フルーツバスケット The Finalのあらすじ一覧
【最終回】卒業式が終わり、透と夾の新しい門出が近づいていた。部屋を片付けた透は初めてこの家にやって来た時を、宝石のような愛しい日々を懐かしむ。愛した分だけ、別れは寂しい…そう言って涙する透を抱きしめる夾。これから二人の、新しいうたげが始まろうとしているのだ。そして由希も、透に本当の気持ちを、感謝の思いを伝える。
真知に会いたいと、由希は家から飛び出した。大勢の人がいる中で自分一人を見つけ、思ってくれるのは幸福なことで、由希と真知はお互いを奇跡みたいな存在だと自覚する。その時、「遠い遠い約束を…守ってくれてありがとう」という声が聞こえた。とうとう由希の呪いも…自然と流れる涙を拭い、由希は真知を抱きしめる。
退院した透は、夾を前にしてつい逃げ出してしまう。会ったら笑おうと決めていたのに。うじうじ引きずらないように、みんなを、夾を困らせないようにと笑う特訓までしていたのに、涙があふれて止まらない。しかし、夾の口から発せられた「一緒にいたい」という言葉が、透を、夾を無敵にする。それは約束の終わりを意味していた。
透が病院に運ばれた日以来、夾は行方をくらましていた。入院している透の元にも顔を出さず、透も何も話そうとはしない。透の退院当日、夾は家を出るため荷物をまとめていた。由希は「逃げるのか」と問う。そして、透を守れないと答えた夾に強烈な蹴りを見舞った。二人は取っ組み合い、今まで秘めていた感情をぶつけ合う。
透は小刀を持った慊人を前に語る。永遠や不変を繰り返し口にするのは寂しくて怖くて仕方がないからだと。放たれる言葉ひとつひとつが胸に染み入り、慊人は森へと逃げ出してしまう。追い掛け、友達になってほしいと手を差し伸べる透。そっと心に寄り添うような眼差しに慊人の心が傾きかけたその時、透の足場が崩れだす。
透は話があると夾を呼び止める。ところが夾も聞きたいことがあると言い、とある質問をする。が、その反応に嫌な予感が的中したと感じてその場を去る。追い掛ける透に、今日子のことを知っていたと語る夾。藉真に引き取られて間もない頃、二人は出会った。度々会う内に今日子から自身のこと、そして透のことを聞いて…。
ふたをしていた記憶に苛まれる夾。一方、紫呉は楝の話し相手になっていた。慊人の父親である晶と楝は出会うべくして出会ったという。だが、楝は生まれたばかりの慊人に嫉妬し、晶が亡くなってからこれまで彼の亡霊に取りつかれている有り様。紫呉との会話で取り乱した楝は、挙句の果てに刃物を手にして慊人と対峙(たいじ)する。
藉真の家で療養する依鈴に、呪いはいずれ解けると紫呉は語る。その会話に、「いずれとは…いつですか」と割り込む透。次の春までに解けなければ夾は幽閉されてしまうのだ。しかし、そうなるのが猫つきの役目だと紫呉は冷たく言い放つ。そして、「君は、夾のことを…」と問うが、透は思わず逃げ出してしまう。
女子生徒が廊下ですれ違った生徒に黄色い声を上げる。その生徒とは、急に成長して大人っぽくなった紅葉だった。まだ子供らしい一面も残っているが、背が伸びてうれしいと話す表情からは今までのあどけなさは感じられない。一方、?春の一件以来、部屋に閉じこもっていた慊人はとある夢を見て慌てて紅葉の元へと向かう。
卒業式が近づくなか、由希は真知に関する不穏なうわさを耳にする。なんでも、実の弟を死なせようとして家を追い出されたのだという。真鍋が言うには、そのうわさはかなり真相に近いようだ。しかし、それでも由希は信じられずにいた。こうなったら直接本人から聞いてみようと真鍋が提案し、二人は真知の家へ向かう。
慊人が女性だということ、母親の楝と確執があること、紅野が呪いから解放されていること…卒業式の準備で騒々しいなか、透はその話を口にしていいものか悩んでしまう。一方、紫呉は満と食事に出掛けるも偶然、両親と鉢合わせる。どうやら同じ店で草摩本家の会食が行われるらしい。当然、そこには慊人の姿もあって…。
慊人は男性ではなく、女性だった。生まれた日から母親の草摩楝によって男性として育てられてきたのだ。その本意は不明だが、はっきりとしているのは慊人と楝が憎しみ合っていること。そして、紅野が慊人から離れられないという事実。悲しさがらせんのようにつながり、へたりこむ透。そんな透の前に現れたのは…。