はたらく細胞BLACKのあらすじ一覧
「オレたちに休みがあるとしたら、この場所…心臓が止まるときくらいだ」。働くことの意味はいまだに分からない。だが、それでも目の前にある「酸素を運ぶ」という仕事を頑張ろうと決心し、懸命に励む赤血球(AA2153)。そんな赤血球の決意に反して、体内環境のブラック化はますます加速してゆく。血管内ではコレステロールや脂質の塊・プラークが至るところに付着し、崩壊が起こり始めていた。やがてそれは心臓を取り巻き、心筋に酸素と栄養を送る“冠動脈”にも及び…。
「…僕は…大切にできなかった…」。胃酸の海に落ちていく赤血球(AC1677)のフラッシュバック。友を失ったのは自分のせいだと、赤血球(AA2153)は自暴自棄になっていた。しかしこの体(せかい)は、一人の赤血球が立ち直る猶予など与えてはくれない。睡眠・運動不足によりますますブラック化の一途をたどる体内に現れたのは、上空を浮遊する、鋭角で無機質な巨大物体。過去に例を見ない、謎の細菌が襲来する――。
「命が惜しいやつは遠慮なく帰ってくれ…見ての通りここじゃロクな死に方しねぇぞ」。赤血球たちに緊急招集が掛かる。持てる限りの酸素を持って現場へと向かった赤血球たちの眼前に広がっていたのは、潰瘍を起こし、大きな亀裂ができた胃だった。漿膜まで穴が空いてしまったら最後、胃がメルトダウンしてしまう。胃酸が噴き出し、いつ命を落としてもおかしくない状況で、赤血球たちは必死に酸素を運ぶ。しかし胃粘膜は次々剥がれ、炎症が進行していく。そんな最悪の環境の中、ついに「やつ」が現れる。
「白血球さんが僕たちの前であんな不安そうな顔するなんて…」。白血球たちがどこにもいない。明らかな異常事態が起きている体内に困惑する白血球(1196)。赤血球(AA2153)は、ますます不健康化が進む体の状況を心配しつつも、酸素を運び続けていた。そんな中、偶然新人赤血球たちの研修に遭遇する。いい機会だからと最近活躍をしている赤血球(AA2153)は、教育係に任命され、新人と共に酸素を運ぶことになった。だが、後輩たちの分も頑張らなければと気負う赤血球(AA2153)は、休みも取らず働き続けてしまい…。
「気付いていないのか、この体は丸2日、睡眠を取っていない」。喫煙やアルコールの量が増えた影響により、にぎわっていた肝臓は活力と華やかさを失っていた。肝細胞たちも明らかに体調が悪く、話を聞くと、脂肪肝により肝臓の機能が弱まっているとのこと。赤血球(AA2153)が状況に困惑していると、仲間の赤血球から、酸素を運ぶ人数が不足しているため、助けてほしいと頼まれる。かくして赤血球たちはろくに休めぬ中、ふくらはぎの機能が鈍くなり、酸素を運ぶことが困難になっていた深部静脈へと足を運ぶ。
「そのうち来るさ、あいつは俺たちと同じ匂いがする」。赤血球(AC1677)が運んだ酸素が、偶然「活性酸素」に変化し、若い一般細胞を老化させてしまう事故が発生する。事故とは言え、一つの細胞を老化させてしまったことに負い目を感じる中、新人赤血球たちの表彰式で赤血球(AA2153)が最優秀新人賞に選ばれる。同期との間についた大きな差を痛感していた所へ、「お前の気持ちはよく分かる」という先輩赤血球が現れる。先輩赤血球は「元気になれる所」へと、赤血球(AC1677)を誘い出す。
「何があろうと泣き言は不要、私たちは黙って働き続けるんだ!」。仕事にも慣れ始め、合間に軽口を叩き合う余裕も出てきた赤血球(AA2153)と赤血球(AC1677)。二人は仕事中に付着した汚れを洗い流すため、腎臓を訪れることに。腎臓では、血液をろ過する役割を担う糸球体たちが、黙々と仕事をこなしていた。そこで若い糸球体から、とある忠告を受ける。「尿管の近くを通るときは気を付けてください…」。その後、赤血球たちが尿管のすぐそば、輸出細動脈を訪れると、何かが引っ掛かる不穏な音が辺りに響いた…。
「全細胞に告ぐ…これよりこの体は興奮状態に入ります」。赤血球たちは海綿体に血液を満たし、勃起させるという重大なミッションを課せられた。「新たな生命の誕生」という一大ミッションに携われると、やる気に満ち溢れる赤血球(AA2153)。しかし、この体内では一筋縄でいく訳もない。先輩赤血球のいびり、蓄積されたストレスによる勃起率の低下。さまざまな困難が細胞たちの前に立ちふさがる。果たして、赤血球たちの奮闘は報われるのか。
「ディープな肝臓の楽しみ方を教えてやるよ」。この職場に新人という概念はない。初出勤にも関わらず、休みなしで酸素を運んだ赤血球(AA2153)たち。仕事を終え、疲れ果て、座り込んでいたところに、現れたのはベテラン赤血球。「ベテランの勘だが…こんな日は降るぞ」。その言葉の真意をつかめずにいた赤血球(AA2153)に直後降り注いだのは、アルコールのシャワーだった。そして赤血球たちは、仕事のストレス発散のため、肝臓へと足を運ぶのだった。





















