ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-のあらすじ一覧
【最終回】魔眼蒐集列車の事件から数日後。現代魔術科ではスヴィンの典位(プライド)昇格の儀式が厳かに行われていた。10代の若さで典位への昇格を成し遂げた教え子の姿を、ロード・エルメロイII世も万感の思いで見つめる。一方グレイは、ロード・エルメロイII世が聖杯戦争への参加のため、遠く旅立ってしまうのではないかという不安を拭い切れずにいた。そんな中、クリスマスが迫りにぎやかさを増す街中でメルヴィンと出会う。
犯人として突如拘束されたのは、カウレス・フォルヴェッジ。魔眼オークションを中断し、推理を披露するロード・エルメロイII世の元に、ロンドンにいたはずのライネスも駆け付ける。彼女が連れてきたのはカウレス・フォルヴェッジ本人で、ここまで魔眼蒐集列車で同行していたのは、真犯人が化けていた偽のカウレスだった。かくしてロード・エルメロイII世の口から語られる真犯人の名前。それは先代の現代魔術科学部長、「妖精に心臓を盗まれた男」と言われたその人で――。
化野の推理が展開されていく中、復活を遂げたロード・エルメロイII世。グレイの証言からトリシャ殺害の真犯人の糸口を見いだした彼は、メルヴィンに魔眼オークションの開始を遅らせる依頼をする。その目的はオルガマリーに協力を要請し、化野の推理を覆す決定的な証拠をつかむことだった。一方ロンドンでは獅子劫がフラットとスヴィンを集め、とある準備を進めていた。おのおのが思案を巡らせる中、運命の魔眼オークションがついに始まる――。
腑海林(アインナッシュ)の仔の中で激突する、グレイとサーヴァント――へファイスティオン。しかし雪崩に巻き込まれ、休戦を余儀なくされてしまう。一時的に矛を収める中で二人は主従の関係について、互いの在り方を語るのだった。獅子劫とルヴィアは、トリシャが7年前の連続殺人と聖杯戦争について調べていたことを突き止め、魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)とのつながりを見いだしていく。さまざまな思惑が絡み合う中、魔眼蒐集列車ではロード・エルメロイII世に代わって、化野が自身の推理を開陳し――。
深手を負ったロード・エルメロイII世に懸命な治療を行う中、グレイたちはマスターの姿が見えないサーヴァントの存在に疑問を持つ。ロンドンで調査を進める獅子劫たちは、ジャンマリオ・スピネッラの元を訪れ、7年前に起きた連続殺人事件について尋ねる。休息もつかの間、進路に異常が発生した魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)は死徒の森――腑海林(アインナッシュ)の仔へと突入する。ロード・エルメロイII世の衰弱を案じるグレイは、列車を動かすために行動するカラボーたちへの助力を決意する。さらにうわさを聞いて魔眼蒐集列車へと駆け付けたメルヴィンもその一行に加わるのだった。グレイへの協力を拒否し一人立てこもったオルガマリーは、自室にて“あるもの”を発見する。
魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)の車中で、トリシャ・フェローズが何者かによって殺害される事件が発生する。事件の捜査に乗り出したロード・エルメロイII世に対し、オルガマリーは魔術師らしからぬ彼の在り方に対して疑問を抱くのだった。その一方で、ライネスの命を受けた獅子劫とルヴィアは独自の捜査を進めていく。再び走り出した魔眼蒐集列車でロード・エルメロイII世たちの前に突如現れた人物。圧倒的な力をもって2人に襲い掛かったのは、人類史に刻まれた英霊の具現化――サーヴァントで――。
ロード・エルメロイII世の元から盗まれた征服王イスカンダルの聖遺物。そこには代わりに、魔眼を商うといわれる列車――魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)からの招待状が残されていた。ロード・エルメロイII世とグレイはカウレスを伴い、魔眼蒐集列車へと向かう。そこには法政科の化野菱理、エルメロイ教室のイヴェット、天体科の君主(ロード)の娘オルガマリー・アースミレイト・アニムスフィア、さらには聖堂教会のカラボー・フランプトンといったそうそうたる顔ぶれがそろっていた。さまざまな思惑とともに列車は発車する…。
マーベリー工房での調査が進む中、落雷により新たな犠牲者が生まれてしまう。改めてこの事件の犯人が誰かで対立する、ロード・エルメロイII世と化野菱理。ロード・エルメロイII世は再捜査のため、ネクロマンサーである獅子劫界離に協力を求めるが、グレイと獅子劫は突如出現したどう猛な獣――ブラックドックの強襲を受ける。グレイの魔術礼装にブラックドックが反応したのをきっかけに、ある結論を導き出したロード・エルメロイII世。マーベリー工房に集った魔術師たちの力を借りて、儀式の準備を開始する。
降霊科の重鎮(じゅうちん)、ウィルズ一級講師。彼の父トレヴァー卿は、荒野全域を魔術工房とするマーベリー工房を所有していた。しかし工房は暴走し、トレヴァー卿も含め多数の犠牲者が出てしまい、手の施しようがない状態に。聖杯戦争への参加のため、降霊科に協力を求めているロード・エルメロイII世は、この一件の解決を仕方なく引き受ける。しかし、屋敷へとたどり着いた一行を待ち受けていたのは、時計塔内部の調査・執行を行う法政科の化野菱理だった――。
教室で騒がしく繰り広げられるのは、いつもの現代魔術科の光景と思いきや、ロード・エルメロイII世の様子がおかしい。聴講に来たルヴィアがグレイにその理由を尋ねると、お気に入りの喫茶店が休業状態になったためだという。このままでは仕事がはかどらないと喫茶店へ事情を聞きに向かったロード・エルメロイII世だが、調査に入った地下水道で不気味な影に襲われてしまう。調査から一向に戻らない彼を心配したグレイは、フラットとスヴィンに助けを求める。
ライネスとメルヴィンからロード・エルメロイII世に持ち掛けられた難題――それはかつての彼の教え子、メアリ・リル・ファーゴにまつわる事件だった。メアリは天体科を統べるアニムスフィア家の一門、ファーゴ家の一人娘。かつての恩師の力を必要としたメアリに応じ、ファーゴ邸を訪れたロード・エルメロイII世とグレイが目にしたのは、メアリの父、アーネスト・ファーゴのバラバラ死体だった。天体科の伝統から外れ、現代魔術の様相を呈しているという犯行現場に対し、ロード・エルメロイII世は解明に乗り出す。
冬木で行われた第四次聖杯戦争に参加し生き残った少年、ウェイバー・ベルベット。聖杯戦争から3年後、彼は自身の師ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの義妹、ライネス・エルメロイ・アーチゾルテから突然の招待を受ける。多数の借金をしてまで、エルメロイ教室を買い取ったウェイバーに興味を持ったライネスは、彼にその理由を問い詰めるのだった。ウェイバーが渋々と語り出したのは、聖杯戦争後にバビロンを訪れた際の一幕。イスカンダルの最期をみとったとも言われるその街で事件に巻き込まれた彼は、思いがけず級友メルヴィン・ウェインズとの再会を果たす。
時計塔の君主ロードの一人であり、現代魔術科の学部長、ロード・エルメロイII世は今日も個性豊かな生徒たちに向け授業を行う。授業後に時計塔の会議を終えた彼は、権力闘争に明け暮れる君主たちに対して悪態をつくが、それによる呪詛返しを食らってしまう。その翌日、内弟子のグレイとの移動中、最近自室に寄り付いている野良猫が、車にはねられているのを目撃する。それがロード・エルメロイII世の命を狙ってのことであると気付いた彼は、グレイ、フラット、スヴィンとともに犯人探しを開始する。