。しかし、灰二の姿が見当たらず、走の胸に不安がよぎる。そしてそれが的中するように、灰二の部屋からスポーツドクターが現れる。灰二に詰め寄る走。しかし灰二は、どこまでも穏やかな、いつもの灰二だった。午前8時。復路開幕!
沿道に声援を送る葉菜子の姿。頭の中を駆け巡る記憶の欠片(かけら)。ついに恋に気づいてしまったジョータが、走りを加速させ順位を上げる。兄から弟へつながれる襷(たすき)、と同時に、葉菜子の想いも聞かされたジョージは、すっかり心ここに在らず。突然の葉菜子パニックに他の選手も浮き足立つ。レースを修正するため、走が田崎に伝言を託す。一方、中継所にたどり着いた神童に、灰二が電話で語り掛ける。長くて短い二人の時間。高熱を帯びた神童の体に、悲壮な決意がにじむ…。
夏合宿で訪れた白樺湖で、東体大と鉢合わせてしまった寛政大陸上部。走の過去の行為を告発するように、執拗に挑発を繰り返す榊。限界に達した走が掴みかかるも、仲間たちが間に入り事なきを得る。その後の練習は過酷を極めるが、走の心は高校時代の重い記憶に囚われたままだった。それは、選ばれた者たちをさらに追い詰める、残酷すぎる過去だった。破滅を選んだ自分を思い出し、苦悩する走。やがて夜。空には満天の星。1人佇む走のそばに灰二が現れて…。
東体大の榊に挑発されたことで、結果的に距離を縮めた走と竹青荘の住人たち。皆が決意も新たに盛り上がる中、キングが慣れないスーツ姿で帰って来る。一方、走は、早くも記録会への出場を目論む灰二に異を唱える。素人同然の住人たちに過酷な現実を突きつけてどうするのか。そう訴える走に、灰二が問い返す。走の疑問は晴れぬまま、灰二が本格的な練習を始めようとする。しかし、キングが就活を理由に参加を拒否して…。不安を抱えまま、本格的な練習が始まる。