お嬢と番犬くん

【最終回】一咲は、未だに啓弥を避け続けたままでいた。一咲は付き合って幸せいっぱいだった日々が自分の手からこぼれ落ちていくのを感じて切なくなる。このまま、好きだと言ったこともうやむやになってしまうのだろうか。不安でいっぱいな一咲に、啓弥は一咲への思いを込めて彫った背中の入れ墨を見せてくれる。そして啓弥は「これでも自分の覚悟が足りないと思うのなら、これで自分を斬ってくれ」と日本刀を手渡してくる。

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啓弥と両思いだと確認し合った一咲は舞い上がっていたが、はっきり恋人になったと確認していないため、ふわふわと不安な気持ちにさいなまれていた。いっそ、本人に直接確認しよう、と思い立ったものの、モテる啓弥は今日も女子に呼び出され告白されている。そんな中、一咲との関係は周知のため、振られることは分かっているという女子から「思い出のためにキスしてほしい」と迫られた啓弥が、あっさりと唇を許しているのを一咲は見てしまう。

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啓弥が自分への気持ちをずっと押さえてきたことに今さらになって気付いた一咲はすっかりパニックに。いつの間にか、啓弥がヤクザであることなど関係なく、付き合いたいと思ってしまっている自分にも戸惑う。覚悟を決めて、一緒にいると決めてもいいのか誰かに相談したい一咲だったが、啓弥がヤクザであるということは秘密にしていた。そんな時にふと頭に浮かんだのは、先日文化祭で鉢合わせた、啓弥と何かあった風の女性・香織の顔だった。

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ロミオとジュリエットの舞台を、なんとか成功させた一咲と啓弥は、すっかり皆にとっての公認カップルのようになっていた。一方、田貫は、文化祭を無事に終え、学校を去ることになった。一咲は、田貫から「俺がいなくなっても、一咲ちゃんは危ない目に遭うね。かわいそうにね」と言われるが、一咲の心は前よりもずっと落ち着いていた。大変なことは多いかもしれないが、それでも自分は啓弥といようと覚悟を決める。

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やんちゃすぎるが故に、両親からヤクザである祖父に預けられていた田貫は、必死になって一咲を守ろうとしている啓弥が敵意むき出しで自分をにらみつける姿にぞくぞくとしていた。「もっと啓弥のあんな顔が見たい」と一咲を誘拐し、啓弥をわざと怒らせようとする田貫の思惑に気づき、一咲は田貫を退ける。一方、ロミオ役の田貫に逃げられてクラスメートは大混乱になるが、台本を丸暗記していた啓弥が代役を務めることになる。

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放課後の教室で啓弥にキスされそうになっていたところを見られ、慌てる一咲は、田貫に啓弥のことが好きなのだろうと言い当てられる。田貫は面白がってさらに一咲にちょっかいをかけるが、啓弥は面白くない。だが、文化祭を成功させたいと言っていた一咲を尊重し、邪魔をしないと約束した啓弥は、怒りをこらえる。そんな啓弥の様子を見た田貫は、二人が両思いなのだと確信し、二人の仲をもっと引っかき回してやろうと画策する。

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祖父から懇意にしているヤクザの孫・田貫を紹介される一咲だが、明らかに女たらしでずうずうしい彼に、一咲も啓弥も警戒ムードになる。正直これ以上無駄に関わりたくないと思ったのもつかの間、なんと田貫が一咲のクラスに転入してくる。ヤクザの孫ということを隠したい一咲や、若頭にも関わらず高校生として一咲をガードしている啓弥を、田貫は面白がる。

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啓弥と地元で開催されている祭りにやってきた一咲だが、自分がヤクザの孫娘と知っている地元の同級生たちと鉢合わせ、気まずい思いをすることに。だが、とっさに啓弥が“高校の同級生”で“デート中”だから、失礼しますと一咲の手を取って連れ出してくれる。とっさのうそがばれないように、このまま手をつないで祭りデートをすることになった一咲は、どぎまぎするも、いつしか啓弥との夜を心から楽しみ始める。

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啓弥を襲ったヤクザたちに一咲が拉致されてしまう。啓弥は一咲の乗せられた車を見つけだすが、ヤクザたちは一咲に銃口を向けて脅してくる。このままでは啓弥が撃たれてしまう、そう思った一咲は、ヤクザに向かって突進する。啓弥を守るために自分が思いもよらない行動をしたことで、“啓弥にいなくなられたら嫌なんだ”とはっきりと理解する。そこで一咲は、啓弥に「もう危ないことはしないで」と約束をさせ、彼と向き合う覚悟を決める。

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啓弥がヤクザたちに命を狙われている光景を見てしまった一咲は、改めて「ヤクザとの恋愛なんて、してはいけないのだ」と胸を痛める。どんなに彼を好きになっても、ある日突然、死んでしまうかもしれない。自分の目の前からいなくなってしまうかもしれない。そんな辛い未来を思い浮かべ、啓弥への気持ちを断ち切ろうとしていた一咲だったが、臨海学校にて、入れ墨を見られそうになった啓弥を、一咲はとっさにかばうことになる。

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一咲が、一切勉強をしようとしない啓弥に図書館で勉強を教えていると、同級生たちがちょっかいを出してくる。いつも一緒にいる一咲と啓弥が付き合っているのではないかと言われ、思わず一咲はドギマギする。だが、啓弥がきっぱりと「それはない」と否定するのを見て、ショックを受けてしまう。相変わらず一咲をどう思っているのか分からない啓弥だったが、突然「追試に合格したごほうびとして、一咲さんとキスがしたいです」と言い出す。

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ヤクザである啓弥に心引かれている一咲だが、頭では彼に恋をし続けてはいけないと分かってもいた。そこで一咲は、「他の男性に目を向け、恋ができたら」と考えていると、隣クラスの田丸という男子に出会う。啓弥に田丸との会話を邪魔された一咲は、ついカッとなってしまい田丸の前で啓弥を怒鳴ってしまう。「まずい」と慌てる一咲だったが、田丸は怯えるどころか、そんな一咲を面白がる。

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「自分をヤクザの孫だと知らない人しかいない高校で、普通の高校生として青春を満喫し、普通の恋がしたい」と思っていた一咲だったが、なぜか自分の世話係である宇藤啓弥が、一咲の同級生として一緒に入学すると言い出す。「一咲さんに恋愛なんて早すぎます！」と、近付いてくる男子たちを蹴散らす啓弥に、一咲はついカッとなってしまう。過保護でおせっかいなアラサー世話係兼同級生との、前途多難な高校生活が始まる。

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