薔薇王の葬列のあらすじ一覧
エドワードとエリザベスの結婚は、ヨーク家とウォリック伯爵との関係に大きな亀裂を生んだ。宴席でリチャードはバッキンガム公爵と出会う。「リチャード、考えたことはないのか?あんただって、王になれるんだぞ!」。その言葉に戸惑うリチャードだが、その胸中に父の「私の名を残せ。王の名だ」という言葉が響く。父・ヨーク公爵の肖像画を前にしたリチャードのもとに、ウォリック伯爵が現れる。
エドワードは、パーティーで接近してきた小貴族の未亡人エリザベスに心を奪われていた。狩りを隠れ蓑に逢瀬を重ねるエドワード。エドワードにつきあわされるリチャードの前に、以前出会った羊飼いの青年ヘンリーが現れる。互いの素性も知らない2人は降りしきる雨を別荘でしのぐ。「何だってかまわないさ。僕が好きなのは君自身なんだから」というヘンリーに、リチャードは無言で応える。
父・ヨーク公爵は殺された。ウォリック伯爵は、ヨーク家の長男エドワードに王になるよう促し、エドワードはそれに応える。ロンドン郊外で行われるヨーク家とランカスター家の決戦で、リチャードもそこで血を求め剣を振るっていた。「闇の中で。血の色しか見えない。だから埋め尽くすんだ…」。戦はヨーク家の勝利に終わり、キングメイカー・ウォリック伯爵は、エドワードの婚姻を計画していた。
リチャードは父・ヨーク公爵とともに戦場に立つことを望む。しかし、その願いは母セシリーの「お前の言葉は呪いとなり人を破滅させる」という言葉に阻まれる。塔へと幽閉させられたリチャードは、その塔にランカスター家の王ヘンリー六世も囚われていることを知り、彼を殺して父に王冠を捧げたいと強く願う。そのころヨーク公爵は、ランカスター家のマーガレット王妃率いる軍勢と激しい戦いの果てに虜囚となっていた。
母セシリーから疎まれ育ったヨーク家の三男・リチャードは、誰よりも父であるヨーク公爵リチャードを慕っていた。父はリチャ−ドに「私はこれからこの国に大嵐を呼び起こす。黄金の環を手に入れ、必ずや戻ってくるぞ」と告げる。それは白薔薇のヨーク家と赤薔薇のランカスター家が王座を巡って争う薔薇戦争の始まりだった。戦いの中、ランカスター勢に捕らえられたリチャードは、抜け出した森の中で羊飼いの青年と出会う。