戦国妖狐 千魔混沌編のあらすじ一覧
千夜と迅火の壮絶な戦いが幕を開ける。千本妖狐の圧倒的な霊力の前に、ついに千夜も覚醒し、互いに一歩も引かない戦いが展開する。激しい霊力のぶつかり合いの中で、月湖はひょうたんの力で霊力の乱れを整えようとしていた。霊力の嵐が研ぎ澄まされ、乱れのない川となるときこそ幽界干渉の好機だった。幽界で迅火に接触すべく、タイミングを見計らい、千夜と迅火の間に飛び込んだたま、真介、灼岩は、ついに幽界干渉を実行する。閉ざされた迅火の心の中で、たまたちは“あるもの”を目にする。
ついに千夜たちは、無の民との戦いを終結させる。一人その場から去ろうとする千夜だったが、華寅に捕獲され、あえなく村へと帰還する。目覚めた千夜を待っていたのは、月湖主宰による家族会議だった。なぜ去ろうとしたのかを問いただす月湖に対し、「いずれ人の世にあってはならない力になる」と、千夜は心の内をさらけ出す。だが月湖はまっすぐな気持ちで千夜を説き伏せる。一方、真介は千夜の告白がふに落ちず、自身が抱える恐怖と向き合うように忠告する。
万象王との戦いに苦戦する千夜に、神雲と道錬からある提案が持ち掛けられる。二人の中にいる龍と虎を、千夜に譲り渡したいという。彼ら自身の命と引き換えとなる提案に戸惑う千夜だったが、既に致命傷を負っている二人の思いを受け止め、受け入れることを決断する。新しく身にした龍と虎、そして千の闇たちと共に、千夜は戦いを終わらせに戦場へ戻る。ムドに託され、千夜は万象王を飛び越えて無の民の元へと向かうが、いつしか幽界へと誘われていた。そこで千夜を“ある人物”が待っていた。
無の民の指示に従わず、神雲は道錬との対決を望む。二人から激しい闘気が立ち上り、戦いを見守っていたたまたちをも圧倒する。一方、無の民は、道錬と神雲の戦いには構わず、千夜に闇たちを差し向ける。膨大な数の闇たちの攻撃に、千夜は徐々に押されていく。だが千夜の肉体は消耗しつつも、霊気は止めどなく湧き水のようにあふれ出していた。「操られている全ての闇たちを救いたい」という真理にたどり着いたとき、千夜はさらなる高みへと向かう。
無の民が千夜との決戦の地に選んだのは、8年前に激戦が展開された断怪衆総本山だった。断怪衆僧正・印河は、千夜、ムド、道錬の3人の闘気が、闇の大群に匹敵する力があると感じ、本山奪還への希望を見出す。千夜らは、それぞれが因縁を持つため、「最初に出会った者が神雲と戦う」という取り決めを交わし、総本山へと突入する。無の民に操られた闇の兵たちを退けながら、3人は総本山を突き進んでいく。万象王を追ってきたたまも加勢するが、そこに現れたのはたまがもっとも戦いたくない相手だった。
万象王という移動基地を手に入れた無の民は、各地の闇を洗脳し、闇の軍団を組織する。無の民は猩々たちも取り込もうと万象王を差し向けるが、その前に立ちはだかったのは道錬とムドだった。だが万象王の懐に飛び込んだムドは、予期せず同じ龍族のナダレと遭遇、返り討ちに合ってしまう。辛くも逃げ切った道錬とムドは、タゴの導きで龍の気配をたどってきた千夜と再会する。一方、無の民はさらに軍を増強すべく、闇の群れを求めて岩の闇の村へと向かう。
千夜は山の神に捕らえられていた野禅から、迅火を人間に戻す方法を告げられる。迅火の結界を破るカギは移動可能で、土地神に匹敵する能力を持つ者だった。一方、無の民は、千夜との戦いには基地となる移動要塞が必要だと考えていた。両者の思惑に合致するのは、雲の闇・万象王の力だった。一度村に帰った千夜一行だったが、千夜は無の民が起こす事件の要因は自分だと考え、一人で村を旅立ってしまう。その頃、たまは一足先に単独行動で万象王を捜索するが、恐るべき事実を突きつけられる。
たまと合流を果たした千夜と月湖だったが、一行が目の当たりにしたのは千本妖狐となった迅火の姿だった。迅火は海神の力を自らのものにし、周囲に強力な結界を張り巡らせてしまう。結界を突破する方法を探るべく、一行は占い師・八卦猫の元を訪れるが、狂神と化した泰山が突如現れる。なうの助けにより、千夜は幽界干渉を発動し泰山を解放する。そして、仲間に加わった泰山と共に旅を続ける千夜たちの前に、銀髪の一族を探す犬の闇(かたわら)が姿を現す。一方、強くなりたいと悩む月湖に危険な影が忍び寄る。
一行の前に現れたのは、テルさんこと室町幕府第十三代将軍・足利義輝だった。義輝は、京の大土地神・華寅を千夜たちに引き合わせる。華寅は、狂神と化した自らの分霊(わけみ)を止めてくれた千夜をねぎらい、自分を責めるなと伝える。それでもなお、戦ったことを後悔し続ける千夜だったが、義輝の常識にとらわれない考え方に触れ、自分の持つ力について改めて考え始める。だが、千夜の気持ちが変わり始めたのもつかの間、京にムドが襲来し、月湖をさらって行ってしまう。























