A.I.C.O. Incarnationのあらすじ
【最終回】多目的手術装置「アルサス」にたどり着く雄哉たち。ついに、アイコの体の交換手術が始まろうとしていた。しかし、伊佐津の暴走は留まるところを知らず、人型マターの群れが雄哉たちを襲う。そこへ駆け付けたのは、相模たちダイバーだった。アイコの固い決意を知り、覚悟を決めるダイバーたち。そして雄哉は手術を前に、自分自身の思いをアイコに告げる。雄哉とアイコ、共に歩んできた二人が選ぶ未来とは――。
アイコと再会を果たした雄哉は、大変な決意をアイコから聞かされる。それは、アイコにとって自分自身を犠牲にするものだった。母と弟、そして自分ではない“本物の橘アイコ”を救いたいと話すアイコ。その決意は雄哉の望みでもあったが、受け入れられない自分がいることを雄哉は知る。刻々とタイムリミットが近づく中、桐生病院では伊佐津が新たに動き出そうとしていた。伊佐津と雄哉――由良俊英の因縁の対決が幕を開ける。
取り込まれたマグリナント・マターの中で、アイコが出会ったのは“もう一人の自分”だった。自分の存在意義に揺らぐアイコに対し、もう一人のアイコは優しく語り掛ける。一方、真実を知ったダイバーたちは、雄哉に怒りをぶつけていた。中でもアイコの事を思う一樹は、雄哉を否定しアイコを一人捜しに行く。マグリナント・マターの脅威が増す中で、バラバラになっていく一同。揺らぐ己の信念と向き合う雄哉…、そこへ柚葉に似た人型マターが現れる。
篠山を失い深い悲しみに暮れる白石は、一つの問いをアイコに投げ掛ける。雄哉の事を信じているか、と。さらに白石は、アイコの知らなかった新たな真実を伝える。アイコが本物の体を取り戻した時、“もう一人のアイコ”は消失してしまうというのだ。アイコはもう一人の自分に思いをはせ不安に苛まれるが、雄哉を信じようと心に決める…。そしてついに一行は、プライマリーポイントへと通じる最後の関門“K5”にたどり着く。
アイコの皮膚に浮かぶ、カーボン・ナノ・ストラクチャーの黒い帯。動揺するダイバーたちに篠山と白石は、アイコの体の真実――脳以外の全身が人工生体であること――を告げる。マグリナント・マターの恰好の餌となるアイコの“合成体”。ダイバーは自分たちが常に危険に晒されていたことを知り、クライアントの雄哉に対し不信感を募らせる。重たい空気がチームに漂う中、彼らの道行きに最大の試練が訪れようとしていた。