ノケモノたちの夜のあらすじ一覧
【最終回】陥落した騎士団本部には、ルーサーと灰のようになって佇むダンタリオンがいた。そこへウィステリアたちがやってきて互いに“限定解臨”をし、力をぶつけ合うマルバスとダンタリオンの二人。ルーサーも「俺は俺の敵を殺ることに専念できる」と、ウィステリアへ襲い掛かる。なかなか決着がつかない中、ダンタリオンはさらに“解臨”をする。声を上げ、真の姿をあらわにすると、そこには化け物のように巨大化し、変わり果てたダンタリオンの姿があった。
悪魔化したスノウはシトリの契約者でもあった。シトリが“限定解臨”した途端、ウィステリアは意識を失い、再び目を覚ました時、ウィステリアはシトリが作り出した幻の世界にいた。ここはすべてがウィステリアを敵視する世界。脱出方法はマルバスとスノウの好きな方をウィステリアが選ぶだけなのだが、選ばれなかった方は“現実世界での死”が待っていると告げられる。幻の世界の中でウィステリアは脱出へ向けて動き出す。
剣十字騎士団本部に侵入するルーサー、ダンタリオン、悪魔化したタケナミの3人。外には空を覆い尽くすほどの悪魔たちの姿があった。ルーサーらを相手にする副団長のイベルタ。3対1ではらちが明かない。そこへイベルタとも契約したアスタロトが助けに現れ、激しい戦いが始まる。その頃、ウィステリアとマルバスは、団長と馬車で剣十字騎士団本部へ向かっていた。道中、ウィステリアは悪い予感を感じ、自分の体を強く抱き締める。
シトリたちによって複数の上級悪魔をひょう依させられ、悪魔と化したタケナミに対抗するため、限定解臨を行ったマルバス。それはウィステリアの体に多大な負担をかける。苦しそうなウィステリアを抱え、不愉快な現状に怒りを爆発させたマルバスは限定解臨を追加開放し、魔獣形態へと姿を変え、状況を一変させる。その頃、ロンドン市内のアパートの一室で、ルーサーはダンタリオンとの契約で取り戻した昔の自分の記憶を慕っていた。
首輪を握り壊したことでナベリウスは真の姿を晒す。理性もなく、自我もなく、ただ魔力が尽きるまで、無差別に暴れ、惨殺する。荒れ狂うナベリウスを唯一止められる方法を実行するためには、マルバスもナベリウスと同様に力を解放し、真の姿になる必要があった。だが、ただ力を解放するだけではマルバスも暴走してしまう。ウィステリアに力を制御してもらい、力の一部だけを解放する“限定解臨”を試すことにするが、失敗すれば先はない。
工業都市ウォリントンの路地裏で、最下級の悪魔モリーから、すりに遭いそうになるウィステリア。翌朝、ウィステリアたちの元へモリーと、その契約者のハリエットがやって来る。悪魔契約者同士の親交を深めようと誘いに来たのだ。だが、人間形態の多用で消耗の反動が一気にきたマルバスは動くことができず、三人で街へ。夕暮れの川辺でウィステリアたちが話していると、目の前に巨大な川の悪魔の姿があった。
悪魔が見える目を対価とし、マルバスと一緒に生きていく契約をしたウィステリア。マルバスが昔、対価として受け取った家で暮らし始めた二人だが、目の見えないウィステリアには家事全般は難しかった。さらに、人間が生きていくためには食事などが必要であることを改めて知ったマルバスは街へ赴く。ついでに寄った高級ブティックで、ウィステリアは伯爵ブラックベル家のダイアナと出会う。同世代の二人は意気投合し、一緒に買い物を始める。
19世紀末、ロンドン市内で物乞いをする少女・ウィステリア。教会の屋根裏部屋で暮らす彼女の唯一の楽しみは、午前0時過ぎに屋根裏部屋の一番奥の窓を3回たたけば、大悪魔のマルバスがやって来ることだ。彼との出会いは1カ月前、物乞いをするウィステリアの近くをマルバスが通りかかったとき、見えないはずの彼の姿が見えてしまったことだった。そんなある日、お世話になっている神父からウィステリアの買い手が決まったと告げられる。