無限の住人-IMMORTAL-のあらすじ一覧
集まった人間たちが次々に命を散らしていく。残った者たちも、もはや満身創痍(そうい)。それでも剣を取り、己が信念をぶつけ合う。最後に立つ者は――。そして復讐の行方は――。無限を生きる男と、限りある命を燃やし生きた人々の物語は、ここに幕を閉じる。
導かれるように那珂湊へ集結した逸刀流、六鬼団、そして万次と凜。さまざまな思惑をその剣に乗せ、最後の殺し合いを始める刹那の住人たち。欺き、ねじ伏せ、乱れ舞う。最強と最強が火花を散らす最終決戦。最後に笑うのは――。
尸良との死闘で寝込んでいる万次。そこへ練造が刀を持って万次を殺そうとするが、凜たちによって説得される。その頃、江戸城襲撃を知り憤る吐。だが統主不在とはいえ逸刀流を追うことを止めない。そんな中、逸刀流の一人が山の集落へ入っていく。吐の娘・燎は、父の役に立つため討伐へ向かうのだった。
影久を追い掛ける凜と万次だったが、尸良に襲撃され凜がさらわれてしまう。救出へ向かう万次は、そこで尸良だけではなく練造と再会する。凜を助けるため尸良と戦う万次。しかし不可思議なことに万次を斬りつけたのは、失われたはずの尸良の左腕だった。
吐率いる六鬼団に追われている逸刀流。その話を聞き、逸刀流を追うことに決めた凜と万次。誰も彼もが江戸を出る逸刀流を追うが、その中に天津影久を始めとした幹部4人の姿がない。そして夜更け、影久たち四人が立っていたのは江戸城・大手門の前だった。
吐は江戸城での失態により、新番頭を解任させられた。それでも逸刀流を壊滅させるため、六鬼団を率いて討伐に向かう。しかし新しく番頭を継いだ男・英によって、逸刀流は江戸を追放することでおとがめなしと決められてしまう。さらには取り決めをほごにしないようにと、吐は妻子を人質に取られてしまうのだった。
ついに再会した万次と凜。しかし地下牢には吐を始めとした強敵がいて、凜と万次の脱出を阻む。そこへ助っ人として現れたのは、瞳阿と死んだはずの夷作だった。崩壊を始める地下牢。脱出間近、意外な人物が凜と万次の前に現れる。そして、狂った実験の果てに歩蘭人がたどり着いた答えとは――。
出羽介の件以降、歩蘭人は失敗続きだった。ついには吐により座敷牢拘束となり、気を触れさせる。だがその狂いの果て、歩蘭人は不死実験において大事なことを得る。人はつまり――カワウソである、と。一方、凜と瞳阿はとらわれた万次と夷作を救出するため、江戸城へ侵入することを決意するのだった。
歩蘭人は万次の左腕を実験体の出羽介に移植させることに成功する。それを皮切りに実験は次々に成功。しかし吐が結果を急がせ、追いつめられる歩蘭人。そしてまだ不死化の不十分な出羽介に、吐の刃が迫る。万次を捜す凜は、道中で瞳阿と夷作に合流する。そこへ以前、瞳阿が叩きのめした役人がやって来て――。
吐の策略で地下牢に閉じ込められた万次。吐は医師・綾目歩蘭人を使い、不死の謎を解明しようとしていた。医術の発展のため――歩蘭人は万次の体にメスを入れていく。その頃、万次の帰りを待つ凜は、宿を探していた瞳阿と夷作に巻き込まれ、奇妙な共同生活を送ることに――。
公儀によって仲間を虐殺された逸刀流。影久は秘密裏に残った逸刀流を集め、公儀への復讐を誓う。万次は偽一から無骸流に勧誘されるが断り、殺し合いへ。偽一の武器が壊れたことで休戦となったが、万次は無骸流の頭領・吐に会いに行くことを決める。
凜を追いたいが通行手形のない万次。そんな万次の前に現れた宗理と凶。宗理は万次に、言ってくれれば手形などいくらでも手に入れてやると言う。しかしそれには条件があって――。一方、再び影久暗殺の計画を練る百琳と真理路のところへ、片腕を失い白髪となった尸良が現れる。
偽一に影久の居場所を知らされた凜だったが、辻斬りの疑いで万次と共に手配されてしまっていた。罪人が関所を抜けることはできない。しかし凜は知り合った飯盛女からその手段を知り、関所抜けを斡旋しているという村に一人出向くのだった。
逸刀流に幕府お抱えの講剣所、その指南役に指名したいという話が来る。逸刀流の剣を世に知らしめる。その悲願が叶おうとするが、凶戴斗は天津影久の元を去ることを決める。そして同時期、各地で逸刀流の幹部が狙われ始め――。その刃の切っ先は、凶にも向かっていた。
祭りを見に来ていた凜は、生意気な少年・練造と出会う。万次は面屋、新夜とけんのんな雰囲気になるが、新夜の息子である練造が来たことで互いの殺気が解ける。去っていく新夜と練造。それを万次の背後で見ていた凜は、なぜか新夜の姿を驚愕(きょうがく)と憎しみの目でにらみ続けるのだった。
影久と邂逅し、自身の足元を揺らがされた凜。思い詰めた様子の凜とそれを見守る万次の前に、虚無僧が現れる。虚無僧は逸刀流「閑馬永空」を名乗り、万次と斬り結ぶがあっさりと殺されてしまう。しかし確かに死んだはずの閑馬は再び立ち上がり、その傷が再生していく。――閑馬は万次と同じく、「不死」の体を持つ者だった。