冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってたのあらすじ一覧
【最終回】大公邸の舞踏会に向けてドレスアップされたアンジェリンに対し、エストガル大公の三男フランソワは「君のために余興を用意した」と不敵に笑う。そしていよいよ式典が始まる。大公と皇太子も見守る中、フランソワは地下ろうに閉じ込めていた“天蓋砕き”の異名を持つ元Sランク冒険者・カシムを式典へと連れ出す。アンジェリンとカシムは大義もなく相対することになり、カシムは「お前ならおいらを殺せると思う」と自嘲的に笑う。
アンジェリンは大公の招待を受け、公都エストガルを訪れる。大公家の次男ヴィラールの尊大な振る舞いにうんざりするも、無邪気で好奇心旺盛な息女のリーゼロッテとは仲良くなる。「私の秘密を見せてあげる」とリーゼロッテに促され、アンジェリンは地下牢へ導かれる。一方、ベルグリフはマルグリットと共にオルフェンに着く。そこでアンジェリンが自身の嫁探しに励んでいたことを知り、困惑する。
アンジェリンはシャルロッテたちが安全に暮らせるよう、二人を連れてトルネラへの帰還を決意するが、そこへエストガル大公からの招待状が届く。魔王討伐の功績をたたえ、勲章を授けるというのである。一方トルネラでは「冒険者になるため旅に出る」と宣言するマルグリットに、ベルグリフは昔の自分を重ねて思いにふけっていた。そんな中、グラハムは「過去を清算する必要がある」と、ベルグリフに旅に出るように促す。
シャルロッテとビャクは、アンジェリンの家に居候することになり、二人を弟妹のように思うアンジェリンは、偶然出会ったマリアに自衛のための魔法を教授してもらえるようお願いする。その帰り道、正体不明の兵士たちの襲撃を受け、不意を突かれてアンジェリンたちは苦戦を強いられる。その戦いはやがてギルドの冒険者も巻き込んでいく。そんな中、「誰かが兵士たちを操っているのでは?」と疑うアンジェリンの前に、かつてたいじした影が現れる。
ボルドー襲撃事件が決着し、アンジェリンはオルフェンへ、ベルグリフは故郷のトルネラへと戻っていく。帰宅したアンジェリンは「お父さんが寂しい思いをしないよう、お嫁さんを探す」と意気込んで勝手に父の花嫁探しを始め、元・高ランクの女性冒険者や、孤児院のシスターに次々と声を掛けていく。一方、トルネラでは魔獣退治に勤しむベルグリフの前に、老エルフ・グラハムが現れる。
アンジェリンたちはヘルベチカ、サーシャ、セレンの3姉妹がいるボルドーに滞在することになる。時を同じくして、シャルロッテたちと手を組んだマルタ伯爵がボルドー襲撃を企てていた。墓場から大量に現れたアンデッドがボルドーの街を襲い始め、アンジェリンたち冒険者パーティーは住民を守るため最前線で戦う。アンデッドの群れが3姉妹のこもる屋敷にも迫る中、アンジェリンはかつて倒した魔王にも似た黒い影と対決する。
オルフェンの裏路地を歩くライオネルとチェボルグは、広場でヴィエナ教を批判しているシャルロッテと遭遇。魔王を生み出した大魔導ソロモンを信奉し、警備隊すら退けるシャルロッテとその従者・ビャクに対し、「おいたが過ぎる」とチェボルグたちと相対する。一方、春告祭が行われているトルネラでベルグリフは、村長からボルドー伯への手紙を送り届けてほしいとの依頼を受け、アンジェリンたちとともにボルドーの街へと向かうことになる。
ようやく故郷トルネラに戻り、父・ベルグリフとの再会を果たしたアンジェリン。同行したアネッサやミリアムも一緒にベルグリフと念願の穏やかな日々を過ごす。そんな中、親子は剣の手合わせすることになるが、昔からのくせを知るベルグリフにアンジェリンは簡単に負かされてしまう。「Sランク冒険者である以上、今後も危険な目に遭うかも知れない」と考えたベルグリフは冒険者としてのアンジェリンの覚悟を問うため、再び剣を交える。
農作業に勤しむベルグリフの元に大領主ボルドー家の次女・サーシャが訪ねてくる。以前、三女のセレンが盗賊に襲われていたところをアンジェリンに助けられ、そのお礼にやってきたという。謝礼の金貨を贈る中、サーシャはベルグリフに剣技を師事したいと申し出る。一方、オルフェンにて魔獣退治の依頼に励むアンジェリンは、かつて護衛を依頼された行商人と再会し、そこで父・ベルグリフの話を聞く。
元冒険者ベルグリフは、故郷へと戻り日々平穏に暮らす中、森で捨てられていた女の子を拾い、自分の娘“アンジェリン”として男手一人で育て上げる。時が経ち成長したアンジェリンは、父と同じく冒険者になりたいと都のギルドへと旅立っていき、“黒髪の戦乙女”の異名を持つSランク冒険者として活躍していく。そんなアンジェリンが久しぶりに長期で休みを取り、5年ぶりの再会を楽しみに父・ベルグリフのいる故郷に帰ろうとする。