NNNドキュメント’22の放送内容一覧
沖縄が日本に復帰して50年がたち、73歳になる当時の高校生が今思うことを紹介。返還の5年前、沖縄・前原高校で行われたクラス討論会の様子が放送された。それから55年、いまだ基地は残され米兵による事件や事故が後を絶たない。変わらない沖縄の現実を目の当たりにして、日本の在り方を問い掛ける。
子供の遊びに秘められた“社会性”をひもとく。山形・米沢の古民家にある保育施設の代表は、子供の遊びはそもそも「あぶない(A)、きたない(K)、ばかばかしい(B)」と表現し、「大人はあれこれ口を出さず、遊ぶ環境を整えるだけ」と語る。子供の遊びを通して“コミュニケーション”とは何かを問い掛ける。
昔話のような世界“限界集落”で生きる人々の営みを紹介する。徳島西部の山間地では、おじいさんは重い荷物を背負って石段を登り、おばあさんは腰を曲げて麦を刈り取る。自ら育てたジャガイモや山菜など、食事はほとんど自給自足。昔と変わらない傾斜地の暮らしから現代社会が抱える問題を考える。
命を頂くことと向き合う畜産農家の14年間の記録を紹介。中国山地の山あいで先祖からの牧場を営む男性は、餌を輸入に頼る農家が多い中、できる限り国産にこだわっている。「喜ばれる命のつなぎ方」を信条に、獣医を目指す娘に食肉処理を見せたり、帝王切開で子牛を取り上げたりと、命と向き合う姿を追う。
北方領土返還運動を先導してきた男性が北方領土問題の行く末を伝える。色丹島出身の得能宏さんは、長年返還運動の先頭に立つ傍ら、島に住むロシア人と友好的な交流を続けてきた。だが2022年2月、ロシアがウクライナに軍事侵攻し、故郷の返還はおろかロシア人との交流も絶たれようとしているという。
ロシアのウクライナ軍事侵攻により、避難生活を送るウクライナの子供たちを取材。激戦地・マリウポリでは空爆で多くの幼い命が奪われた。命は奪われずとも、家族を失い、故郷を追われ、絶望の淵にいる子供たちは後を絶たない。子供たちの姿を通して、弱者が最大の犠牲となる戦争の理不尽さを伝える。
三重・松阪で医師と猟師という二足のわらじを履く男性に密着。男性は、「命をあやめ」獣害対策を担う一方、本業は患者の「命を救う」医師である。相反する命と向き合う中で、男性は世の中が「死」に対して無関心だと気付く。死がタブー視される中、狩猟する医師が「生き方」について問いを投げ掛ける。
「神戸連続児童殺傷事件」で犠牲となった被害者遺族の25年の歩みを通して、「償い」「生きる力」について考える。1997年、当時14歳の加害者“少年A”は、10歳の女児と11歳の男児の尊い命を奪った。事件後、娘を失った父親はカメラの取材は断ってきたが、今回“ある思い”を胸に社会に発信することを決めた。
引きこもり問題に向き合う押川剛氏の活動を紹介。中高年の引きこもりを支える年老いた親たちは、対応が困難なことから孤独を余儀なくされる。押川氏は、そんな人々を医療につなげる「精神障害者移送サービス」を立ち上げた。これにより本人とその家族を救っている。彼の活動を通じて家族の今を伝える。
お好み焼き店とご近所さんの17年間の物語を紹介する。愛媛・今治でお好み焼き店を営む、明るい女性店主は「コロナよりもみんなの心が死んでしまうことが心配」とコロナ禍の今も店に立つ。日々、店にはご近所さんが集い、笑い、悩みを語り合う。コロナ禍だからこそ“普通の幸せ”について考える。
広島・呉に家族で暮らす14歳の少女に密着。少女は小学4年生から今に至るまで不登校となっている。母親はそんなわが子のためにフリースクールを立ち上げ、新たな居場所をつくった。2020年度、小中学校の不登校は全国で19万人を超え過去最多を記録。学校に居場所を見いだせない子供たちの思いに迫る。
「知的障害」を患う20歳の女性に密着。IQ70未満とされる知的障害者の多くは特別支援学校を卒業後、作業所などに就職する。だが、彼女はそんな当たり前にとらわれず専門学校を受験することを決める。それには、同じく知的障害がありながらも、プロのドラマーを目指す憧れの男性の存在があった。
福島第一原発の事故後、無人となった町の防犯パトロールなどを続けてきた「じじい部隊」の活動を紹介する。原発が自分たちの暮らしを支えてきたこと、そして事故で故郷を奪われたことに複雑な思いを抱えている。原発と共に生きてきた彼らから見える、人々にとって“大切なこと”とは何かに迫る。