べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜のあらすじ一覧
店を再開した蔦重(横浜流星)は、歌麿(染谷将太)を中心に多くの絵師や戯作者によって誕生した東洲斎写楽の絵の出版を続ける。だが、江戸中を駆け巡った勢いは続かず、人気の低迷により打ち切りとなり、写楽は正体不明のままひっそりと姿を消す。その後、蔦重は新たに日本古来の文学や歴史を研究する「和学」の分野に手を広げ、戯作者の曲亭馬琴(津田健次郎)の新作なども出版する。本屋として精力的に動く蔦重だったが、ある日、脚気の病に倒れてしまう。てい(橋本愛)が心配する中、病を押して北尾政演(古川雄大)や大田南畝(桐谷健太)ら多くの仲間たちと作品を作り世に送り出した蔦重は、ある夜、不思議な夢を見る。

定信(井上祐貴)や平蔵(中村隼人)らの敵討ちの計画が治済(生田斗真)に感づかれ、その報復は将軍・家斉(城桧吏)の乳母・大崎(映美くらら)を死に追いやる。さらに、定信に協力していた蔦重(横浜流星)にまで影響が及び、一時的に店を閉めることに。窮地に陥った定信の元を訪ねた蔦重は、家斉を巻き込み治済を捕らえるという驚きの策を提言する。再び計画が動き出し、定信は亡くなった家治(眞島秀和)の弟で御三卿の清水重好(落合モトキ)に会いに出向く。
蔦重(横浜流星)は曽我祭に合わせ、源内(安田顕)が描いたような役者絵を売り出すことを思い付く。絵師たちを集めて取りかかるが、納得する役者絵が仕上がらず行き詰まる。そんな中、てい(橋本愛)が蔦重と距離を置いていた歌麿(染谷将太)に、二人しか生み出せない絵を見てみたいと訴える。ていの思いに突き動かされた歌麿は、再び耕書堂に戻ってくる。その後、役者絵は完成し、興行初日、東洲斎写楽の画号で一挙に28枚を売り出すと、写楽のうわさは江戸城中にも広まる。
歌麿(染谷将太)の美人大首絵「婦人相学十躰」で調子を取り戻した蔦重(横浜流星)の耕書堂は、“身上半減”から立ち直る。 続いて蔦重は、歌麿の新作として市中で美人と評判の水茶屋の難波屋おきたをはじめ、江戸の「看板娘」の錦絵を仕掛ける。この新作も評判となり、看板娘に会いたい客で各店は繁盛し、江戸の町も活気づく。そんな中、てい(橋本愛)の懐妊を知った蔦重は心から喜ぶ。その頃、定信(井上祐貴)は朝廷への尊号一件などの強硬姿勢により、幕閣内で孤立し始めていた。
林子平の著書「海国兵談」で処分を受けた須原屋(里見浩太朗)の元を訪ねた蔦重(横浜流星)は、須原屋から二代目に店を譲り引退すると聞かされる。程なく、蔦重は生き生きした女性像を描いた美人大首絵「婦人相学十躰」の売り出し方を歌麿(染谷将太)と思案する。そんな中、つよ(高岡早紀)の体に異変が起きる。その頃、城中では家斉(城桧吏)の嫡男・竹千代が誕生する。その祝いの席で定信(井上祐貴)は突然、将軍補佐と奥勤め、勝手掛の辞職を願い出て家斉らを動揺させる。
「教訓読本」が摘発され、財産の半分を没収される“身上半減”の処分を受けた蔦重(横浜流星)だったが、ようやく営業を再開する。程なく、蔦重は執筆依頼のため山東京伝(古川雄大)の元を訪ねる。そこで京伝の妻・菊(望海風斗)から、戯作者の滝沢瑣吉(津田健次郎)の面倒を見てほしいと託される。蔦重は手代扱いで瑣吉を店に置くことに。そんな中、蔦重は歌麿(染谷将太)の描いたきよ(藤間爽子)の絵から女の大首絵の案を思い付き、歌麿に会うため栃木に向かう。
寛政3(1791)年。地本問屋株仲間を発足させた蔦重(横浜流星)は、事前検閲の行事改をうまく丸め込む。そして出版が禁止されていた洒落本を、山東京伝こと政演(古川雄大)が執筆した3冊を袋入りにして「教訓読本」として売り出すことに。一方、きよ(藤間爽子)を失い憔悴した歌麿(染谷将太)は、蔦重の実母・つよ(高岡早紀)と共に、江戸を離れることを決める。数カ月後、突然、蔦屋の元に与力と同心が現れ、「教訓読本」の絶版を命じる。さらに蔦重と京伝は、牢屋敷に連行されてしまう。
歌麿(染谷将太)の元を訪ねた蔦重(横浜流星)は、体調を崩して寝込んでいる妻のきよ(藤間爽子)の姿を目にする。医者を呼んでいた蔦重は、歌麿がきよの病状を報告してくれなかったことを嘆く。程なく、蔦重は鶴屋(風間俊介)の計らいで、けんか別れした政演(古川雄大)と再び会うことに。その頃、定信(井上祐貴)は平蔵(中村隼人)を呼び、昇進をちらつかせつつ人足寄場を設けるよう命じる。さらに定信は改革の手を緩めず、学問や思想に厳しい目を向け、出版統制令を発令する。
武士でもあった春町(岡山天音)は、幕府の出頭命令に応じず亡くなる。そして同じく武士の喜三二(尾美としのり)が江戸を去り、耕書堂専属の戯作者がいなくなる。そんな状況のため、政演(古川雄大)も執筆をためらう。その頃、歌麿(染谷将太)は栃木の商人から肉筆画の依頼を受け、その喜びをきよ(藤間爽子)に報告する。一方、定信(井上祐貴)は、大奥の倹約、棄捐令、中洲の取り壊しを実行する。そのあおりを受けた吉原のため、蔦重(横浜流星)は政演と歌麿に新たな仕事を依頼するが、てい(橋本愛)がその企画に反対する。
寛政元(1789)年2月。蔦重(横浜流星)は、新作の黄表紙「鸚鵡返文武二道」「天下一面鏡梅鉢」を刊行する。定信(井上祐貴)の改革と江戸の世相を風刺した戯作は飛ぶように売れる。その頃、政務に追われていた定信の世間からの評価に陰りが見え始めていた。そんな中、蔦重の新作の黄表紙を偶然目にした定信は激怒し、絶版を命じる。この一件で喜三二(尾美としのり)は筆を断つ決断をし、「悦贔屓蝦夷押領」も手がけた春町(岡山天音)は幕府から呼び出しを受ける
天明8(1788)年。蔦重は、定信(井上祐貴)の政策をちゃかした黄表紙「文武二道万石通」を発行する。人気を博したこの本を目にした定信は勘違いし、逆に改革を勢いづかせてしまう。また、多くの読者が風刺を理解できなかったことから、蔦重(横浜流星)は複雑な気持ちになる。そんな中、蔦重は読売で定信が将軍補佐になったことを知る。一方、歌麿(染谷将太)はかつて廃寺で絵を拾い集めてくれた耳が聞こえないきよ(藤間爽子)と再会。きよとの交流で歌麿の心に変化が生まれる。
松平定信(井上祐貴)が財政難と風紀の乱れに直面する幕府の再建を託され、老中首座に就任する。意次(渡辺謙)の華やかな商業重視政策とは対照的に、質素倹約を掲げた厳しい統制を始める。江戸で定信のうわさが飛び交う中、蔦重(横浜流星)は狂歌師たちに豪華な狂歌絵本を作ろうと呼びかける。だが、定信を皮肉った狂歌を詠んだ疑いで処罰される恐れがあった南畝(桐谷健太)は、絶筆を宣言してしまう。蔦重は時流にあらがうため、ある決意を胸に意次の屋敷を訪れる。
天明7(1787)年5月20日、江戸で打ちこわしが発生。生活に苦しむ新之助(井之脇海)ら民衆は米の売り惜しみをした米屋を次々に襲撃し、家財などを略奪する。知らせを受けて混乱する老中たちに対し、意次(渡辺謙)は冷静かつ的確に提言する。そんな中、意次の元を訪れた蔦重(横浜流星)は、米の代わりに金を配り追々米を買えるようにする策を進言する。一方、一橋邸では治済(生田斗真)が、大奥が反対を取り下げたため正式に老中就任が決まったことを定信に告げる。
天明5(1785)年。戯作者・山東京伝(古川雄大)が手がけた黄表紙「江戸生艶気樺焼」が売れ、発行元の耕書堂は創業以来の大盛況となった。蔦重(横浜流星)は次の一手として、狂歌師と絵師が協業した入銀による狂歌絵本を作ろうと考える。そこで蔦重は、“人まね歌麿”とうわさになり始めた歌麿(染谷将太)を、今が売り時と判断し起用することに。年が明け、蔦重は歌麿に“人まねではない歌麿ならではの絵”を描いてほしいと新たに依頼。尻込みする歌麿は、描き方に苦悩する。
浮世絵師の北尾政演(古川雄大)が持ち込んだ“手拭いの男”の絵を使って意知(宮沢氷魚)の敵討ちの題材を思い付いた蔦重(横浜流星)は、黄表紙を作りたいと戯作者や絵師たちに提案する。そこに鶴屋(風間俊介)が現れ、大当たりを出すなら政演の別名義である「京伝先生」を貸すと申し出る。その頃、意次(渡辺謙)は平秩東作(木村了)が手に入れた松前家の裏の勘定帳によって、蝦夷地で松前家が公儀に秘密裏で蓄財していた証拠をつかむ。早速、意次は上知を願い出る準備を始める。




























