シャドウバースFのあらすじ
【最終回】ライトとミカドは、シャドバカレッジ内のスタジアムにやってくる。誰もいないこの場所でミカドが語り出す。それは、「人生をつまらないものだと思い込んでいた自分をライトが救ってくれた」ということ、だが、「その優しさこそが、ライトが世界を救ったことを“なかったこと”にした」ということだった。ウルフラムとのバトルのあと、ライトたちはアークルーラーから二つの選択肢を突きつけられていた。それは、ライトがこの日常を守るかどうかを問うものだった。ライトはその選択を後悔していないと断言し、今度はライトが「セブンスフレイムに入らないか」と問い掛ける。そして二人は笑顔を見せ合い、合言葉を重ね合う。
“セブンシャドウズ”が世界を救い、人類は滅亡の危機を乗り越え、再び平穏を取り戻す。この日は、シャドウバース全国大会決勝戦が行われる日。シャドバに魅せられた者たちは、その願いを、その未来を胸に描き、それぞれの人生を踏みしめていた。ミモリと“夢”をかなえたいアリスに、自身の未来を見定めたミモリ。決勝戦まで勝ち上がったセイヤと、苦難を乗り越えてここまでやってきたシロウ。二人の戦いを見つめるハルマは、仲間と共に新生ファーストリーパーとして歩み出そうとしていた。そして、かつてセブンスフレイムのメンバーが命を賭して戦った強敵もまた、新たな道を歩んでいた。
“真実の証”によって新たな能力を得たデジフレたちが、レジェンドフォロワーとなってライトに力を貸す。メイティをプレイしたライトの隣に立ったのは、シオンだった。かつてライトに救われた彼女は、ぶっきらぼうに感謝を述べ、共にウルフラムと相対する。そして自らの変化と成長、その可能性をウルフラムにたたきつける。それでもウルフラムは、未来を閉ざすことを諦めない。今度はレンがその“大義”を否定し、さらにミカドがライトの隣に並び立つ。自らの思い上がりと失敗、その反省をかみしめるミカドは、同じ過ちを犯そうとするウルフラムが受け入れられない。ライトは仲間と共に、ウルフラムが抱えてきた“本当の願い”に切り込んでいく。
ウルフラムはライトの紡ぐ言葉は無意味で無価値、子供の戯れ言だと切り捨てる。その威圧感がライトを襲うが、ライトは決してひるむことはなかった。ウルフラムは、ライトが世界を救う存在になるべきだったと語る。資格を持ちながらも、罪を裁く力と大義を持つ意志がなかったから、世界は滅ぼされるのだ、と。しかし、「何かをすべき」ではなく、「何かをしたい」という思いで生きてきたライトとは考え方が違っていた。ライトは、“自分らしさ”をそのカードに込めて、己のシャドバを貫こうとする。ウルフラムもまた、己の正しさを信じていた。ぶつかり合う言葉と言葉、攻撃の応酬の中で、ライトはウルフラムの“核心”に迫る。
「ライトを一人で送り出して本当によかったのか」と思い悩むルシアに、ヒイロはライトのことが信じられなくても、ライトを信じる自分を信じてほしいと笑顔を見せる。カズキたちもヒイロの元へと集まり、ライトは世界を救えるのかと、それぞれの信頼と不安を吐き出していく。それは世界中の人々も同様だった。不信感を抱く者、信じ続ける者。だが、ヒイロにはある確信があるようだった。一方、ライトとウルフラムのバトルは、先攻6ターン目を迎えていた。何度も見せつけられてきた苦難と理不尽への怒りを吐き出しながら、ウルフラムは強烈な攻撃を繰り出してくる。それでも、ライトはウルフラムを理解しようと言葉を紡いでいく。