もののがたりのあらすじ一覧
“煽(あおぎ)”から聞いた“憑坐(よりまし)”という言葉の意味を確かめようと、ぼたんに「付き合ってほしい」と告げる兵馬。びっくりしたぼたんは逃げるように走り去ってしまう。“羽織”は、ぼたんを守るため秘密を知りたがる兵馬に、ぼたんを尾行するデートを持ち掛ける。そこで兵馬が目の当たりにしたのは“匣”の結界がない外の世界でぼたんに向けられる、おびただしい数の付喪神からの視線。ぼたんの異常な日常に触れた兵馬は「長月ぼたんを用いるな」という不文律と共に、彼女の秘密を知ることになる。
長月家の付喪神“薙”、“鏡”、“硯”、“結”、“匣(くしげ)”、“羽織(はおり)”、“婚礼調度”全員の支持を得られた兵馬。改めてぼたんにこれまでの非礼をわび、居候の権利を無事獲得する。和やかな雰囲気で握手を交わし和解する中、“婚礼調度”たちに呼び出される二人。中央に“寿”の酒樽(さかだる)、「旦那様候ご来臨」と書かれた幕が掛かる居間に通され、困惑する兵馬。居候の交渉の際、“婚礼調度”の本意、ぼたんの嫁入りに関する密契(みっけい)を、造兵と“婚礼調度”が交わしたことが告げられる。
長月家の付喪神“婚礼調度”との戦闘のさなか、家主の長月ぼたんが帰宅。兵馬と衝突する“婚礼調度”を叱るぼたん。人と付喪神の距離の近さを目の当たりにした兵馬は、ぼたんが“婚礼調度”にたぶらかされているのではないかと誤解してしまう。ぼたんを案ずる思いから、目を覚ますように諭す兵馬。しかし、家族同然の存在として“婚礼調度”に守られて育ったぼたんは、当然気を悪くしてしまう。居候の条件に、期限内での“婚礼調度”への歩み寄りを言い渡され、初日から塞眼の資格を剥奪される危機にひんしてしまう。
付喪神(つくもがみ)を常世(とこよ)へ送りかえすなりわい、“塞眼(さえのめ)”。塞眼御三家の一つ・岐(くなと)家の次期当主である兵馬(ひょうま)は、付喪神を手当たり次第に封じてしまう問題児だった。それを見かねた現当主であり祖父の造兵(ぞうへい)は兵馬に対し、荒療治として付喪神と共生する長月家への居候を命じる。「1年間の居候を果たさなければ塞眼の資格を剥奪する」と告げられた兵馬はしぶしぶ長月家のある京都へ向かう。付喪神に兄姉を奪われた過去から付喪神を強く恨む兵馬は、長月家の付喪神“婚礼調度(こんれいちょうど)”と初日から衝突する。


























