火狩りの王のあらすじ一覧
【最終回】高熱を出した緋名子が焚三の病院に入院することに。その話を聞き、母・火華(ひばな)に真実を告げるよう詰め寄る綺羅は、薬を振りかけられ、意識を失う。その様子に凍りついていた煌四の頭上を飛び越え、何者かが火華に襲い掛かる。一方、灯子と明楽は、神族に願い文を届けるために神宮へと向かう。その途中、ひばりが現れ、姫神・手揺姫(たゆらひめ)や千年彗星“揺るる火”にまつわる世界の真実を伝え、彼女たちの行く手を阻む。
巨大な白竜に襲われた回収車が爆発し、火の粉が舞った。人体発火の危険からなんとか逃れられたのは、灯子と火穂、そして照三だけだった。安全な場所を求めて森の中をさまよっていた灯子たちは、“木々人”と呼ばれる、森と共に生きる人々と出会う。首都では、煌四が雷火(らいか)の不思議な反応の原因を突き止めるため、中央書庫を訪れていた。
病弱な妹・緋名子を守るため、油百七の申し出を受け入れることを決めた煌四は、油百七の娘・綺羅と燠火家の主治医・焚三(たきみ)に出会う。焚三から「責任を持って緋名子を治療する」という温かい言葉をかけられた煌四は、涙を流す。一方、回収車から逃げ出した火穂を追いかけた灯子は、決まりを破ったとして次の村で回収車を降りるよう、乗員頭の炸六(さくろく)に言われていた。そのことに納得のいかない紅緒は、照三に灯子を助けるよう詰め寄る。
首都へ向かう回収車の中。厄払いの花嫁として、故郷の村から夫となる男性が待つ村へと向かう紅緒(べにお)、ほたる、火穂(かほ)と出会った灯子。整備士兼操縦士の照三(しょうぞう)に仕事をもらった彼女は、迷惑をかけまいと懸命に働く。その頃、燠火家を訪ねた煌四は、油百七から家族の一員として家に迎えたいと誘いを受ける。戸惑う彼に油百七は、緋名子には医者を、煌四には家庭教師や中央書庫の閲覧権、そしてある物質を研究する機会を与える。
立ち入りを禁じられた森の中で、唯一安全な燃料となった炎魔(えんま)の体液を集める“火狩(ひかり)”の男に命懸けで救われた11歳の少女・灯子(とうこ)は、男の狩り犬・かなたと形見を返すため、首都へと旅立つ。一方、首都に生まれ育った15歳の元学生・煌四(こうし)は、工場毒によって母を失ったばかりだった。生まれつき病弱な妹・緋名子(ひなこ)とともに失踪中の父親を待つ彼の元に、首都でも有数の富豪として知られる燠火(おきび)家の当主・油百七(ゆおしち)からの手紙が届く。