A3! SEASON SPRING & SUMMERのあらすじ一覧
ついに旗揚げ公演初日を迎えた新生春組。舞台を成功させるため人一倍努力してきたロミオ役の咲也、徐々に演劇の面白さを知ったジュリアス役の真澄、脚本家になりたいという夢を台本に託したマキューシオ役の綴、もう一度誰かを信じてみようと思ったティボルト役の至、いつも明るく劇団を家族のように大切にしてきたロレンス役のシトロン。「千秋楽を満員にする」という左京との約束を果たすため、それぞれの思いを胸に舞台の幕が今、上がる。
あらためて旗揚げ公演に向け気持ちを一つにした5人。雄三のアドバイスで演目「ロミオとジュリアス」に殺陣を取り入れ、練習を重ねた咲也と真澄の息も合ってきていた。一方、伊助が担当していた古臭い劇団の公式サイトやフライヤーのデザインを、綴の先輩・三好一成が一新。少しずつ新生春組の存在が広がっていった。だが、いづみは真澄のある一つのセリフに違和感を覚えていた。それは真澄が役者として乗り越えるべき壁でもあった。
いづみの父・幸夫の代から大道具を担当してきた岩井鉄郎と、衣装係に応募してきた瑠璃川幸が合流して、ようやく劇団らしくなってきた「MANKAIカンパニー」。そんな中、人と深く関わることが苦手で、団員たちと自分との舞台にかける温度差を感じていた至。それは初代春組の鹿島雄三から指摘されていたことでもあった…。そして至から退団の申し出があり、騒然とする団員たち。咲也、綴、シトロンは何とか至を引き止めようと思案する。
新たにシトロン、茅ヶ崎至が加入し、脚本家志望の綴が書いた台本も無事完成。「来月中に旗揚げ公演を行い、千秋楽を満員にする」という、左京と交わした最初の約束を守るため、本格始動した新生春組。だが、台本の読みあわせから何度も台詞をつっかえてしまう咲也、どことなくやる気のない至。そつなくこなす真澄とたどたどしい綴は険悪ムードになるなど、前途多難な幕開けとなった。そんな「MANKAIカンパニー」に一つの影が…。
「MANKAIカンパニー」を立て直すため主宰兼総監督となったいづみ。碓氷真澄、皆木綴が加わり団員は3人となったが、春夏秋冬4つのユニットが毎月入れ替わりで公演を行っていた最盛期には、ほど遠い。まずは「春組」を結成するため、残り2人の団員を探すことに。稽古を兼ね、ビロードウェイ名物のストリートアクトで注目を集めることにするも、そのたどたどしい演技は悪い意味で目立っていた。そんな中、1人の外国人が足を止める。
立花いづみは一通の手紙を頼りに、ビロードウェイにある「MANKAIカンパニー」を訪れる。そこは8年前から音信不通の父親が旗揚げした劇団だった。団員は佐久間咲也の1人しかおらず、さらに多額の負債を抱えていた。借金を返済できず、古市左京に劇場の看板を壊されそうになるのを目にしたいづみは、左京に日没までに新団員2名を連れてくると約束。咲也と支配人・松川伊助を加えた3人は、団員を探すためビロードウェイを駆け巡る。