中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。のあらすじ一覧
【最終回】数々の怪異事件を解決してきたことで、今や栞奈の心霊探偵としてのうわさは不動のものになっていた。そんなある日、栞奈は学校に伝わる七不思議の一つ“増える階段”のうわさが本当か、確かめに行きたいと同級生の霧子に誘われる。うわさによれば、深夜0時に旧校舎の階段を昇ると一段階段が増え、階段を踏んだ者を異界に引きずり込んでしまうという。それを確かめるべく、栞奈はタケ坊らと共に夜の旧校舎へと足を踏み入れることに。深淵の闇が支配する異界を舞台に、心霊探偵・栞奈の憑き物落としが始まる。
寒さが身に染み始める秋。食いしん坊の栞奈は、常日頃からおいしい物を求めることに余念がない。図書準備室で見つけたクッキーを巡る中禅寺との心理戦。何とか中禅寺にクッキーを食べようと言わせるため、栞奈は知恵を振り絞り、あの手この手の戦略を練る。そんな中、榎木津邸で焼き芋大会が開催されることに。そこに集った中禅寺らの知恵と力を借り、栞奈はホクホクの甘い焼き芋を焼き上げるべく奮闘する。おいしい食べ物を前に、栞奈の心と食欲は秋の空のように高まっていく。
うわさがうわさを呼び、栞奈の元には今日も怪異に関する相談が舞い込む。まるで妖精の魔法のように、美術室から消えたスケッチブックの行方を追う“ブラウニーのいたずら”。旧校舎をはじめ、さまざまな場所で目撃される白装束を身にまとった生首を持ち歩く女。その怪異の正体を巡る“サロメの首”。栞奈はさまざまな難問を前に頭を悩ませるが、いつまでも中禅寺が答えを出してくれるのを待つ彼女ではない。中禅寺に相談をしながらではあっても、少しずつ栞奈は自分なりに怪異と向き合い、その解決方法を模索していく。
巷に広まる“幽霊が出現するとされる屋敷”のうわさは、夜中に目を覚ますと不気味な白い人影がこちらをのぞき込み、嫌らしい笑いを浮かべるという。ある日、栞奈はこの屋敷に住む婦人・佐和子のことを雪絵から聞く。街中で彼女と出会った栞奈は、困っているのを放っておけず思わず声を掛けてしまう。そして栞奈は心霊探偵と名乗り、事件解決に乗りだすことに。だが、彼女一人ではまるで分からない。そこへ、正式に調査の依頼を受けた中禅寺がやって来る。なりゆきで助手という扱いになった栞奈は、中禅寺と共に怪異の解体に挑む。
学校に伝わる七不思議の一つ「死神の楽譜」。その楽譜を見た者は死神に連れ去られてしまうという。ある日、赤点の罰で旧校舎の片づけを命じられた栞奈らは、奇妙な楽譜を発見する。とても楽譜とはいえないでたらめな符号などが書き込まれていることから、栞奈らはまさかこれが「死神の楽譜」ではと苦笑する。だが、音楽教師の杉本先生だけは、何故かショックを受けた様子を見せる。栞奈は楽譜を見つけて以来、元気がない杉本先生を心配して励ます。そんな中、杉本先生が覆面を被った暴漢に襲われてしまう。
ある日、栞奈と敦子は1匹の汚れた野良猫と出会う。この野良猫に懐かれた栞奈は、もらい手を探してやることに。「汚れを落としてきれいにしてあげればもらい手が見つかるかもしれない」と敦子に助言された栞奈は、共に中禅寺家へ向かう。千鶴子の友人である雪絵の協力もあり、ネコは見違えるようにきれいになり“石榴”と名づけられる。その一方、中禅寺家では別の問題が起きていた。千鶴子が、お気に入りの手鏡をなくして困っていたという。それを見た石榴は、突如栞奈たちを案内するかのようにどこかへ走り出す。
兵隊服の男が物の怪を詰めたつづらを背負い、夜な夜な徘徊する。もしも見つかればつづらに閉じ込められ、物の怪の仲間にされてしまうという。不気味な怪異のうわさが広まる一方、旧校舎の図書準備室を訪れた栞奈は中禅寺に頼み事をする榎木津に遭遇する。ケェキに釣られて栞奈も共に青山にあるジャズバーへ向かうことに。そこで待っていたのは榎木津の兄、榎木津総一郎だった。総一郎は中禅寺に、自分の元で働いているある人物の調査を依頼する。その後日、お使いで青山へ行った帰り道、栞奈は件のつづらの男を目撃してしまう。
自分とそっくりの人間を目撃したと、栞奈は花代から相談を受ける。それが原因で不安になっているという花代を救うため、栞奈はその正体を探ることに。そのさなか、いきつけの本屋で中禅寺の友人である関口と出会う。栞奈から話を聞いた関口は、その怪現象はドッペルゲンガーではないかと推察する。そして、それは一過的な幻覚に過ぎないものだから心配しなくていいと話す。栞奈は花代を安心させようと関口の話を伝える。その言葉により一旦は平静を取り戻す花代だったが、その矢先、彼女はさらにありえない光景を目撃し、震え上がってしまう。
学校内に“怪人青マント”のうわさが広まる。その姿を見た者は体をバラバラにされ、袋に詰められ持ち去られてしまうという。ある日、栞奈は心霊探偵のうわさを聞きつけた同級生たちに、その青マントを退治してほしいと頼まれてしまう。そんな中、栞奈自身もうわさの青マントを目撃する。さらに青マントが落としたとおぼしき財布を拾う。財布の中身を確認して、中禅寺は険しい顔になる。そこに入っていた紙幣は全て偽札だった。この事件に犯罪の可能性を見た中禅寺は、友人の警察官である木場修太郎に協力を要請する。
栞奈は中禅寺の思惑で、図らずも心霊探偵に仕立て上げられてしまう。心霊絡みの相談に追われる栞奈は、ある日“赤い紙・青い紙”という学校に伝わる七不思議を知る。中禅寺によれば、それは「赤い紙いらんか、青い紙いらんか」と尋ねられた時に「赤い紙」と答えれば全身血だらけにされ「青い紙」と答えれば全身の血を抜かれてしまう妖怪だという。そんな中、旧校舎の男子トイレで男性生徒が血痕を残して姿を消す事件が発生する。一方、事件を調べていた栞奈は眼帯を付けた美青年、榎木津礼二郎と出会う。
まだ戦争の傷跡が残る、戦後間もない頃の東京。新制高校の2年生になった日下部栞奈はある日、友人たちから“図書室の幽霊”のうわさを耳にする。旧校舎の図書室に現れる幽霊を見た者は、その呪いにより1カ月以内に死に至ってしまうという。栞奈の友人、幸子はその幽霊を目撃してまったとおびえる。死にたくないと嘆く彼女を放っておけない栞奈は、幽霊の正体を探るため夜の旧校舎へと足を踏み入れることを決意する。そんな矢先、栞奈のクラスに新任の講師が赴任してくる。愛想のかけらもない仏頂面な国語講師、それが中禅寺秋彦だった。



















