takt op.Destinyのあらすじ一覧
【最終回】運命とは、なんと残酷なものか。だが、神々がどれほどの不幸をもたらそうと、私は運命に立ち向かう。その為に戦って、戦って、戦い続け―その果てに私は「答え」を得た。歓喜は、苦悩の先にこそあったのだ。さあ、開演の時は来た。今こそ運命の喉首を締めあげてやろう。 ≪ある男の手記より≫
ザーガンの口ずさむ音色と共に大樹のごとく成長し始めた黒夜隕鉄がが動きはじめ、ニューヨーク・シンフォニカを呑み込んでいく。ついに己が目的を叶えようと動き始めるザーガン。その異様な光景を目にするタクトと運命は、アンナとシャルロッテが未だシンフォニカの内部に取り残されていることを知る。
レニーは自らの過去を思い出し、かけがえのない人の面影を思い起こす。全ては為すべきことを為すために積み上げてきた今日だった。巨人と共に待ち合わせ場所に向かったレニーは、タクトと運命に全ての真実を告げようとする。だが、そこには思わぬ人物が待っていた。
目的の地・ニューヨークに辿り着いたタクトたち。アンナの姉であり、シンフォニカの技術開発部門に勤めるシャルロッテと再会する。シャルロッテは、不完全なムジカートである運命を検査し始める。だがその時、タクトの異変に気付くアンナ。タクトの右腕に刻まれた痣、それはまるでタクトの身体を蝕むように大きく広がっていた。
目覚め始めたD2。襲われたタクトの故郷と、コゼットの死。全てはシントラーが画策したことであった。疲弊した世界の為に下等な者を切り捨てようとするシントラー。コゼットの死の真相を知ったタクトは、怒りのままにシントラーに向かう。だが、『地獄』によって傷を負うタクト。血を流すタクトの姿を見た運命は、その心にこれまで感じたことのなかった感情が湧き上がり…。
旅の途中で破壊された町を目にするアンナと運命。次々と目覚め始めたD2によって町や人々襲われる状況は、4年前の「ザーガン宣言」以前の状態へと戻りつつあった。増大しつつあるD2の脅威の中、タクトは一人何かに没頭していた。白紙の五線譜を前に、タクトは必死に何かを生み出そうと虚空の鍵盤を叩く。
とある街へと立ち寄ったタクトたち。そこは若者たちがいなくなり、年老いた人々だけが住む町であった。アンナと運命は、ひょんなことから彼らに助けを求められる。一方、一人街をぶらつくタクトは、古びたバーから隠れ響く音色を耳にする。それは間違いなく「音楽」であった。
レニー、巨人と別れたタクト一向は、太陽照り付ける荒野を進んでいた。その中、D2との戦闘の余波で大陸横断鉄道を急停車させてしまう。鉄道から出てきたのは、白き甲冑のムジカートと、妖艶な笑みのムジカート。二人のムジカートを連れた男「シントラー」は、自らをニューヨーク・シンフォニカのトップコンダクターである「首席指揮官」だと名乗る。
タクトと運命は、レニーと巨人から「正しい戦い方」についてレクチャーを受けながら、ニューヨークを目指して旅をしていた。だが、相変わらず息の合わないタクトと運命。そんな時、偶然レニーの古い知り合いである「ジョナサン」と再会する。ジョナサンは、タクトらを自分たちが住む「ラスベガス」へと案内する。
ムジカート『運命』へとその身を変えたコゼット。運命は自分を『D2を倒す為の存在』と語る。運命から指揮棒を託されたタクトは、『コンダクター』として初めてその力を振るう。そんなタクト達の前に現れる二人の人物『レニー』と『巨人』。彼らは対D2戦略拠点『ニューヨーク・シンフォニカ』に所属する正式なコンダクターとムジカートだった。
全ての始まりは10年前だった。ボストンの街を襲うD2と、血で染まったコンサートホール――「ボストンの惨劇」と呼ばれた事件。その中で命を落とした名指揮者・朝雛ケンジこそ、タクトの実父であった。父を失った少年は、一人ピアノに没頭する。己の怒りを音色に込めるように。そんな彼を世話するのは、「運命」と同じ顔をした少女「コゼット」であった。