夏目友人帳 漆のあらすじ一覧
学校からの帰り道、夏目は小さい光を舞い散らせながら山の向こうへ消えてゆく白い龍を見かける。その日から時折、その白龍の姿を見かけるようになった夏目は、吉兆の兆しである龍を見たいと意気込むニャンコ先生と共に龍を追うが、なかなか姿を見せない。そんなある日、夏目とニャンコ先生は落ち込んだ様子のちょびと出会う。訳を聞けば、大事にしていた美しいくしが壊れてしまったという。それ以来、ちょびの壊れたくしの代わりをと思案していた夏目はある事を思い付き、興味本位で集まったイヌの会の面々の協力を得ながら、再び白龍を探し始める。
夏目と北本は下校の道中、住宅街にひっそりと佇む古本屋を見つける。この店に覚えがあるという北本の誘いで、店内に足を踏み入れた夏目は、そこで不穏な気配を感じる。一方、北本は父との思い出を懐かしむように、たびたび古本屋へ立ち寄るようになる。そんな北本の身を案じる夏目は、その後を追い再び古本屋を訪れる。そこで、二人が手に取った本のページの間に目にしたのは、奇妙な文字の書かれた紙片だった。それを見て動揺する夏目たちの前に、突如一人の少女が現れ、この店は危険だと警告する。
近所で花の苗をもらった塔子のために、夏目は庭の一角に花壇を造り始める。日々作業にいそしむ中、造りかけの花壇を囲う石がなくなっている事に気がつく。その日の夜、石を持ち去る犯人を待ち受ける夏目の前に現れたのは、 翁の面を付けた妖たちだった。箱守りと名乗る妖たちは、囲い石を譲ってほしいと、 古びた木の箱の中に収まる荒れ果てた箱庭と屋敷を夏目に見せる。彼らは、数十年ぶりに箱屋敷を訪れる神様のため、夏目に力を貸してほしいようだった。
小さい頃から妖怪を見ることができた少年・夏目貴志は、祖母レイコが遺した“友人帳”を継ぎ、自称用心棒の妖(あやかし)・ニャンコ先生と共に、妖たちに名を返す日々を送る。ある日夏目は、名を返した妖から礼として、不思議な力を持つ灰を譲り受ける。その灰を使って、夏目とニャンコ先生は粘土で思い思いの品を作る。しかしその翌日から奇妙な事が起き始め、夏目が粘土でこしらえた小さなニャンコ先生の置物もいつの間にかなくなっていた。