父は英雄、母は精霊、娘の私は転生者。

【最終回】ラヴィスエルの思惑と自分が手駒にされていた事実を知ったガディエルは、父の元へ向かう。険しい表情のガディエルに対し、社会を知った顔を評価するラヴィスエル。そんなラヴィスエルに怒りを抑えきれないガディエルは、ヴァンクライフト家を敵に回した代償に王家の人間として向き合う覚悟を固める。一方、エレンはラフィリアを誘拐した者たちの処遇を決めていた。王家へ報復するため、非情な選択を行う。

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無事に救出されて目を覚ましたラフィリアは、エレンに対して「あんたのせいよ！」と一方的に責め立てる。たしなめるサウヴェルに対し、ラフィリアは父や皆がエレンばかり気にして、自分を見てくれない気持ちを吐露する。娘の反抗的な態度の理由にやっと気付いたサウヴェルは、ロヴェルに少しだけ理解できたと感覚を共有する。次の日、エレンたちはガディエル一行に対して、事件の真相とラヴィスエルの思惑を伝える。

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突然ラフィリアがいなくなり、周囲は騒然となる。その原因が、「ヴァンクライフト家のお嬢様と薬の確保」だったと知ったエレンは、自分と間違えてさらわれたのだと自責の念に駆られる。そして、ガディエルの関与を示唆する手紙が見つかり、ヴァンの力を借りて怪しい人物たちを捜し出すことに。そして、ガディエル一行と一緒にいることを知ったサウヴェルは激昂して怒鳴り込むが、娘の姿はなく、見覚えのない手紙にガディエルは困惑する。

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巷では風邪の流行と共に、よく効く薬と“治療のお姫様”のうわさが広がっていた。この件にヴァンクライフト家が関係していると知ったラヴィスエルは、探りを入れることに。そんな中、エレンはロヴェルたちと薬の供給不足や治療を求めて領地外から来る人々、これらに伴う治安悪化について話し合っていた。エレンを求める人が急増したことで身に危険が及ぶと判断したロヴェルらは、護衛を付けることを決める。

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エレンは転生前の知識を生かし、何とか薬を完成させる。だが、薬の精製の疲労から熱を出して倒れてしまう。エレンが無理をするのを止められなかったロヴェルは落ち込み、見守っていたオリジンはほめつつ、力の制御について練習するように促す。そして、薬が届けられた鉱山は、活気を取り戻していく。その頃、ラフィリアは貴族となった事で淑女になる教育を受けていた。

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王城での出来事から、かなりの月日が流れる。以来、ガディエルは足しげくエレンの元を訪ねるが、一度も面会を果たせずにいた。ガディエルは、ヴァンクライフトの屋敷の中で「いつになったら会えるのだろうか」と思う。そこへ偶然ラフィリアが現れ、ぶしつけとも取れる物言いで贈り物をねだってしまう。一方、エレンは領地内の鉱山へあいさつに赴くため、おめかしをして出掛ける。エレンを見送ったヴァンは、寂しさから過去を思い返していた。

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ついに、王家へ赴く日がやってくる。腰が重いロヴェルとは対照的に、エレンはどこか好戦的な様子を見せる。王城でラヴィスエルは、父である前国王は、娘アギエルの件で責任を取って退位し、二度と城には戻らないだろうと2人に告げる。その言葉に、エレンは「妹の悪行を利用して父親を王座から引きずりおろすなんて、やはり腹黒い」と強い警戒心を抱く。そして彼女は、本題である結婚式での断罪について切り出す。

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叔父のサウヴェルとアリアの結婚式の最中、“女神ヴァールの断罪”が発動してしまう。エレンの機転で何とか場の雰囲気を持ち直すことはできたものの、腹黒さんことラヴィスエルは、この機を見逃さなかった。エレンの帰宅を知り安堵するロヴェルらの元へ、「黙っていてほしければ娘を差し出せ」と、暗に要求を突き付ける。ロヴェルは突っぱねることもできない状況に怒りを露わにし、新婦アリアを厳しく問いただす。

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エレンに「おじさまと仲直りするまで、とーさまとお話しません！」と言われてしまったロヴェルは、話をするためアルベルトを呼び出す。ロヴェルは家のことを思っての行動とは理解しつつも、娘を危険にさらされたことへの怒りは抑えきれない。対して、アルベルトは深く頭を下げ、ラヴィスエル殿下とはすでに関係を断ったと報告する。一方、再婚を勧められたサウヴェルは、相手アリアと娘のラフィリアを家に招こうとしていた。

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ロヴェルは、家族の情報が王家に流されたせいでエレンが目を付けられたことに憤りを見せる。だが、開き直ったロヴェルは妻と娘を堂々と紹介することに。エレンは祖母であるイザベラに会うことになり緊張するが、オリジンは「気まずくなれば二度と会わなければいい」とさっぱりした様子。まさに“かーさまらしい”様子に少し緊張がほぐれたエレンだったが、実際に会ってみるとヴァンクライフト家の人々から歓迎される。

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ロヴェルと弟サウヴェルは、10年ぶりに再会を果たす。当主となっていたサウヴェルは、妻アギエルの身勝手な行動に振り回されながらも、ヴァンクライフト家のために身を尽くしていた。一方、サウヴェルを助けるためアギエルのうそを追求しようと動きだすロヴェルに、テンバール王国の王太子・ラヴィスエルはある条件を提示する。程なく、2人の離婚調停が開廷する。

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精霊界で暮らす8歳の少女・エレンは転生者。物質を化合させたり、構造配列を好きに変えられるというチートスキルを持つ。そして、父・ロヴェルは国を救った伝説の英雄、母・オリジンは元始の母にして精霊の女王。一家は平穏に暮らしていたが、ロヴェルとエレンが修行のために訪れた人間界では、ロヴェルの元婚約者のアギエルが横暴を繰り返していた。ロヴェルは、元護衛のアルベルトから話を聞き、実家に帰ることを決める。

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