文豪ストレイドッグス(第4シーズン)のあらすじ一覧
【最終回】明らかになる、天空カジノの真の目的。シグマは、宿泊客を扇動して猟犬を襲わせる。そこには、いかなる手段を講じても与えられた場所を守ろうとする彼の執念があった。だがテル子にも、決してテロリストには屈しまいという覚悟がある。一方、現実改変を引き起こした“白紙の本”の頁のありかを知るシグマを捕獲し、テロを防ぐことで猟犬を味方につけるという太宰からの指令を受けていた敦であったが、両者の間に介入できず焦りが募る。そんな中、ついにシグマはテル子を道連れとする最後の手段に出る。
監禁室へと押し入った敦と鏡花を邪険にする虫太郎であったが、鏡花が乱歩から言われていた“ある言葉”を口にすると一変し、外へ出る。だがそれも、警備員に敦たちを捕まえさせようという魂胆からだった。しかし、特務課の機動隊員たちが駆けつけ、虫太郎は震え上がる。なぜなら、その指揮を執る安吾は、フョードルと取引する前に捕われていた犯罪組織“七號機関”のおさだったからだ。
フランシスは敵側についていた。政府機動隊に包囲され、ポートマフィアの秘密通路へ逃げ込んだ探偵社。追撃者の中に猟犬が一人いることを察した与謝野は、谷崎と賢治にバラバラに逃げることを提案する。誰が生き残っても、探偵社再建に命を懸けることを約束する。一人になった与謝野に迫る、雨がっぱの男。そこを救ったのは、森から「自分の身に変えても探偵社を守れ」と命じられていた黒蜥蜴(くろトカゲ)の3人だった。
ポートマフィアが探偵社を救助する対価が“社員一人の移籍”であると聞き、森が自分を目的に提示したことを汲んだ与謝野は憤る。フランシスは、昏睡(こんすい)状態のマーガレットを治癒することを条件に“神の目(アイズオブゴッド)”の使用を許可するという。だが、彼は勝算のある方にくみする男だ。わなの可能性もある中、与謝野は一人で取引場所へ向かった。彼女がポートマフィアを厭う理由。その因縁の始まりは、大戦末期の戦場で“天使”と呼ばれた11歳の少女が見た地獄にあった。
社長は逮捕され、逃亡中の国木田が自爆により生死不明。太宰もまた、ポートマフィア時代の罪が明るみとなり、収監されていた。これがフョードルの描くシナリオならば、敦と鏡花のたった2人で立ち向かえるわけもない。絶望の中、それでも敦は顔を上げた。探偵社の無実を証明する鍵は、この顛末を警告していた虫太郎だ。彼を探し出すため、敦と鏡花は“神の目(アイズオブゴッド)”を持つフランシスのもとへ向かう。
斗南司法次官をおさとする秘密会議を襲撃した犯罪組織“天人五衰”。だが、ニコライの策略によって、国木田たちがそのテロリストであるように仕立てあげられてしまう。そして、別のルートから事件にあたっていた乱歩もまた種田長官襲撃犯として追われることに。これは、ただの異能力による現実改変ではない。奪われた“白紙の本”の“頁”によって、自分たちの記憶までも書き換えられているのだ。動揺する探偵社に、福地桜痴率いる軍警最強の特殊部隊“猟犬”が襲いかかる。
凶悪犯罪者プシュキンとフョードルを捕らえたことで、武装探偵社は“祓魔梓弓章を”与えられることとなった。一民間企業としては類を見ない栄誉である。そこへ、政府より緊急要請が入る。同一犯による4件の連続殺害事件。“天人五衰”という猟奇的な殺害方法に見出されたある共通点から、起こるであろう、あと1件を未然に阻止すべく探偵社は立ち上がる。
完全犯罪に酔いしれる小栗虫太郎。だがそこへ、あきらめて帰ろうとした乱歩がタクシー乗り場を尋ねてくるという珍事が起こる。さらには、フョードルの寄越した送迎車にまで乗り込んで来る。隣に座る人物が誰かも知らず、今の自分が抱えるいくつかの謎における推理を展開していく乱歩。やがて、探している”隠滅屋”と、ポオを始めとするミステリー愛好家たちを騒がせている”推理作家殺し”の犯人が同一人物であると言い出す。
フョードルの仕掛けたわなにより、少女爆殺の罪に問われる国木田。それを見破れなかった乱歩もまた悔恨をつのらせ、冤罪(えんざい)を晴らすことを誓う。そして、プシュキンから得た証言と写真を手がかりに、証拠隠滅の専門家である”隠滅屋”があらわれるという展望台へ向かうのだった。とある取り引きのため、たまたま同じ場所に居合わせたポオを無理やり引き入れ、身を潜ませる2人。だが、待ちくたびれた彼らが目にしたのは、写真の男が地上へと転落していく瞬間だった。
“天使”による殺人かと思われた演劇場の事件も解決し、あらためて乱歩の洞察力をたたえる福沢。だが、乱歩は自分が“異能力者”だと言われたことを真に受け、すっかり調子づいていた。そして、事情調査に向かうべく一人で巡査の車に乗り込む。届いた凶報に、福沢は思い出す。乱歩が、もっと大きな事件を暴き出すつもりだと話していたことを。誘拐されてしまう乱歩。福沢は、犯罪組織の情報を得るため、とある人物を尋ねる。
乱歩とともに、演劇場の警護にあたる福沢。自分の前職を見抜いた乱歩の類まれなる推理力を認めるとともに、思ったことをはばかり無く口にしてしまう幼さに業を煮やした福沢は、彼の“異能力”が自在にコントロールできる道具だと嘘(うそ)をつき、ありふれた眼鏡を与える。「僕にはもう見えているんだよ。敵の狙いも計画も全部」。だが、事件は第二幕で起きる。何の凶器もない舞台上で、主役の胸から鮮血が吹き出す。
警にも望まれる剣客ながら、誰とも組まず一人で要人護衛の任にあたる孤高の無頼(ぶらい)人、福沢諭吉。この日、依頼人の会社社長が暗殺され、彼は自己嫌悪に陥っていた。現場では、すでに犯人が捕らえられていたが、福沢はその状況に違和感を覚える。そこに、事務見習いの面接を受ける予定だったという学生帽の少年がやって来る。少年の名は、江戸川乱歩。「両親を亡くし、行くあてもない」と身上を聞かされた福沢は、仕方なく彼を同伴し、とある演劇場へ向かう。