逃げ上手の若君のあらすじ一覧
逃若党は諏訪領の北端・中山庄へと向かう。そこで時行たちが出会ったのは、吹雪という名の一人の少年だった。吹雪は小笠原勢により大人たちを殺され、その後も襲われ続けている村を遺された子供たちと共に守り続けていた。逃若党は、兵法にも通じる吹雪と協力し、敵を迎え討つ作戦に出る。そして時行は、吹雪からある剣技を授かることに。対して村を狙うのは、“悪党”として恐れられた男・瘴奸が率いる血に飢えた悪鬼どもだった。新たな若き頭脳を味方に、時行はこの窮地を切り抜けるため奮闘する。
時は元弘三(1333)年鎌倉。世を治める鎌倉幕府執権の跡継ぎ・北条時行は、武士の子ながらも争いを好まぬ、心優しき少年だった。戦いと死こそが武士の名誉と言われる時代にありながら、時行は武芸の稽古を嫌い、臆病者とささやかれ、逃げることと隠れることばかりが得意だった。ある日、いつものように稽古から逃げ出した時行の前に、怪しき神官・諏訪頼重が現れる。未来を見通す力を持つという頼重は、時行が「天を揺るがす英雄になる」と告げる。嵐のような運命にほんろうされる少年の、天下を懸けた鬼ごっこが始まる。