青天を衝(つ)けのあらすじ一覧
慶応3(1867)年3月。パリに到着した篤太夫らは、すでに始まっている万博会場を視察。蒸気機関車やエレベーターをはじめ、最先端の西洋技術を目の当たりにした篤太夫は感嘆する。そんな中、日本の展示ブースの出品に喜ぶが、薩摩藩の紋が掲げられていることに驚く。昭武一行は薩摩藩に抗議するが、五代が裏で手を引き、幕府と薩摩藩は同格の政府であると風聞されてしまう。その頃、日本では慶喜がフランスの支援で陸海軍の整備を行うなど、次々と改革を打ち出す。
慶応2(1866)年7月20日。将軍・家茂が亡くなる。慶喜が次期将軍に就任することが避けられぬと知った篤太夫は、「今、殿が将軍になっても国中の非難を一身に背負うだけ」と慶喜に直言する。一方、薩摩の大久保一蔵(石丸幹二)は公家の岩倉具視(山内圭哉)と共謀し、王政復古を画策していた。その頃、陸軍奉行支配調役として勤め始めた篤太夫は、謀反人の捕縛を命じられる。篤太夫は、護衛で同行する新選組の土方歳三と現場に向かうが、あることで歳三ともめる。
慶応元(1865)年8月。歩兵集めで一橋領を巡回していた篤太夫は、家業での経験を生かし、播磨の木綿の価値を高めることに成功する。翌年、その功績が認められた篤太夫は、一橋家の財政を管理する勘定組頭に出世する。そして商売を盛んにするため紙幣の流通にも尽力し、財政を豊かにすることで一橋家を支えようと決意する。一方、幕府は2度目の長州征伐に向けて動きだすが、薩長同盟を結んだ長州を前に苦戦。さらに、大坂城で指揮を執る将軍・家茂が倒れてしまう。
文久3(1863)年。故郷をたった栄一と喜作は、円四郎の助力を得るため京の前に江戸に立ち寄る。円四郎の家を訪れた栄一と喜作は、円四郎の妻・やすから一橋家の証文を受け取り、無事に京にたどり着く。翌年、京で朝廷による参与会議が開かれる。参加した慶喜は、福井藩主の松平春嶽(要潤)の意見に対し、静かに怒りをたぎらせていた。一方、栄一から届いた文を読んだ長七郎は、栄一を追って京に行くことを決意。だが、道中で誤って飛脚を斬り、捕らえられてしまう。
江戸にいた栄一らは役人に追われ、廃屋に引き込まれる。そこで再会した円四郎から一橋家に仕えないかと誘われるが、栄一らは断る。円四郎は栄一らに身分を明かし、立ち去る。血洗島に戻った栄一は、惇忠らと高崎城の乗っ取り計画を進める。挙兵の実行日が近づく中、遊学で京にいた長七郎が戻ってきて計画の中止を涙ながらに訴える。やむなく計画を断念した栄一と喜作は、今後の身の振り方を話し合う。その結果、二人は再起を図るため、村を離れて京に向かうことを決意する。
文久2(1862)年。栄一と千代に待望の男の子が生まれるが、すぐに亡くなってしまい、渋沢家は重い空気に包まれる。そんな中、惇忠は自らの手で攘夷の口火を切ろうと、横浜の異人居留地の焼き討ちを発案。惇忠の考えに陶酔した栄一は、道場の面々と共に計画を実行するため武器などを集め始める。その頃、謹慎を解かれた慶喜は、将軍・家茂(磯村勇斗)の後見職となる。慶喜は、後見職に推薦した薩摩藩の島津久光(池田成志)らから、「一刻も早く攘夷の決行を」と迫られる。
文久元(1861)年3月。幕府は、暗殺された井伊直弼(岸谷五朗)の遺志を継いだ老中・安藤信正(岩瀬亮)が、孝明天皇(尾上右近)の妹・和宮(深川麻衣)を将軍・徳川家茂(磯村勇斗)の元に降嫁させようとしていた。朝廷との結び付きを強めて幕府の権威回復を図った和宮の降嫁は、尊王攘夷派の志士たちに火を付ける。一方、市郎右衛門の許しを得て8年ぶりに念願の江戸を訪れた栄一は、喜作から尊王攘夷を唱える儒学者・大橋訥庵(山崎銀之丞)を紹介される。そこで栄一は信正の暗殺計画を知る。
慶喜をはじめ斉昭ら一橋派や尊王攘夷派の大名たちは、「安政の大獄」の大弾圧を受けていた。蟄居を命じられた慶喜らは無言の抵抗を続ける。直弼への反発が強まる中、安政7(1860)年3月3日。尊王攘夷派の水戸浪士たちが直弼を江戸城桜田門外で暗殺する「桜田門外の変」が起きる。そんな中、斉昭が亡くなったことを耳にした慶喜は号泣する。一方、江戸から戻った長七郎(満島真之介)に感化されて尊王攘夷の思想に傾倒し始めた栄一は、市郎右衛門に江戸へ行きたいと懇願する。
安政5(1858)年。栄一は、千代を神社に呼び出し求婚する。だが、喜作が栄一の求婚に待ったをかけ、栄一に剣術の勝負を申し出る。その頃、幕府では彦根藩主・井伊直弼が大老に就任。幕府の実権を握った直弼は、紀州藩主・慶福(磯村勇斗)を世継ぎに推す政策を打ち出す。そんな中、6月19日。直弼は天皇の許しを得ないまま、「日米修好通商条約」に調印してしまう。直弼は、調印が違勅の罪に当たるとして江戸城に無断で登城して直弼らを非難した斉昭や慶喜らを処罰する。
安政4(1857)年6月。長きにわたって幕府を支えてきた老中の阿部正弘(大谷亮平)が亡くなり、幕府は大混乱に陥る。そんな中、慶喜を次期将軍に推す声が日ごとに高まる。一方、血洗島では範之助(板橋駿谷)に誘われた長七郎(満島真之介)が、江戸で武者修行するため村を去っていた。また、千代に告白されて以来、ぎくしゃくした関係が続く栄一は、喜作が千代を妻にしたいと知り動揺する。程なく、惇忠(田辺誠一)と藍売りに出掛けた旅で漢詩を詠んだ栄一は、山頂である決意を固める。
栄一は、“北武蔵の天狗”の異名を持つ長七郎(満島真之介)や喜作らと剣術の稽古に励んでいた。栄一は、「太閤秀吉とて元は尾張の百姓。俺たち百姓にだって何かできるはずだ」と意気込む。そんな中、村の道場に真田範之助(板橋駿谷)という道場破りが現れ、長七郎に勝負を挑む。その頃、安政の大地震で側近の東湖(渡辺いっけい)を失った斉昭は、幕府に対してさらに過激な言動が増える。慶喜は斉昭に引退を勧めるが、斉昭は「慶喜が将軍になるなら引退する」と突っぱねる。





























