文豪ストレイドッグス(第5シーズン)のあらすじ一覧
【最終回】敦の声は芥川に届かず、羅生門がその手足を引きちぎる。ムルソーの太宰もまた、中也の銃に額を撃ち抜かれていた。福地は国連委員長との取引をほごにし、“大指令”で人類軍に侵攻を命じる。核ミサイルが発射シーケンスへ移行し、無数の軍用ヘリが空を埋め尽くすのを人々は不安げに見上げる。一方、文は福地の使役から解放すべく、ブラムに突き刺さった聖十字剣を必死に抜こうとしていた。
テル子から福地が懐く真の目的を聞き、敦は打ちのめされる。おぼつかない足取りで福沢の元へ向かっていた時、空にほど近い空港管制塔の屋根の上に文とブラムがいることに気付く。だが、そこに吸血種化した芥川が襲い掛かる。一方、フョードルの元にも吸血種化した中也が付き従っていた。一度は太宰が勝利を収めたかと思われたゲームは、中也によって逆転される。
次々と探偵社員たちが人質になっていく。だが、それによって福沢は福地の目的が“国家の消滅”ではないことを確信する。若き日「共に剣を窮めよう」と誓った竹馬の友が戦争によって道を違え、ついに互いの信念を持ってぶつかり合う。やがて福地は、正体を偽ることもなく国連委員長に向け、5分以内に“大指令(ワンオーダー)”の封印を解除しなければ吸血種による世界同時攻撃を開始すると通達する。
福地より先にブラムを確保すべく空港を奔走していた敦は、テル子と遭遇。“猟犬”を味方にするわずかな可能性に賭け「乱歩に会わせろ」というテル子の要望に応じるが、テル子の言葉にはどこか違和感があった。鉄腸と交戦していた賢治は、通信機越しに聞こえた声から、探偵社の誰かが拷問を受けようとしていることを知る。一方“道具”として選ばれたシグマは、まともに脱獄しようとせず「勝負のうちにフョードルを殺す」と豪語する太宰にあきれていた。
ニコライが、シグマを連れてムルソーに現れる。太宰とフョードルは30分で死に至る毒を打ち、先に脱獄した方が解毒剤を得るという決闘を受け入れる。ニコライは、地上の出口までいかに世界最高峰の警備機構が待ち受けるかということを喜々として説明し、用意した道具のうち1つを選んで持っていくように促す。一方、ブラムが盗まれたことに気付いた福地は、空港中の吸血種に命じて犯人の捜索を行っていた。
空港に来る前から福地の正体に気づいていた条野も、立原に続き、その時空を超える恐ろしい異能力の前に倒れる。だが、条野は自分が敗れることも見越し、決戦の場に文を誘導していた。そして、文は自分がいることに気づいた福地から逃れようとする。探偵社は、空港で爆発を起こすことでテロリストが待ち受けていることをアピールし、欧州護衛官を帰還させることに成功するが、フョードルの計略は乱歩の頭脳を上回る。
部下を命令通りに動かせる精神支配の異能兵器“大指令(ワンオーダー)”。そんな大戦で生まれた忌まわしき遺物が、地球上の軍隊全てを傘下に置く“人類軍”を指揮する福地の元に届けられるという。世界征服に王手を掛けた“天人五衰”のもくろみを阻止すべく、探偵社社員たちは空港へ向かう。だが、その空港にたまたま居合わせていた不運な少女・文は、猟犬たちが探偵社の話をしているのを耳にし、彼らとゆかりのある存在であることを条野に感づかれてしまう。
ひつぎに眠る“天人五衰”最後の一人、ブラムの牙にかみつかれた者は“眷属”として支配されてしまう。福地は、自分をおとりに敦を逃した芥川を吸血種とし、ポートマフィアを混乱に陥れる。「武装探偵社が仕掛けたに違いない」と断言する鉄腸を横目に、立原は真犯人を捜査する許可を求めるが、福地は取り合わない。自ら捜査することを諦めた立原は「探偵社擁護派に渡して欲しい」と、天空カジノで入手した証拠の情報素子を福地に託す。
福地が“天人五衰”のボス・神威だったことが判明する。強大な敵を前に、誰一人味方のいない“孤独”に震える敦の元へ、芥川が駆けつける。芥川は自分の代わりに“目”となって欲しいという太宰の命を受け、密かに敦を尾行していた。2人は福地を倒すため、異能力の混合技を放つための奇襲作戦を講じる。やがて福地は、亜空間より神刀“雨御前”を取り出し、構える。
“頁”は“天人五衰”のボス・神威が持ち歩いている。乱歩の活躍によって救出された探偵社員たちに、福沢は「この事件をぶち壊せ」と命じる。乱歩は指名手配中の身でありながら堂々と会見の場に姿を現し、真実を訴えて警察関係者の一部を動かすことに成功する。一方、国連では幾度となく世界の危機を救ってきた“サムライ”福地桜痴が、汎人類守護機関“人類軍”の旗を揚げる演説を行い、万雷の拍手に包まれていた。
ニューヨークの市街地で、天空カジノのテロ摘発で発見されたものと同一の硬貨爆弾が爆発。いつどこで同様の事件が起きるか分からない。そんな悲惨なニュースを、病室の寝台から眺めることしかできない国木田に、条野は非情な取り引きを持ち掛ける。そんな中、敦は“天人五衰”から“白紙の本”の“頁”を奪い返す唯一の手掛かりであったシグマを失った絶望から立ち上がろうとするも、原因不明のこん睡に陥ってしまう。