NNNドキュメント’23の放送内容一覧
長い歴史がある短歌がブームになっており、SNSには「#短歌」が飛び交い、様々な情景や心の内が31音で表現されている。その背景の一つに“コロナ禍”があり、人と会えなくなり自分の声を聞いてほしいとSNSで広がった。みずみずしい感性で生まれた短歌を通して、コロナ禍が明けた“令和のいま”に迫る。
第2次世界大戦後、朝鮮半島に残った日本人女性たちを「残留日本人妻」と呼ぶ。想像を絶する貧困や差別の中で生活する彼女たちを支援しようとした日本人がいた。戦後の朝鮮半島で何が起こっていたのか。生存する残留日本人妻はほとんどいなくなり人々の記憶から薄れつつある今、残留日本人妻の実態に迫る。
小児集中治療室「PICU」の医師は、日本にわずか230人しかいない。そのトップランナーである兵庫の男性医師は、20年前に救えなかった幼い命がきっかけで異動したが、そこは子供が一番亡くなる場所で、さらに救えない命に直面する。子供が当たり前に助かる未来を目指し、医師が小さな命に向き合う姿を追う。
広島と長崎、二つの原爆を落とした唯一のアメリカ人の孫と、広島と長崎で二度被爆した女性の孫二人が原爆投下から78年が経った今、手を取り合った。キノコ雲の上と下で何があったのか。戦争がもたらすものは何なのかに迫る。生き残った子孫が国境を越えて反戦、平和を訴える姿を追い、紡ぎだされた言葉を伝える。
徳島の人気のない場所で、秋田犬と柴犬の遺棄が相次いでいる。なぜ遺棄が相次ぎ、悲しい現実の背景に何があるのか。そこには深いペットビジネスの深い闇があった。家族同然として迎えられるペットがいる一方で、繰り返される動物遺棄の現実に迫り、言葉のない動物たちの叫びなど、私たちとペットの在り方を考える。
古くから続く部落差別は今も消えず、形を変えてインターネット上にあふれ、部落を特定する動画や全国各地の部落の地名が記されたリスト、部落出身者の個人情報などの掲載・出版を巡って裁判で争われている。今も消えない部落差別と闘い続ける当事者たちを取材し、誰もが持つといわれる差別意識と向き合う。
かつてアイヌ民族にとって狩りは重要な収入源だったが、明治時代に北海道旧土人保護法などを背景に伝統的な狩猟は禁止され、アイヌは生活の基盤と文化を失い、差別と貧困に追い込まれた。狩猟民族の伝統を取り戻したいとする現在のアイヌを通じて、生きざまと葛藤、先住民族の権利(=先住権)の在り方を考える。
1945年、悲惨な地上戦を経験した沖縄。長らく被爆者はいないとされてきたが、60年前、一人の女性が声を上げ78人の被爆者の存在が明らかに。また、返還前の冷戦下、沖縄には約1300発の核ミサイルが配備されていた。現在も「基地の島」として国防の最前線に立たされ続けている沖縄の、被爆者と核兵器の歴史を見つめる。
大分で外国語指導助手として働くアメリカ出身のトレバー・スレビンさんは、子供たちに英語を教える傍ら、自分が生まれる前に亡くなった元アメリカ軍兵士の祖父について調べている。祖父の写真を通じて、トレバーさんに芽生えた平和への思いに迫る他、アメリカ人として「核」や「戦争」という問題に向き合う姿を追う。
現在、全国で600万人以上の認知症患者がいるといわれている。薬の開発が進み2023年6月には法律もできたが、若年性認知症の患者の生活や人生を支える制度は十分ではない。「認知症になっても人生は終わりではない」「記憶は消えるわけではない」という二つの視点を通して、認知症との共生の在り方について伝える。
佐賀・唐津にある国の特別名勝・虹の松原。400年の歴史があり、地域の宝として地元の人や観光客に愛されている。しかし、2019年、虹の松原を抜ける県道で倒木による死亡事故が発生。実はこの松は、事故の6年半前に「将来重大な事故が発生する恐れがある」とされていたものだった。事故の真相と行政の対応に迫る。
悪化の一途をたどる国際情勢に対応しようと、自衛隊に求められる任務が多様化している現在。その一方で、自衛隊は慢性的な隊員不足に陥っている。アフリカ・ジブチ共和国にある自衛隊唯一の海外拠点の様子や北海道で戦車を操縦する女性隊員に密着し、人手不足の現場で何が起きているのか、自衛隊が置かれている現状に迫る。
太平洋戦争から78年。被爆地の広島から離れた場所で、原爆の記憶に苦しむ人々の思いに迫る。家族4人を亡くし、遺体を自らの手で焼いた当時13歳の少年は、91歳になった今でも悲しみが消えず、広島の地に足を踏み入れることができないままだという。男性は、「悲しい思いをするのは私らだけで十分ですわ…」と語る。
「元兵士の父は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)だったのではないか」という思いを胸に、亡き父への後悔の念を抱く男性に迫る。男性の父親は、戦争で負った心の傷によって無口で無気力な“別人”となってしまった。元兵士の遺族が抱える苦しみと、戦地を生き抜いた兵士が体験した戦場の恐ろしさを浮き彫りにする。
高知西部を流れる四万十川の現状を伝える。今も手つかずの自然が多く残り、“日本最後の清流”と呼ばれる一方、四万十川では、スジアオノリの水揚げ量の激減やテナガエビの減少などの大きな異変が起きている。流域唯一の専業川漁師の男性は、「このままでは本当に四万十川は駄目になる」と川の異変を訴える。

























