NHK特集 シルクロードの放送内容一覧
タクラマカン砂漠の両側を走ってきた古代シルクロードは、西域最西端の町カシュガルで合流する。古都・長安から3700キロ、昔の旅人は1年余りの時間をかけて、シルクロードを歩き続けてきた。今もなお生き続けるシルクロードを、パミール高原の遊牧民の生活を通して描く。
天山南路のオアシス・クチャ。この西域最大の文化都市を中心に栄えた亀茲国は、交易で富を得て、キジル千仏洞に青いラピスラズリを使った絢爛(けんらん)な文化を生んだ。また音楽の都でもあるクチャから中国を経由し、日本の雅楽は発展していった。日本の民族音楽の源流をさぐり、シルクロードに伝わる音楽の心に触れながら、バザールのにぎわい、麦刈り、ウイグル族の結婚式の歌と踊りなども紹介する。
天山北路と天山南路の分岐点トルファンと南路の要塞コルラを結ぶ、南疆(なんきょう)鉄道。現在は主に鉄道の旅だが、ラクダ隊による天山越えも取材し、かつて最大の難所であった南路の新旧を対比しながらシルクロードの変貌と現代中国の力強い息吹きを伝える。また、遊牧民トルフト族の生活、オアシスの町・焉耆(えんき)のバザール、シクシン千仏洞の廃墟なども紹介する。
崑崙山脈から流れる白玉河と墨玉河にはさまれたウイグル族のオアシス都市ホータン。シルクロード交易の秘宝と言われた「崑崙の玉」の産地であるその一帯には、かつて独自の仏教美術を開花させ、千年にわたって繁栄を誇った王国があった。白玉河、黒玉河が産んだ名玉の物語を追い、ダンダンウィリク寺に残された絹にまつわる物語をたどる。
かつてタクラマカン砂漠の東端にあるロプ・ノール湖の湖畔で栄華を誇った王国・楼蘭(ろうらん)。陽関から楼蘭への旅は、砂あらし、風化土堆群、死のアルカリ平原の白竜堆を越えるシルクロード最大の難所。シルクロードの歴史の中で最も神秘に満ちた王国の住居や井戸跡、墓地から発掘された貴婦人のミイラを紹介。解放後初の調査に、新疆考古学研究所、人民解放軍が協力した。
蘭州から黄河を渡り、祁連(きれん)山脈に沿う武威、張掖、酒泉へ1000キロ続く河西回廊。ここでは中国の歴代王朝と遊牧民が攻防を繰り繰り広げてきたが、漢の武帝により河西四郡が置かれ、シルクロードの重要な路となった。ゴビ砂漠にのびる万里の長城から西端の嘉峪関(かよくかん)に至る旅程をたどり、そこに生きる人々の生活を追う。