薔薇王の葬列のあらすじ一覧
反乱の意思を固めたバッキンガムは、イーリー司教、スタンリーの協力を得ようとする。一方、リッチモンドは反乱に加わるための条件をつけることを義理の父親・スタンリーに進言する。それはロンドン塔に幽閉中のエドワード五世とその弟を殺すこと。バッキンガムはその犯人は、リチャード三世でなくてはならないと考える。一方、ヨークに入ったリチャードは、バッキンガムを待ちわびていた。だが、戴冠式を済ませたリチャードのもとに現れたのは暗殺者ティレルだった。
夜、バッキンガムの部屋からリチャードが出てくる様子を目撃するアン。アンはケイツビーに「貴方は誰より彼を知っている。隠していることがあるなら教えて」と言う。アンは、リチャードの秘密を知るため、“悪魔の楽園”という宴の席で、リチャードが女装を、アンが男装をする提案をする。アンの思惑をよそに宴は盛り上がり、二人は民衆の中に紛れる。そこに現れたのは、悪魔の仮装をしたバッキンガムだった。
ヘイスティングスと王太后・エリザベスによる、リチャードを失脚させるための計画が実行された。エドワード四世とエリザベスの間に生まれたエドワード五世が、正統な王ではないということが明らかにされ、エドワード五世とその弟はロンドン塔に幽閉される。着々と王座へと迫るリチャード。だが、母・セシリーは「悪魔を王にしてはならない」と民衆を扇動する。詰めかけた民衆の前に立ったリチャードとバッキンガムは大芝居を打つ。
王座を手に入れるためリチャードとバッキンガムは多数派工作に乗り出す。ヘイスティングスの従者でありながら、リチャードを守ろうとしてきたケイツビーは苦しみ自らの忠誠は誰のためのものなのか。一方、ヘイスティングスと王太后・エリザベスはエドワード五世のための礼拝式を計画していた。礼拝式が行われればエリザベスの権力の強さが知らしめられる。リチャードは徐々に劣勢に追い込まれる。
エドワードが王となり、歓喜にわくヨーク。しかしリチャードは沈んでいた。「光はもう、二度と戻らない」。ヘンリーを捕らえた牢獄へと足を運ぶリチャード。そんなリチャードに兄・エドワードは、ヘンリーを殺せと命じる。「お前はいつも突然現れて、俺の傷口を、満たしては引き裂いた」。短刀を手にしたリチャードはヘンリーに自らの思いを語る。
約束の森で再び会おう。リチャードは、約束した相手が父の仇であるランカスターのヘンリー六世だった事を知る。ヘンリーへの感情とヨークへの背信に引き裂かれ自分を「殺せ」とつぶやくリチャードに、死にたいならその狂気のまま敵を殺し続けろ、とバッキンガムは迫る。自らに与えられた罰とリチャードは自覚する。ランカスターのマーガレット王妃は抗戦を続けていたが、戦況の不利を悟り、アンにエドワード王太子の命を託す事にする。
ウォリック伯爵に、エドワード王太子との結婚を命じられたアン。ふたりの間に愛はなかったが、船旅の中、互いの本音を話す事で友情が芽生える。一方、ウォリック伯爵はついに戦場でエドワードと対峙する。戦いは数で勝るウォリック伯爵が有利であったが、ランカスター派についていたジョージが、再びエドワード側についたことで勢力は五分五分となる。戦況が膠着する中、リチャードはバッキンガムを自らの代役とし、単身ランカスターの本陣へと攻め上る。
森の中、リチャードとヘンリーを夜の闇が包む。だが2人だけの時間は長くは続かない。迎えに来たケイツビーとともにリチャードは去る。「約束しよう。あの木の下で、また会おう」と声をかけるヘンリー。リチャードは交錯するさまざまな感情を抑え再会を約束すると、ジョージの元へと向かっていく。その頃、酔った頭で自分の人生はどこで道を違えてしまったのか自問していたジョージは、父・ヨーク公爵の亡霊を目の当たりする事になる。
エリザベスが女の子を出産し、エドワードと弟ジョージの対立は深まっていく。一方、ウォリック伯爵は、自身の次女イザベルとジョージの結婚を進め、さらに敵であったランカスター家へと接近。マーガレット王妃は彼の忠誠の証として、ウォリック伯爵の長女アンと、ランカスター家のエドワード王太子との結婚を求める。だがエドワード王太子は結婚前にもう1度リチャードと会いたいと願う。