天官賜福 貮のあらすじ一覧
【最終回】仙京に戻った謝憐は君吾にりゅう金宴の真実を伝える。一連の出来事を経て花城への信頼を一層強めた謝憐だったが、反対に君吾は花城に強い警戒心を抱いていた。そして天界を後にした謝憐は、荒れ果てたかつての仙楽国へ赴き、両親のひつぎへと向かう。
謝憐は郎千秋に“りゅう金宴”の真実を知らせた花城を責める。しかし花城は謝憐の行動は間違っていないとはっきり告げる。謝憐に絶大の信頼を寄せ、ただ一人事件の真相を見抜いていた花城に対して、ついに謝憐は過去にどこかで会ったことがあるのではという疑問を口にする。
滅亡した仙楽国皇室の子孫・安楽は、永安国王から“りゅう金宴”の手配を信任されていた。表向きは永安王族と良好な関係を築きつつ、腹に一物を抱えていた安楽の心の闇に戚容は付け入る。うたげの場に遅れてやって来た芳心国師こと謝憐は、そこで予期せぬ事態を目の当たりにし、ある決断を迫られる。
花城は普段の冷静さとは真逆に激しく荒ぶり、一方的に戚容を痛めつける。音を上げた戚容はとうとうりゅう金宴虐殺事件の真相について口を割る。時はさかのぼり、郎千秋が17歳の誕生日を迎えようとしていた頃、安寧へと向かっていたはずの永安国で何が起きたのかが語られる。
謝憐は花城と共に変装して薄暗い鬼の巣窟に潜入する。捕らえられた人間たちの列に混ざって死体つるしの森を抜けた先には、仮面を着けた青灯夜游が鎮座していた。鬼花婿の事件から影で糸を引いていた悪鬼の姿は、意外にも謝憐にとって見覚えのあるものだった。
さらわれた謝憐を取り戻そうと後を追う風信と慕情だったが、賽子の法術にほんろうされあちこちへと飛ばされてしまう。一方、一足先に謝憐の元へ駆け付けた郎千秋は再び決闘を挑み、ついに謝憐もその申し出に応じる。こじれてしまった二人の関係をよそに、花城はある場所へと彼らを誘う。
かつて永安国の国師と太子として親交を深めた謝憐と郎千秋だが、ある事件をきっかけに両者の関係は一変してしまう。禁足を命じられて仙楽宮にこもる謝憐は、炎に包まれた極楽坊にたたずむ花城に思いをはせ、持ち帰ったさいころを振るう。すると、仙楽宮へ思いがけない人物が訪問する。
武器庫へ帰り着いた神官たちの前に城主・花城が立ちはだかる。助太刀に現れた郎千秋は果敢にも花城へ挑むが、そこへ割って入った謝憐の剣技が繰り出される。間一髪のところで危機を回避し極楽坊を後にする謝憐たちだったが、郎千秋の心の内にはある疑念が渦巻いていた。
極楽坊に潜入した師青玄と合流した謝憐は、花城のいないうちに例の扉へと向かう。賽の目次第でさまざまな空間に通じる扉の力で、謝憐たちは四方八方をさまよう羽目になる。紆余曲折を経てついに地下牢にたどり着くと、そこには行方不明となった神官の姿があった。
少年を追い掛けて飛び出した謝憐を仮面の男が導き、花城の御殿へと案内する。華美な建築と圧巻の武器庫に魅了されながら、しばしの間、謝憐は花城との久しぶりの会話を楽しむ。そして包帯の少年と再会した謝憐は、その姿にいつか見た“ある少年”の面影を重ねる。
賭場で謝憐たちと落ち合うはずだった武神・郎千秋だが、博徒のあまりの醜態に腹を立て騒ぎを起こしてしまう。しかし、城主である花城に攻撃するも歯が立たず、郎千秋は逆に身動きを封じられてしまう。道友を助けるべく賭博に参加することになった謝憐は、花城と一対一の勝負をすることに。
霊文からの伝言を受け天界へ戻った謝憐は、半月関での一件について帝君・君吾に呼び出される。行方不明の神官が救援を求めていることを知った謝憐は、風師・師青玄と共に鬼界へ調査に向かうことに。鬼市に潜入した謝憐がひときわにぎわっている賭場に入ると、帳の奥に紅衣の人影があることに気付く。